見出し画像

年に一度のランタンフェスティバルへ。映画と同じ時系列で、思いがけないロマンスの目撃者に【FS考察②】

こんにちは、月兎です🌙🐇

今日から3日連続で、ファンタジースプリングスの各アトラクションを特集していこうと思います👏
今回は第一弾、「ラプンツェルのランタンフェスティバル」についてです🌼

※なお、本記事ではアトラクション乗車中の写真は掲載しませんが、アトラクション全体のストーリーを扱うため、ネタバレには十分ご注意ください。




本題に入る前に、このアトラクションに対する個人的な感想を。

私は6月の下旬にマジックパス(エリアに自由に出入り可能で何度でも優先的に乗れる最強パス)でファンタジースプリングスに初めて行ったのですが、
その日に2回乗り、「これは...どういうことなんだ...?」という感想しか出ませんでした笑

並ぶ前から塔でラプンツェルが歌ってるのが見え、ボートに乗って出発したらめっちゃ端折った映画のシーンが目の前に現れ、アトラクション入口のすぐ横にあるスナグリーダックリングがアトラクション内でも登場し、最後のランタンのシーンでぐるっと半周したらそのまま終わってしまい...

映画と同じ時系列のアトラクション本編と、映画の後の時系列のスナグリーダックリング(レストランのほう)が同時に隣接しているのも意味わからないし、「物語のストーリーをなぞりたいだけならランドでやってくれや...」ってそのときは思っていました。


時は流れ、8月の下旬。
いや、そんなんじゃないぞということに気づき始めます笑

物語を追体験するタイプのアトラクションは特にランドにたくさんありますが、それを"ディズニーシー的にアレンジ"した、ある意味パイオニア的なアトラクションだと気づきました。
また、何度か乗らないとそういった設定に気づけないという意味で、「海底2万マイル」的なスルメアトラクションとも言えます。
(ごめんよ2万マイルくん)

「塔の上のラプンツェル」という映画を"ディズニーシー的に"追体験するために、どのような設定がほどこされているのか、以下本編でお話ししていきます!


時系列は映画の序盤。消えたプリンセスの誕生日を祝うランタンフェスティバルへ

このアトラクションのキューライン(待ち列)はボートハウス。
ここで、いろいろな船をせっせと作っているんだそう。

キャストさんはこのボートハウスで働く船大工。
...の割にはおしゃれすぎる感じもありますが、コロナ王国から認定された公営の造船組合だということもデザインに反映されているのかもしれません。

キャストさんに許可いただいて撮影してきました

コロナ王国は映画の中に登場する国で、ラプンツェルの両親が国王です。
そんなコロナ王国が毎年1回だけ開催しているのが、料理・ダンスなどが用意され、夕暮れ時に一斉にランタンを空へ放つ「ランタンフェスティバル」。
これは、国王のもとから姿を消したプリンセス(=ラプンツェル)の誕生日に、彼女の無事を願って行われる儀式なんですね。

そのランタンフェスティバルを、ボートに乗って見に行ってみませんか!というのがこのアトラクションの趣旨になります。
つまり、プリンセスはまだ見つかってません。
まさに映画と同じ時系列から始まるアトラクションなわけです。

ボートハウスで働く船大工のみなさん(キャストさん)も、まだラプンツェルがプリンセスだとは知りません。
すぐ近くに塔がありますが、知りません。
そこから謎の歌声が聴こえてきても、知らないものは知らないんです()
「まぁまさかそれが国王のプリンセスの歌声とは...」みたいなところでしょうか。


我々ゲストは様々な世界線を自由に行き来できるので、「塔の上のラプンツェル」という映画の世界線を俯瞰することができるスーパー主人公なわけですが(※前回の記事参照)、
この世界線の中に入ってしまえば、"消えたプリンセス≠ラプンツェル"というのが常識であり、まさか塔で歌っているあの少女がコロナ王国のプリンセスだとはつゆ知らず、ゲストにランタンフェスティバル行きのボートを貸し出してくれます。


ちなみにボートハウスの中では、ランタンフェスティバルに関する掲示板だけでなく、船大工の仕事ぶりなども見ることができます。
ボートハウスを切り盛りしているのはジョセフィーヌという女性で、コロナ王国の諮問委員会が定める試験に合格した船大工のようです。

下の貼り紙がその合格証明書。上の貼り紙が今回のボートツアーの案内状(荒くれ者も同じ船に乗ってるかも!?)


他にも、ランタンフェスティバル前夜〜当日の動きを示す予定表が。
出発前の今は、前日にアッティラからカップケーキを受け取り、朝食まで済ませた状態のようです。
お昼?ごろにボートハウスを出発し(アトラクション本編スタート)、途中のスナグリーダックリングで昼食を受け取り、ゴンドラにランタンを積んだころには空も薄暗くなってきます。
そして、夕暮れのランタンフェスティバルに間に合うくらいの時間にコロナ王国に到着。
綺麗なランタンを見て、そのままボートハウスに戻って、夜中はスナグリーダックリングで二次会に明け暮れるようですね。

つまり、我々がボートハウスを訪れるのはランタンフェスティバル当日のお昼前、ということになりますね。
(※塔の上でラプンツェルが「明日は光が夜空飛ぶはず綺麗よねきっと」と歌っており、自分の誕生日を1日間違えていることがわかります

ランタンフェスティバル前日〜当日の動きを示した予定表。ピンぼけですみません


というか、ボートハウスのみなさんはスナグリーダックリングの荒くれ者たちと仲がいいんですね。
まだラプンツェルがユージーンと会う前の話なので、彼らの夢も叶ってないですし、外部の人間に対してあまり協力的じゃない気がするのですが...
でも、ボートハウスの中には、フックハンドによる弾き語り演奏会のお誘いが来ていたり、ショーティーが一目惚れした女性へのラブレターがあったりと、謎に友好的です。

フックハンドからの招待状。「レディースナイト」なので女性しか参加できない?


ボートが進む水路はすべて想定通りのコース。しかし...?

塔のところにはちゃんと「ラプンツェル」という名前が載っています。名前は知られてるけど、まさかプリンセスだとは思っていない、的な?(作品ニワカなので真偽がわからずすみません)


このアトラクションで進む水路は、↑の写真にようにコロナ王国までの道のりとして地図で描かれています。
塔の前を通り、スナグリーダックリングにお昼をもらいに寄り、森とキャンプ地を抜けるとコロナ王国のお城が見えてきます。

スナグリーダックリングの前を通るときはうっすらとドンチャカドンチャカ音が聴こえます。
ぼーっとしてないでしっかりお昼ご飯をもらいましょう。

しっかり食材を調達して待ってくれています


ところが、ボートハウスを抜けてすぐ、"想定外の出来事"が発生。
あのラプンツェルが、大泥棒として名高いフリン・ライダーの手によって塔を降りているではありませんか!

途中の森では、ラプンツェルが外に出て興奮している様子に偶然。
キャンプ地では、怪我をしたフリンを髪の毛の魔法で癒すラプンツェルの姿を横切っていきます。

地図の通り、ここを抜けるとコロナ王国のお城が見えてきます。
ちょうどランタンが上空に放たれた瞬間のようで、なんとかギリギリ間に合ったようです...

と思ったら!ランタンに囲まれながらラプンツェルとフリンが手を繋いでデート?している様子を、これまた偶然目撃
映画の有名シーンすぎて普通に見入ってしまいますが、ここは「あれ、ラプンツェルさんいつの間にかフリンさんといい感じになってるじゃないっすか」と反応するのが正解です()

このランタンのシーンの最後には、スナグリーダックリングから来た荒くれ者たちもいます(ほんとに一緒に船乗ってきたんかよ...笑)


さて、無事ランタンフェスティバルを見終えた一行は、その日の夜中にボートハウスに帰ってきます。
船着場に着く直前に、小屋の内装いっぱいに描かれたラプンツェルの絵を見ることができますが、これはもうユージーンと結婚したあとに彼女が描いたものなのでしょうか?
あと考えすぎかもですが、このボートハウスにラプンツェルが絵を描いた動機は何なんでしょうか?
ストーリーが端折られているため、これは未だに謎です。


出口も非常によくできているなと思います。
このアトラクションの出口の通路は、お隣のスナグリーダックリングの出口の通路と合流する形で作られています。

これは、アトラクションの中で映画と同じ時系列を辿ってきたゲストと、映画の後の「荒くれ者たちが夢を叶えた後」の時系列にいたゲストが交わる、ちょうど中間の時系列を示した道であると捉えることができます。
この通路はよくマキシマスの足跡が話題になりますが、もうユージーンとマキシマスは仲良く?なってスナグリーダックリングの前で足踏みしていたんでしょうか。


ディズニー作品を追体験しつつ、"ディズニーシーらしさ"を添えたパイオニア

...ここまで読んでいただいた方ならもうおわかりかと思いますが、このアトラクションにも、"ゲストとキャストで役割が分かれている""当初予定していなかった出来事が起こる"というディズニーシーの公式に沿った作りになっています。
(※このへんの話は↓の記事で詳しく説明しています)


軽くおさらいしておくと、ディズニーシーには「冒険とイマジネーション」というテーマに沿ってアトラクションやエリアが構築されており、以下の4つの要素に分解できるという話でした。

  • ゲストはよそから来た「冒険者」である・・・①

  • キャスト(従業員)にも役割があり、ゲストの旅をエスコートする存在である・・・②

  • ゲストがアトラクションで目の当たりにする体験は、当初予定されていたものではない・・・③

  • ゲストのイマジネーション(想像力)によって、誰も予期せぬ大冒険をすることになる・・・④

④の要素がこのアトラクションの場合はわかりづらいのであくまで推測ですが、
「ランタンフェスティバルで、ロマンチックな光景に遭遇して見惚れたい!」と強く想像することが、ラプンツェルとユージーンという一組のカップルに出くわすトリガーになっていると考察します。


ロマンスをテーマにしたエリアやアトラクションをファンタジースプリングスに作りたかったと、「ラプンツェルの森」を監修したイマジニアの方もお話ししています。
それと"ディズニーシーらしさ"をうまく融合し、単なる物語の追体験ではなく、新たなロールモデルを示してくれたアトラクションだといえるのではないでしょうか。


思ってた以上に長くなってしまいました笑
最初乗ったときの冷めた感想から、ここまで熱く語ってしまうとは...

「ラプンツェルファンしか楽しめない」とSNSでよく目にするアトラクションですが、特段ラプンツェルに思い入れのない(なんならちゃんとストーリー覚えてない)自分がしっかり楽しめているので、そんなことはないと思います。
他のファンタジースプリングスのアトラクションに比べると物語への依存度が高いので、まぁ確かにラプンツェルファン向けではありますが、何をしに行くアトラクションなのか、どこにディズニーシーらしさが隠れているのか言語化できると、誰でも楽しめるようになるのではないでしょうか?

キューライン(待ち列)も見どころいっぱいなので、ぜひスタンバイパスを取得して今度乗ってみてください!



最後までお読みいただきありがとうございました🙇

明日、「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」「フェアリーティンカーベルのビジーバギー」について記事化するつもりです✨
ここまで長くなるかはわかりませんが笑、また戻ってきてもらえると嬉しいです!


それでは、またのご来航お待ちしております⛵️
よい冒険を🌏

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?