100万円の女たち
原作の青野春秋さんが好きです(告白)。
若い頃(といっても数年前)は全然良さがわからなくて刺さらなかったんですが、「俺はまだ本気出してないだけ」を読み返したら、あー、好きだわってなって。ゆるさがね。
で、「100万円の女たち」という漫画を読んでみたんです。無料だったからというのもあるんですが、このタイトル、ネットフリックスで見たなって気づいて、映像化してるんだ、どれどれって読んだら引き込まれました。
1巻読んで、続きを映像のほうで観ました。
ほのぼのなのかサスペンスなのか…どっちなんだ!?
最後まで観た結論としてはそれの融合でしたね。
ネタバレ挟んでいきますので観る、読むつもりの方はご注意を。
あるとき売れない小説家の元に、五人の女が転がり込んできて、毎月100万円を渡されて面倒を見るっていう話。
え~~~うちにも来て!って思った(笑)。
5人×100万円。500万円毎月入ってくるんだよ!なんという…うらやま…!
なんで100万円、なんでこの人のところ、なんで五人も、なんでこのメンツ…いろいろなんでが積み重なるんだけど、そのたくさんのなんでは「サイコパス」という一言で片が付いてしまうというオチ。
あんまりね、愉快犯とか人をだまして楽しむ系の犯人って好きじゃなくて(生理的に)、それならまだ怨恨のほうがマシとは思うものの、これ見てる間ずっとミスリードされて、ああ…きっとあの人がとんでもない恨み抱えてて仕返ししようとしてるんだ~ってソワソワしてたから、最後まで味方で泣きそう…いや、泣いたごめん。
そして、本筋とは関係ないところでいつも私が気になるフレーズ「売れない小説家」ですけど、売れない小説家って、どうやったらなれるんだろうって。売れなくても市場に出回るわけですよね、出版社から本が。うう~ん、どういうシステムだろう。売れなくていいから出版社から本出したい!って人たくさんいるだろうなーって思う。私も売れなくてもいいから自分の本、本屋に並べたい。って思ってたときがあったなー。
花木ゆず!
このキャラについてはすごく面白くて。いろんな思惑を詰め込んだんだろうなって伝わってきた。
自分に酔った、自分大好きのキャラ書くのめっちゃ上手や…。
あ、そんで主題歌がいいの。コトリンゴさんという方の「漂う感情」。このドラマのために書き下ろしたのかな。このタイトルですからね。
こんな感じで、ふわふわとした邪魔にならないボーカルとピアノの曲ってとても心地よくて好きです。映画やドラマの主題歌にこの曲を使うってところのセンスも含めて、この「100万円の女たち」は自分の中でめちゃくちゃ高評価です。
リリーフランキーとか古館寛治さんとか筒井さんとか見知った顔はあるものの、俳優陣もそこまで有名どころの方はいなかったのもよかった。主人公の人は歌手ですね。野田洋次郎さん。いまだになんて読むかわからないバンドの(ラッドウィンプス?)ボーカルさんでした。それ最後まで知らないで観てました(笑)。疎くてすいません。けど、バンド名がぜんぜんぜんせにはちゃんとつながるのでまだ大丈夫(何が)。
主人公は父親が人殺しの死刑囚だけど、それに縛られつつ、そこまで悲観してなくて、毎日「死ね」って送られてくるFAXにも心を動かされないし、父親が殺した相手の家にもちゃんとお線香あげに行くという強心臓、かつ、FAXの送り主がその人って知っても「なんで送ってくるんですか」って平坦な声色で聞いちゃうとかね。
全体的に、主人公がめちゃくちゃ冷静なのね。
もしかしてだけど演技力の問題なのかもしれないけど、この「無」って感じの波立たない「感情」がすごくこのドラマの本筋に合ってて、すげえって思う。
殺意を剥き出しにしてもいいはずのシーンでも、全然素だしね!?
いや、殺意抱いてるこれ?ほんと?って(笑)。
「なんでこんなことしたんだよ!?」って泣きながら喚いてもよさげなシーンで仁王立ちで顔の筋肉ピクリともさせずに、包丁握ってるからね!
すごいよね!
いや~、いいなー、この作品。
原作は1巻しか読んでないから、続き読みたいのと、ドラマのほうは原作で読んだ部分飛ばして続きから観たから最初の数話を観たいのとで、もう少し楽しめそう。
原作の絵柄が、画力がその、なんというか、上手いなーって感じではないのですが(言葉を濁す)、この絵でこのストーリー展開をどう魅せるのかに期待が高まります。