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魅惑のぬか床生活

生活Vlog, 家事ルーティン系の動画をyoutubeで視聴することが多いのだが、しばらく前から、私よりもずっと若い世代の投稿者さんでも、ぬか床で漬物を作っているのを見受けられるようになった。

昔はぬか漬けに対して、全然関心がなかったのだが、年を取るにつれて味覚が変化するというのは本当で、いつしか、好んで食べるようになっていた。

海外生活をしていると、LA周辺など、よほど日本の物資が手に入りやすいところでないと、梅干し、梅酒をつくる梅仕事は、相当ハードルは高い。

しかし、ぬか漬け生活を送っている人は、実は周囲に結構いることが判明した。

そう言われてみれば、日本食料品店で、ぬか床の素の粉末が売られているのをみかけたりした。

それで、実際周囲でぬか床を所持している人たちに、入手経路をヒアリングしたところ、圧倒的に多かったのは、一時帰国時に、日本からの持ち込み、であった。

それで、無印良品などで、ジップロックのバッグに、既にできあがったぬか床が入って売られているという、夢のような商品があるという情報を入手したのだった。

日本帰国の予定はないし、日本から送ってもらうのには、絶対通関で引っかかるやつなので無理。

アメリカのMUJIの店舗にも行ってみたが、当然のごとく、ジップロック入りのぬか床の取り扱いはなかった。

容器を用意して、粉からぬか床をつくることもできたのだが、実際にぬか漬けができるまで、しばらくの間熟成の時間が必要なことと、複雑な工程が必要ではないのだが、なんとなくうまく熟成できる気がしないため、実行に移せなかった。

ぬか床生活は、遠きにありて思うもの、そしてかなしくうとうもの…

そんな気分で過ごしていた時、今年初め、ロサンゼルスに引っ越してきた時に、運命の出会いをしてしまった。

そう、とある日系スーパーで。

私が夢見た、ジップロック入りのぬか床が販売されていたのであった。

それは、あまりにも、自分の好みど真ん中の人を、ばったり街中で見つけた時のような気分だった。

嬉しさよりも、まさか!と信じられない気持ちの方が優先してしまう。

ずっと欲しくても、手に入らない商品を目にしたわけだから、即購入しそうなものだが、私は躊躇し、その場では買えなかった。

当時、ロサンゼルスでは台所のない狭い部屋に住んでいたし、さらにその部屋にカビが大量発生中であったこともあって、実際のところ、ぬか床生活を営むのは不適切であった。

で、結局どうしたかといえば、ロサンゼルスを任期が終わって離れる時に、ジップロック入りのぬか床を購入し、次の目的地のバンクーバーまで持っていったのだった。

バンクーバーに着いてから、すぐにぬか床生活を始めようと思えば、始められたのだが、まさか、ここまできても躊躇してしまう。

最大の障害だったのは、ぬか床を毎日一度は混ぜなければならない、という点であった。

移動が多く、数日家をあける生活を送っている自分には、簡単ではあるが、達成できない点ではあった。

そんなわけで、せっかく購入したものの、封があけられず、数か月ぬか床を放置して、思い悩んでいた時だった。

ぬか床は冷凍できる、という情報を目にし、数日家をあけなければならない時は、冷凍すればよい、ということが判明した。

これがきっかけで、ようやくぬか床生活開始する決意ができ、今に至る。

こちらで漬けているのは、きゅうり、ズッキーニ、オクラなどで、新鮮なぬか漬けが、食卓にあがる喜びをかみしめている次第だ。

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