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カナダのあとの、日本

カナダに残りたくて、ワーホリから学生ビザに切り替えて介護士の資格を取得し、内定はもらったものの、結局ワークビザが下りなくて、失意のうち帰国した。

しばらく辛い時期は続くだろうけど、
多くの同じような状況だった人たちのように、
そのうち折り合いをつけて、日本でやっていけるようになるだろう…。
そう、思っていた。

しかし、それが間違いだったことは、間もなく判明する。
有無を言わせぬ、強烈な逆ホームシックに帰国直後に襲われた。
しばらくたてば落ち着くだろう…そう願って様子を見るも、
収まるどころか、日を追うごとにさらに悪化していった。

日本に落ち着く努力。
もう一度カナダに戻る方法を探す努力。
この相容れない2つを、どういうわけか、同時進行で真剣に取り組んでいたのだ。

カナダに戻ることに関しては、当時の状況、自分の年齢のことなどもあり、
短期で戻るならともかく、永住を見据えた長期滞在は不可能である、ということを、1年以上の年月をかけて、受け入れる方向にいった。

…と、あっさり書いたが、実際は七転八倒の苦しみを伴ってであり、
数度、カナダへ戻ったり、いろいろな経緯を経てではあるのだが、
ここでは詳述しないことにする。

日本に落ち着くことに関しては、新卒で就活していた時には決して当たることのなかった、大企業のホワイトな職場での派遣の仕事に就くことができ、
良好な人間関係で、楽しく働くことができていた。

傍から見れば、申し分のない生活だったかもしれない。

それでも、私はいまだ逆ホームシックから抜けれないでいた。
もう、カナダへは戻れないことはわかっている。
でも、私は日本にいたくなかった、というか、いれなかった。

結局、そんな宙ぶらりんな時期が2年ぐらい続いた。

国際結婚、ということで、日本を離れることになるまでに。

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