よくいるあいつのその後 3話
浩志は高校二年になっていた。無事に長谷高へ進学した。健二は結局高校に進学していたが、元々目指していた長谷高では無い高校へ進学していた。
最近になって、健二に新しい彼女が出来たと噂になっていた。相変わらずブログはやっているようで、浩志はたまに健二のブログを覗いていた。
ある日、気になる投稿があった。
『京子ほどの良い女を見たことがない。最近、マジで名前入れようか迷ってる。』
名前を入れるとはどういうことか。
少し、浩志は気になっていた。
次の日、浩志は部活の帰りに、たまたま駅で健二を見かけ、思わず浩志は声を掛けた。
「健二!久しぶり」
「おお!健二久しぶりー元気か?」
昔の健二に少し戻ったような気がして、浩志は少し嬉しくなった。
卒業するとき、健二はクラスで浮いてしまい、特に会話を交わすこと無く卒業してバラバラになってしまっていた。
「まあ、ぼちぼちやってるよ。部活がちょっと大変かな」
「またバスケ部入ったのか?お前もよくやるよなー俺もう部活とか入ってねーよ」
少し見下した言い方をしてきたことに少し浩志は引っかかったが、そのまま会話を続けた。
「ふーん。部活やらないで何してるわけ?」
「おれ彼女出来たから日々充実よ」
「そうなんだ。良かったね」
「京子って言うんだけどさ、年上なんだけど子どもっぽくてかわいいんだ」
「あのさ、昨日たまたまブログみたんだけど、名前入れるってなに?」
「あー、彫ろうと思ってさ」
「え?まさか彼女の名前を。。?」
「そうだよ。愛されてる感じがして嬉しいってさ」
「…もう少しよく考えて」
「出たよまたお前のお節介?なんで」
馬鹿にした感じで健二は笑った。
「…行けなくなるから」
「え?なんて?」
「いけなくなるだろ!!俺と温泉!」
「え?なんで?」
「何でって、タトゥーいれてたら、温泉入れなくなるんだよ。それに感染症のリスクとかもあるし。。」
「え、、そうなの??知らなかった…。」
「そうだよ。そういう意味でも、もう一度考え直せって言ってるんだよ。それに、彼女の名前を入れてもし別れたらどうする?次の彼女になんて説明する?美奈代と付き合ってたときは別れることは考えなかったろうけど、実際に別れたじゃないか。いつ別れてどうなるかなんてわかんないじゃん。俺とお前だって、あんなに毎日一緒にいたのに、突然関係性悪くなること、予想出来てたか?もっと先の事までよく考えて欲しい。親友として。」
「…うるせえな。」
一言消えるように健二は呟いてその場を立ち去った。
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