結婚おめでとう
今日は幼馴染の結婚式だ。
あいつはいつもドジで、何もない所でつまずいたりするような奴だから今日の結婚式が無事に終わることを心から祈っている。
式が始まり、結婚式同じみの曲が流れた。
扉が開くとこの世のものとは思えぬほどのキレイな幼馴染が立っていて、一瞬何が起きたかわからなくなった。
どんどん近づいてくる。
この美人は誰だ?
固まってみていると、こちらに気が付き微笑みかけてきた。
あの右の特徴的なえくぼはあいつに違いない。
こんなにも美人だったか。まあ、知ってたけど。
やっぱり結婚式となると、いつもの100倍綺麗だ。
そんなことを考えていたら、自然に涙が流れていた。
やっぱり、こういう神聖な場では謎の涙が流れるものなんだな。
頭の中では今までの思い出が鮮明に流れていた。
たくさん喧嘩したこと。いつも話を聞いてやった事。家族みんなでキャンプに毎年行っていたこと。
気づけば式が終わり、幼馴染は退場していった。
披露宴会場に移動する前に写真タイムがあり、隙を狙い幼馴染に近づいて声を掛けた。
「洋子、結婚おめでとう」
「しんちゃん、ありがとう」
あいつの一番キレイな日 横に居るのは俺じゃなかった。
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