映画|青春18 x 2 君へと続く道
「一休みはより長い旅のため」
単純だけれど奥深くて素敵な言葉だと思う。
そんな言葉がこの映画のそこかしこに現れる。
主人公ジミー(許光漢/シュー・グァンハン)
18歳の頃、彼女に抱いた恋心。
18年後、36歳になった彼が彼女に寄せていた思い。
18年の歳月を経て、彼が得ようとしたものは何だったのか。
18歳のジミー。
爽やかで好青年だけれどシャイな台湾人。
彼のバイト先にふらっと現れた日本人アミ(清原果耶)。
バイトを始めることをきっかけに次第に彼女へと思いを寄せるジミー。
繊細な彼の思いが手に取るようにわかりました。
私がジミーと同じ立場であっても同じように振る舞い、同じように淡い、でも強い恋心を抱いたように思うのです。
台湾の素朴な街並みと日本の冬景色がシンクロする。彼と彼女の思いが交錯するような美しい映像。
降り積もる雪が彼を優しく包みこむような映画でした。
+++ 少々のネタバレアリ +++
なんだろう。
台湾が好きになる映画。
真っ白な雪国に訪れてみたくなる映画。
旅に出たくなる映画。
自分を確かめたくなる映画。
18の頃の自分とジミーを重ねてみると、面白いように合致しそう。
思いを寄せる彼女の手を握るため、その方法を調べて、結局、手を握れないまま過ぎていく一日。
手を握ることの大切さを繊細かつ上手に描いていると感じました。
アミのように美しくて強い女性に出会えたことを羨ましく思いつつも、この歳を迎えたからこそ言える、ジミーの恋が成就して欲しいと願う物語。
アミを夜景に見に連れていった場所はどこなんだろう。
上手な星の見せ方をしてるなと思った。
台南っていってるから、きっと台湾の南なんだろうな。
煌々と輝く南の星々と台南の夜景が二人をほのかに照らす感じはロマンティックでもあるし、「いつかこの場所で会いましょう」の暗黙の約束にも思えました。
劇中に出てくる「Love Letter」という映画を観たことがないのだけれど、二人をつなぐ手紙のすべてが Love Letter だったと思うと涙を止めることはできないかも。
なんか、いろんな方のレビュー読んじゃうとダメだな。
自分の思ってることがうまく書けなくなってる。
今まで、斜に構えて避けていたアジア系の映画(本作は日・台合作)でしたが、素敵な作品に出会えました。良いものは良いですね。