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#未来

十年後
あなたは素敵な大人になっているだろう

二十年後
あなたは人生を共にする伴侶と幸せな時間を過ごしているだろう

三十年後
あなたは誰と夜空を見上げているだろう


平日は、しがない会社員。
人知れず、泳ぎ込み、走り込み、時にバイクで漕ぎまくる。
週末は星空案内人の顔を持つ私。
人呼んで… いや名乗るほどでもなし…
会社員やめて探偵業なんぞ向いてるのかもしれない。

12月というのにこの天気はなんだ?
半袖になろうと思ったくらいだぜ。
なのに世の中、コート着て闊歩してやがる。
クレイジーな世の中だぜ。


さて。
夜の帷(とばり)が降り始める頃、いつもの天文台へ。
今夜も来館者カモォォォーン!と気張っておりました。

天気もイイし!
お天道様は珍しく微笑んでくれたご様子😃

そんな中、今夜も嬉しい出来事が盛り沢山でございました。
そんなワンシーンをちょっとだけご披露。

.。.:*・゚ 受験生の子を持つお母さま ・゜。*:・

PENTAX100 SDUFI I / CanonEOSKissX2(SEO-SP2)

「今、こちらでは昴(すばる)を案内させてもらってます」
「よろしかったら見ていってくださいネ✨」

昴を案内していた私に「見せてもらっても良いですか?」と尋ねられたのは、友達を引き連れてお越しになられた女性。
軽く、昴の説明をさせていただきながら、こちらの望遠鏡で覗いてみてくださいとアプローチ。
女性の方が、望遠鏡越しに見た昴を見つけると一言。
「きれい…」と。

単純に美しく見させることが出来たんだろうなと思ってましたら、この言葉には奥深い意味がございました。

話を聞くと受験生のこどもがいらっしゃるお母さま。
受験勉強で忙しいこどもにこの景色を見せてあげられたらいいのにな… という思いがあったようです。

昴は西洋ではプレアデス星団と呼ばれております。
七人姉妹に例えられる若くて美しい星たちの集まり。
これらの星々は長い年月をかけて立派な星へと成長します。
きっとこどもも同じ道を目指すことでしょう。

大丈夫。
大丈夫よ、おかあさん。
お二人で来館される春を心待ちにしております。

.。.:*・゚ ファン ・゜。*:・

街明かりと星空

少し前に若いカップルが星空を観たいということで天文台に来館されたことがありました。仲の良いカップルでてっきり高校生か大学生かと思ってましたら聞けば中学三年生。大人っぽい感じがしましたね。

星空案内する際は特定の星や惑星などを割り当てられ、案内することが多いのですが、彼らが来館された時は、フリーな状態でしたのでリクエストにお応えしながら私の好きな星たちも併せて案内させてもらった記憶があります。
当時は、長い時間、御付き合いいただき互いに楽しい時間を共有できました。

その後、彼らは私の元を何度か訪れて頂いたようでした。
私は天文台にいる日といない日があり、ご来館いただいたタイミングと私の都合が行き違いする日があったようですね。
先日、お二方に再会した時「あなたに案内してもらいたくて」という言葉を頂いた時、とても嬉しく思いました。

そして今夜、再び出会うことになりましたね。
が、意外なことに男友達3人連れでだったとは。
彼女抜きで男同士で語りたいことがあったのかな?
なんて思いながらお迎えいたしました。

カシオペア座/久住高原にて

星空案内は複数人で行っており、来館される方はそれぞれが好きな場所、気になる星を案内してもらうという形をとっていますが、彼らはいろいろ回った後、最後に私の元へと来てくださったようでした。
夜ですので誰だかわからないことが多いのですが、近づくにつれ「あ!あの時の!」というちょっとした驚きを覚えました。
私にとって、ちょっとしたサプライズですね。

案内中、なんとなく聞こえてくる彼らの話す内容が嬉しかった。
私を指差しながら「良いやろ、この人…😃」な会話は聞き逃してないですよ。
「あれ、飛行機ですか?」との問いに「UFOですね」と答えた時も、「あ、出た!」みたいな言葉もネ。

友達の放った一言からの流れが楽しかったな。

「コイツ、女と来てたでしょ?」と聞かれた時ね。

私は彼の顔をチラっと伺ってホントの事を話すべきか隠すべきか、知らないフリをするべきかちょいとばかり躊躇しましたが、私もいい大人です。
迷わず判断させていただきました。

そういえば君の名を伺ってはないのだけれど、きっとあの流れで良かったんだよな、と思う。

ここの天文台は家族連れが多く男たちだけの来館というのは貴重です。
そんな中、友達連れて来てくれた事はとても嬉しい。
ココは女性の来館者が比較的多いからね。
仲のいい男友達はちょっとした探りを入れたかったんだろうね。
あるあると言えばあるある。
いい瞬間に立ち会えたと思います。

私は、あのとき君の隣で楽しそうに星を見ていた女性があなたの *彼女* だと思ってるんだ。可愛らしい彼女だなと思って何も言わずに案内させてもらってたんだけど二人が楽しそうな時間を見ているのを大切にしたかった。

こっそり心に閉まったベストカップル。
またおいでよ。
スペシャルな話、用意しておくからさ。

.。.:*・゚ 未来 ・゜。*:・

「月の舟」


十年後
あなたは何をしていますか

二十年後
あなたはあの時のことを覚えてますか

三十年後
私は誰と夜空を見ているだろう



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