#17制作秘話「徒花」
制作秘話について
ご挨拶
こんばんは。欟乃華です。今回は制作秘話となります。メモに描き貯めておいた裏設定などを記事にまとめてみました。此方の作品、台本の制作期間は八日間掛かりました。一日に二本の台本を作るペースで作業していました。
声劇作品「徒花」
「時に人は熱い炎で他者を焼きつけるがその同じ炎で他者の傷を癒す事もある」
極平凡な女子高生、綾瀬碧那は祖父と二人暮らし。神社の神主である、天野へお裾分けを運んだ先で浮世離れした少年と出逢う。碧那は少年に名前を聞くが、取り付く島もなく。少年が落とした万年筆によって名前を知る事となる。少年の名は折原というらしい。人と妖を交えた現代和風ファンタジー。
声劇台本は下記のリンクです。
タイトルについて
咲いても実を結ばない花という意味合いがあります。
ナレーションについて
血は水よりも濃い
地獄の扉は開き、業の門
火から生まれた鵠は
羽根をもがれて地に落ちる。
卑しく、醜い、お前に生きる資格はない。
鵠はくぐいと読みます。白鳥の旧名です。醜いアヒルの子の成れの果てを暗喩しました。
病気の親友宛へ制作した作品
固定作品の「魔法仕掛けの聖なる心臓」を越える作品が作りたくて、家族に「浦島太郎みたいな物語を作って!」と言われたのが物語制作のきっかけでもあったのですが、制作の原動力やらメッセージ性はほぼ親友にあてています。終盤、碧那が折原の元へ泣きながら「死なないで」と言って追い掛ける場面があります。親友に対する私の気持ちをモロ投影しているかと思います。
主要人物のプロフィール設定
綾瀬碧那
好きな食べ物▶︎お茶全般、さくらんぼ、クレープ、ほうれん草と南瓜のキッシュ
嫌いな食べ物▶︎漬物全般、酢の物全般、肉の脂身
趣味▶︎読書(漫画も含む)、音楽を聴く、編み物、料理、お菓子作り
休日の過ごし方▶︎読書、喫茶店や雑貨屋めぐり、蓮司の手伝い、学校の勉強
折原
好きな食べ物▶︎ゴーヤ、卵焼き(蓮司作)、豚骨ラーメン
嫌いな食べ物▶︎甘酒
趣味▶︎読書、映画鑑賞、将棋、絵を描く(本人は落書き程度と捉えているが写実で上手い)
休日の過ごし方▶︎子供と遊ぶ、図書館に行く、妖から情報を引き出す、神社の手伝い、自然の中で寝る
天野匠
好きな食べ物▶︎和食全般
嫌いな食べ物▶︎お粥、おじや、リゾット
趣味▶︎料理、読書
休日の過ごし方▶︎寝て過ごしている事が多い
綾瀬蓮司
好きな食べ物▶︎緑茶、だし巻き玉子(滅茶苦茶作るの拘ってそう)
嫌いな食べ物▶︎辛いもの
趣味▶︎ 掃除、読書、料理、神社巡り
休日の過ごし方▶︎テレビ見たり、新聞読んだり、読書したり、掃除したり
維人
好きな食べ物▶︎東屋の饅頭、ポテトチップス(うすしお味)
嫌いな食べ物▶︎特に無し
趣味▶︎主の話を聞く事
休日の過ごし方▶︎お話をする、散歩する
西条錦
好きな食べ物▶︎東屋の柏餅
嫌いな食べ物▶︎苦い物(コーヒーは飲める)
趣味▶︎読書
休日の過ごし方▶︎朱里に会いに行く
西条朱里
好きな食べ物▶︎東屋の和菓子全般、お煎餅、オクラ
嫌いな食べ物▶︎ナス
趣味▶︎三味線
休日の過ごし方▶︎三味線を弾く、維人とお話をする
西条万里
好きな食べ物▶︎魚料理(和食のみ)、煮物全般、日本酒
嫌いな食べ物▶︎甘い物全般(洋菓子系統が特に駄目)、ワイン
趣味▶︎ドライブ、茶道、華道、合気道
休日の過ごし方▶︎体を鍛えたり、勉強してそう(勤勉だから)
折原雪見
好きな食べ物▶︎人柄が分かる手料理全般
嫌いな食べ物▶︎ジャンクフード全般
趣味▶︎囲碁、仕事、将棋、人間観察
休日の過ごし方▶︎休日も仕事してそう。
碧那と折原のキャラクターデザイン
デジタルで私がキャラクターデザインを自作しました。衣装までは要らないなと思って首から上を考案した感じですね。
作品の対象年齢層について
この作品の対象年齢層のターゲットは十代後半から二十代前半です。碧那は健気で可愛くしないといけないし、折原は眉目秀麗でひたむきにしないといけなかった感じです。西条夫婦がいるのもあって、二十代前半まで年齢層の範囲を広げました。どちらかというと、女性向けです。女性をターゲットにしてます。私の恩師が高校教師で教え子が十代後半との事なので丁度良かったです。そこまで計算してませんでした。親友の事しか頭になかったです。この作品は、切ない儚いドロドロ酷いの三拍子が揃っておりますが。切なさと儚さは作ってて自覚はなくて、完結した後に読者様から言われて初めて自覚しました。ドロドロなのは、オート機能によって、こうなりました。プロットの時からドロドロの初期設定だったのでそこは仕方ないかと。
登場人物の人名について
登場人物の名前は数秒で決めてます。当初は西条家と東家という家だったのですが、捻りがないので東家を折原の苗字にしました。どうして、折原にしたのかは、折の漢字が祈るって漢字が似てるので。後、響きがいいなと思った事から。円華は、人の円や環を表しています。光輝は皮肉を込めて光を入れました。天野は神主だから天の漢字を入れよう。縁は人の縁や業を表しています。まんまですね。蓮司は蓮の花の漢字を入れたかっただけです。錦と朱里と万里はろくに考えないで古風な名前で決めました。一番考えた名前は折原の下の名前ですね。
碧那と折原の衣装について
碧那の私服はワンピースが多いです。コーディネートが楽なのもあるのでワンピース一択かなと。頭から被ればいいだけなので。ノーメイクですが、ヘアアイロンとかで髪の手入れやらセットはしてそうですね。ロングヘアーなので。ショッピングモールとかで洋服を選ぶのはわりと好きな子です。ファッション雑誌は買わないけど、図書館でかりて密かに読んでたりします。祖父の蓮司が碧那の事が可愛くて仕方がないので洋服は拵えていると思います。碧那自身、露出が抑えめの主張しない服が好きです。膝が出るミニスカートとかは好みません。折原の私服は天野が買ってて、折原はそれを適当に着てる感じですね。折原は無地で黒なら着るものには拘らないです。何で黒なのかは、山で昼寝するからです。明るい色だと汚れが目立つので。柄物の衣服やジーンズは好まないかと。余談ですが、折原がラフな格好の洋服なので、その差別化と主人公というのもあって、碧那の洋服は敢えてカジュアルを避けてます。清楚系ですね。碧那が白で折原が黒の象徴の意味合いもあります。
碧那の外見について
碧那は絵に描いたような、何処にでもいる女の子でいい子だけど、蓮司の孫娘なので平凡の中に蓮司に似た要素はわりとあると思います。当初は根岸が碧那に惹かれる場面とかも出そうと思ったのですが、カットしました。碧那は美人ではなくて、可愛い系統の美少女なのかな?と。朱里は人形みたいに整った美人です。
碧那の人見知り設定について
碧那には人見知り設定があります。同年代のクラスメイトと上手くコミュニケーションが取れない。錦には人間関係の悩みをずばり当てられるシーンとか本編にあると思います。それなのに、折原との初対面の時に碧那が彼の名前を聞き出そうとぐいぐい行ってる矛盾な描写があると思うのですが。ここは折原が愛想笑いで碧那に挨拶してるので碧那の人見知りがゆるんで警戒が解けている点と、折原は蠱惑的で人を惹きつける魅力があるので碧那はこの時から折原に少なからず、関心があったという点と、折原は外見が綺麗で浮世離れしている設定から仲良しの友人がいなくて親友である蓮司が唯一、折原に話し掛けられたという描写があります。蓮司の孫娘である碧那も蓮司と同じ事が出来ているという表現を込めた場面になります。
碧那の両親について
生前、二人共、おしどり夫婦でした。両親は同い年で二十代後半の時に恋愛結婚をして、碧那の父親が綾瀬家に婿入りします。新婚後、まもなく碧那が生まれた感じですね。碧那の祖母(蓮司の妻)は碧那が生まれる前に他界しています。碧那の両親が亡くなった時期は碧那が三歳の時です。碧那の下に弟か妹か、二人目を作ろうかという話も出ている時期で。幼い碧那を蓮司に預けて両親は外出するのですが、外出の帰宅中、交通事故により他界してしまいます。詳細は、軽自動車と大型トラックによる正面衝突です。病院に緊急搬送はされますが、二人の意識が戻る事はなく、蓮司が病院に駆けつけた時には手遅れという事態となります。蓮司と碧那の父親(蓮司から見たら義理の息子)の仲も良好だったと思われます。蓮司目線では娘(碧那の母親)が惚れた男性ならどんな男でも認める精神なので。そういう意味では蓮司は本当に懐が広いと思います。
碧那の気質について
わりと天然で抜けててそそっかしい子です。「今日の何時にこの場所で待ってます」という恋文が下駄箱に入っていれば、「これは……果たし状!?」と認識したり、異性から直接、「付き合ってください」って言われれば、「うん!わかった。どこへ?」って素で笑顔でいうし、なんといいますが、かなり鈍いのでドストレートに言わないと伝わらない子です。碧那が折原を追い掛ける側のポジションで良かったですね。折原が碧那を追い掛ける側だったら、物語がオートでコメディになってたとしか思えないです。碧那はいい子なんですけどね。純粋過ぎて「この子、大丈夫か?」って思う事が作者目線では、ちらほらありますね。
碧那の初恋について
碧那は折原が初恋ではないと思います。本気の恋なら折原が初恋に該当するのかもしれませんが。碧那は小学低学年の時に気になる男の子がいて、話し掛ける事も出来ず、遠くから見てるタイプの女の子でした。それで自分といつも学校で一緒にいる仲良しの女の子が同じ人が好きな事が分かって、友達を傷付けないが為に、自分の気持ちを好きな男の子には言えず、バレンタインデーとかそういった行事にも積極的に行動が出来ず。仲良しの友達の好きな人が自分と同じだからという理由で、自分の気持ちを押し殺して諦めちゃうタイプの子でした。仮の話でもし、折原と親しい女の子がいた場合、嫉妬心を抱いても女の子を敵視せず、自分はなんて嫌な女なのだろうかと自己嫌悪で凹んでしまうタイプの子ですね。後、女性としての自信は余りない方だと思います。
碧那の異性への感覚について
本編の⑥話で、折原が「こんな気持ち悪い人間と、将来寝られるの?」と碧那に言うシーンがありますが。碧那自身、性には無頓着というか、無知なのではないのか?と。一応、性交渉自体は知識として知っていますが、別の世界にあるものと捉えている感じで、自分の中にそれが日常的かつ、身近にある代物だとは捉えていません。折原に対しては等身大の折原を見てます。年相応に恋への憧れの気持ちはあるでしょうが、恋に恋はしていないと思います。
折原が美形な理由について
折原が何故、美形なのかは、汚いものが綺麗であればある程に悲壮感が増すからです。
折原の外見について
折原の外見についてですが、美少年ではないです。どちらかというと、男性寄りの整った美形なのかな?と思います。碧那は折原の事を綺麗と形容しますが、折原自身は自分の外見が整っているという自覚はありません。血筋を嫌悪してるので外見の事を色々言われると不機嫌になります。体格も男性なので女装とかは出来ないだろうし、眉目秀麗さんなのでは?とも思いますね。
五十年前の折原について
五十年前の折原は誰とでも分け隔てなく話せた子ですが、仲良しだと言える友人はいませんでした。外見が綺麗で雰囲気が浮世離れしている事からつるみたいと話し掛けられるクラスメイトはいなかったという感じですね。唯一、折原に話し掛けられたのが蓮司という訳です。二人は性格が違うけど、本や映画の嗜好はわりと合うので話も合うと思います。なんだなんだで蓮司には甘い折原ですね。いつもツッコミをいれたり、折れたりするのは毎度の如く、折原です。
折原と馬が合わないキャラクターについて
折原は自分自身の事を気持ち悪い、不浄、汚いと認識している子です。性格はかなりめんどくさくて、わりとシャイな子なので自分からは絶対に好きな人とは手を繋がないタイプですね。碧那が「折原君。ねえ、手を繋ごうよ?」って言えば、黙って繋ぐとは思いますが。折原は、性に関する事柄や下ネタとかをかなり嫌悪します。後は恐らく、折原と錦は馬が合わないでしょうね。作中で二人は顔を会わせていないけど、当初は折原と錦が喋る場面も脳内にはありました。でも、錦が碧那の下着を透視してからかってる場面に折原が遭遇して錦にブチ切れる情景を想像したら「折原と錦は会わせない方がいいな。収集がつかなくなる」という結論に至りました。錦は今日の履いてる下着から今日食べた献立まで事細かに見えます。
折原の好きな異性のタイプ
折原はきゃぴきゃぴしてる同年代の異性は苦手です。本編で碧那と初対面の時に表面上、愛想笑いはしてるものの、めっちゃ内心警戒してます。女子にキャーキャー言われると、「くそうるせえな」と心中で毒つくタイプです。キャーキャー言わない人で落ち着いた年上の女性を好みます。円華みたいな感じですね。実は、碧那は折原の理想のタイプから外れています。人を好きになるなんて、そんなもんです。
折原と維人が再会しなかった理由
本音を言うと、作中で折原と維人を再会させたかったです。でも、折原が維人に「もう二度と会う事はない」と発言しているので、当初から再会の場面は考えていませんでした。
折原の封印された七夕について
折原が封印された日が七夕ですが、何故、七夕にしたのかは本当に偶然です。二秒で決めちゃった設定ですね。時間軸が夏だったっていうのもありますね。天の川の空の下で折原と蓮司が再会を果たしますが、天の川の事は全く計算になくて後出しじゃんけんでした。七夕って言えば、天の川あったじゃねーか!!と途中ではっとなりましたね。
折原の好物について
折原が碧那に苦瓜が好きだと作中でカミングアウトする場面が出て来ますが、365日オールシーズンゴーヤ料理でも平気なレベルでゴーヤが好きな折原です。ちなみにこの設定、三秒で決めました。折原は器用なので、自炊しようと思えば出来ます。単純にやらないだけです。折原にフルーツカットとかさせたら、クオリティの高いものを作りそうですね。
激情家な折原について
折原はわりと妖や人間の敵に対して容赦がなく、喧嘩早い子です。銀への制裁も容赦ないですしね。激昂すると手じゃなくて足が出ます。何でかっていうと、蹴りの方が攻撃が重くて痛いから。相手が命乞いしてもばかすか蹴りを連続で入れる子ですね。優しい分、キレると止まらなくなる気性を持っていて、激情家でもあるのかも?剣道をやっていたので戦闘は出来ます。体術は我流ですが。運動神経はいいです。元々、勤勉で努力家さんなので剣道も中学の頃に辞めてなければいい所まで行ってたんじゃないのかな?と。大好きな剣道が結果的にトラウマになってしまったので折原的には複雑でしょうね。
視認出来ない維人について
折原と光輝が揉み合いになる場面で何故、維人が出て来ないのは、光輝は維人が見えないから。維人が戦いに干渉しても、光輝の攻撃にも維人の攻撃も物理的に透けてしまうんです。だから、維人はあの時ただ見てる事しか許されなかったという状況です。
折原家の文献について
雪見の側近が折原は両親(円華と光輝)を惨殺していると言っていますが、過去の文献上ではそういう事になっています。戸籍上は光輝が父です。光輝が円華を刀で惨殺しますが、その後、自ら喉を刀で刺して自殺しています。だから、折原は返り血を浴びている状態という事です。光輝が何故、折原を殺さなかったのは意図的にです。折原には死ぬ事以上の苦しみを味わって欲しいからだと思います。ほっとけば人身御供で苦しい思いをしてから死ぬという意図が少なからずあったのでしょう。
折原の異性への見方
折原は異性に対する意識の仕方がずれていて、意識のない異性を着替えさせないといけないとなると黙々と着替えさせられるし、なんといいますか、初心だけど、普通の男性が意識する所で意識しない時もあります。
折原の私生活について
折原は家も部屋もないようなもので天野家に居候していますが、平日の昼間は山で寝てたり、妖と喋ったり。土日の昼間は子供と遊んでる事がわりと多いです。後は天野から図書カードをかりて図書館に行くくらい?自分の外出だとそういった事しかしてなさそうだなと。テレビとかは天野がつけない限り見ないと思います。妖から情報貰ってるのと、テレビからの情報は信じない派です。
折原と銀の関係性について
妖の銀ですが、折原は半ば脅迫の形で銀から情報を貰っていました。嘘を吐く事も出来る銀ですが、折原は話術が長けてる子なので銀の嘘は瞬時に見抜きます。嘘だと分かると折原は銀に制裁を加えるので、銀は折原に脅えていたという訳です。制裁の内容は、拳骨を入れたり、逆さ吊りにして川の水に頭だけつけたりとか、そういった事ですね。折原は妖には、わりと容赦のない子です。維人とは仲良しの折原でしたが、維人とのあの決別が未だに尾を引いていて、他の妖で友人を作る事を意図的に避けています。だから、折原は銀には冷たかったのです。
天野が折原の名を呼ばない理由
作中、天野は折原の事を一度も名前で呼んでいないと思います。これは天野が意図的に呼ばないようにしています。読者側視点では見過ごしてしまうポイントかもしれませんね。ちなみに天野は折原の下の名前は知っているし、折原の家系の事情も知っています。
天野の背景について
天野は家庭的で料理が上手くて拘る派です。普段は台所を人にかさない派だったり。恋人はいたけど過去に死別してるので今でも独身ですね。
蓮司の人間性について
蓮司は平凡な人ですが、わりと凄い方なのでは?と思っています。折原に躊躇いなく話し掛けたりそういう所が彼らしさなのでしょうが、普通の人が躊躇う事を平然とやってのける所が蓮司なのかも?何より、蓮司は置いていかれた側の人間だったのでどんな気持ちだったのだろう?とは思いますね。再会した場面で折原に何で消えたのか?今まで何処にいたのか?を聞かない所や咎めない所が蓮司らしいなと。
蓮司の職種について
蓮司の職種は公務員です。(もう定年してますけどね。)過去に役所で働いてました。蓮司は家庭環境もあって、大学を卒業して計画的に就職してます。だから、お金は比較的裕福かも?碧那の家庭は中級家庭ですね。
蓮司の背景について
蓮司は学生時代の頃から達観しているのは苦労しているからです。母子家庭で育ちました。高校時代はアルバイトをしています。家庭的で家事全般がこの時期から出来ます。50年前の折原は家柄もあり、包丁すら握らせて貰えない環境下だったので、蓮司とお泊まり会とかして蓮司から家事とかを教わったのでしょうね。天野さん家で折原が掃き掃除やらがそつなく出来ているのは蓮司の影響です。蓮司は学生時代、学校の弁当を自炊してそう。
錦の充足感について
作者目線ですが、錦は一周回って幸せなのではないか?と思います。でも、朱里と別居しているので寂しい思いはしてるでしょうね。錦も錦で仕事が忙しいので、週一の頻度で朱里の家に手土産を持って朱里の様子を見には行っています。私の中で、錦は怪しくて胡散臭いふざけたお兄さんキャラなんですけど、ここまで一途なキャラになるとは思わなかったです。錦の気持ちは朱里には届いていませんがね。
朱里の着物について
何故、朱里が黒い着物や落ち着いた暗色の着物を着ているのか。手元が狂って飲み物をこぼした時に着物の染みになるから。その着物の染み抜きを維人に任せるので敢えて暗い色の着物を好んで着ています。着物が明るいと染み抜きが大変かつ、染みが目立つからです。
朱里の背景について
朱里は前に三味線を弾くのが趣味だって書きましたけど、趣味も雪見から制限かけられてたと思います。教養があって賢くなると、自分の不遇さを直視して理解してしまうので雪見にとって都合が悪いからです。だから、学校にも行ってないと思います。集団行動で刺激を受けると人って余計な事を考えますからね。朱里は点字が使えないです。雪見から点字を覚えるなと言われているのでそれに従っています。
西条夫婦の関係性について
あんまりこういうのダイレクトには書きたくないんですが。二人は肉体関係はあります。二人の式を挙げた初夜の事後、恐らく、錦は朱里の前で静かに涙を零すのだろうなと想像がつき、それも本編に入れようと思ったのですけれど、カットしました。ショッキングすぎるよなあと。朱里は無言でぼんやりしてると思います。泣く錦には何もしないで布団の上でただただ座ってるだけだと思います。まあ、そういう夫婦なので。錦がおちゃらけてるのはわざとです。若い頃はすれてたけど。朱里はわかる人にはわかると思うけど、わりと強かです。
万里の背景について
万里は錦と年齢が近く、幼少の時からずっと錦の側に一緒にいます。家系で生まれる前から万里は錦の側近につかないといけないポジションです。万里は独身だけど、婚約者は既に決まっている人がいます。西条家の人間なので縁談は来るかと。万里は作中では事務的ですが、寡黙で真面目で勤勉な事から女性にはわりと人気なのではないか?とも思います。錦の側近であり、秘書的立ち位置なので多忙な人でもあったり。英才教育は幼少の頃から受けてる人種だと思います。ただ、幼少期は要領が悪い子供で、小学高学年くらいから突然、要領のいい子供になります。小学低学年の頃、親の英才教育が厳しい事から辛いと弱音を吐きますが、聞き入れて貰えず。要領が悪い事から親に「あんたみたいな出来の悪い子、何で生まれて来たのよ!?」と泣きながら罵倒されるエピソードとかも没案でありました。万里はショックで一人きりで自殺未遂をするのですが、錦に助けられて錦と初の対面をする展開とかもありましたね。余談ですが、この物語はほぼ被害者の面々だと思います。天野も蓮司も万里も作中では語られませんが、辛い時期は過去にあったと思います。
錦と万里の関係性について
万里と錦はわりと仲良しで二人きりの時は砕けた会話をしています。幼少期からの付き合いなので、お互いの気性を熟知してます。学生時代に錦がバッティングセンターを覚えて、万里を連れて行くんですが。万里はわりと真面目で天然なのと、バッティングセンター未経験な事から、バットの持ち手とは逆の部分を握って構えて、錦に「万里。それ(バット)逆さま。笑」って笑われて。万里赤面して。その次にボールが飛んで来て、バットを動かすのですが、空振りでまた錦に笑われて。万里震えて赤面して。その後、錦と会話をしながら万里はバットを振って、徐々にボールがかするようになり、数分後にボールが当たるようになり、タイミングとかを体で覚えていき、最終的にホームランをそつなく打てるようになります。万里はそういう子です。一応、万里目線では錦の事を尊敬はしています。だけど、惚れた女(朱里)の趣味だけはくそ悪いなと思っています。
錦と万里の戦闘力について
万里は、合気道やら武闘が使えますけど。多分、剣道とかも出来そうだなと。錦もそれなりに護身術使えます。戦闘場面になったら真っ先に躊躇いなく、万里を置いて逃げますけどね。錦は戦えば、強い方です。ただ、やらないだけですね。やれば出来る子です。
雪見について
雪見は読者に嫌われれば嫌われる程に生きたキャラになるので嫌われてなんぼのキャラです。雪見の過去に同情要素のある設定を種明かしする予定は初期設定からありませんでした。まあ、嫌った方が雪見のキャラが生きるので嫌いな人はどんどん嫌うのもありかと。笑
折原家と西条家について
折原家と西条家は格式のある厳格な家柄なので、この家に生まれた人間は全てお見合い結婚です。妖との関わりも深くあり、政界とも繋がっています。主に家の血族を大事にする家系です。ちなみに光輝は円華に惚れていましたが、円華は縁が好きで縁も円華が好きだったのだと思います。光輝の母であり、縁の本妻は故人で亡くなっています。死因はもうご想像がつくと思いますが、自殺です。折原が生まれた事で精神を病み、時代も時代だったので猟銃で自らお腹を撃つのですが、中々死ねなくてその状態のまま、屋敷中をのたうち回り、風呂場まで這って浴槽の残り湯に顔をつけて溺死します。その光景を光輝は全て見ている訳です。そういった経緯もあり、光輝は折原を恨んでいるし、憎悪の対象として見ています。円華は本家から勘当されて、分家の家にある離れの屋敷に半ば軟禁のような状態で私生活を送ります。折原が生まれた後に円華は赤子の折原と引き離されていて、縁から郵送で折原の写真を貰うだけですね。折原とは、一度も対面する事を許されなかったという事です。
東屋について
東屋は老舗のお店なので50年前からずっと経営しています。和菓子屋さんです。
妖力の強さについて
人間の中で妖力が一番強いのは折原ですが、霊力はそこまで強くないです。雪見は妖力と霊力、共に滅茶苦茶強いです。
誘導話術について
雪見が錦に発言しているソレについてですが。(※雪見の13番セリフ参照。③話です。)ソレは錦自身の罪悪感をさしています。敢えてソレと言っているのは、錦が自分で自覚するように誘導しています。読んで分かる人には分かると思いますが、言葉の言い合いのシーンで口で言い負かす側がまあ誘導している描写がわりと多いかと。折原が⑥話で碧那に畳み掛けるシーンがありますが、「こんな思いをするのなら」の碧那のセリフも碧那が自ら言うように意図的に誘導しています。
魔女について
ラストシーンの魔女の茅は傍観者なので物語から外れたキャラです。全ての物語には存在してるんじゃないのかな?と。物語に干渉する事は滅多にないかも。基本的に世界にも人間にも魔女にも諦観を覚えていて突き放して静観する立ち位置なので特殊なキャラでもあります。
碧那と折原の関係性の未来について
碧那と折原が生きていたら、二人はどうなっていたのかを良く聞かれるのですが。両想いになってお付き合いする事はなく、ずっと友達以上恋人未満なのではないかな?と思います。友達以上恋人未満の関係性でデートが成立するのなら、恐らく初めての二人のデート場所は「ラーメン屋」だと思います。碧那は食券の買い方が分からなくて折原に教えて貰い、ラーメン屋に来た事がないので興味津々で楽しそうにしてる、そんな流れでしょうね。蓮司は碧那を気遣って、ファーストフード店とかファミレスばかりに外食へ連れて行くので。碧那は、ラーメン屋とかお蕎麦屋さんとかの個人店を知らないと思います。折原も折原で恋人関係になってもデートだからデートプランを練ろうとかそういうタイプじゃないと思います。お互い、自然体でいられなかったら駄目だろ精神なので。取り繕う事はしないかと。
碧那と折原の封印について
碧那と折原の封印は解けるのか?という質問を頂きましたので回答します。折原単体の封印は自発的に封印が解けて50年後に目覚める折原ですが。二度目の封印は恐らく、目覚める事はないと思います。理由は封印を行った人間が妖力と霊力が馬鹿みたいに強い折原雪見だからです。また最後に魔女が出て来る場面で二人は誰からも忘れさられ、私と同じ存在になるという発言から仮に目覚めたとしてももう貴方達は人間じゃないのよと言っています。今後、別作で碧那と折原がゲスト出演とかは特に考えておりません。
碧那と折原の進展について
もし、二人が生き残っていたらの話ですが。碧那と折原が下の名前で呼び合う仲には今後ならないと思います。恐らく、二人共呼ばないといけない場面になって二人きりになった場合、あれやこれやの葛藤で無言が続いてタイムアウト。結果的に二人共、名前を呼ぶ事が出来なかったオチだと思います。特に碧那の方が折原の下の名前を呼ぶのに勇気がいるでしょうね。特別感あるだろうし。変な所で意識して遠慮してしまうのが碧那ですからね。笑
エンディングについて
最後の碧那と折原の結末は、当初からブレませんでしたね。最後まで二人で一緒にいるという結果なので二人は不幸な気持ちではないと思います。私の中ではハッピーエンドです。
桜並木の橋の下の場所について
下記の台詞の桜並木の橋の下は、別作の声劇で「泡沫の思い出」にも出て来ます。
⑤201:折原「午後の二時に。いつもの桜並木の橋の下で」
没案について
碧那が朱里のいない所で朱里を素敵な人だと褒めますが、万里からは、「随分とご趣味が悪いのですね」という場面もありましたが、カットしました。万里は朱里の事は余り好きではないと思います。錦は朱里のオンリーワンになりたいと思ってるけど、朱里は錦のナンバーワンであれば何でもいい精神なので。錦が「僕達の愛は偽物だけど、本物の愛よりも強くて重い」と碧那に発言する場面もありました。これもカットしました。
作中に夏祭りの描写とかも入れようと思ったんですけど、効果音の問題でカットしました。お囃子の音を入れるの大変そうなので。折原は着付けが出来るので、浴衣姿の碧那の帯が崩れちゃって、目隠しして帯を結び直してくれるっていう場面も実はありました。それもカットしました。
最後に
今回は長文の記事となりました。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。今年中には声劇化する予定ですのでどうぞよろしくお願い致します。それでは次回の記事でもお会い出来たら幸いです。
欟乃華