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アジア学院さんでのプレゼン

先日、学生時代からお世話になっている那須塩原市の国際協力団体『学校法人 アジア学院』さんで農業経営のプレゼンテーションをさせていただきました。

農家を目指したきっかけ、日本の農業の現状、そして小学校での栽培授業の取り組みについて。アジアやアフリカ等の国々からの学生、そしてスタッフの皆様を前に約15分のプレゼン!

貴重な機会をありがとうございました!

今日は、日本語訳を掲載致します🌞(⇩⇩)。

掲載番組・記事



プレゼンテーション(日本語訳)

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タイトル「次の世代に農村をいかに繋いでいくか」
2010年度ボランティア 君島佳弘

タイトル

こんにちは!

この度はプレゼンテーションの機会を頂き誠にありがとうございます。
私の名前は君島佳弘です。2010年に年間ボランティアとしてアジア学院に滞在しました。

現在、私は茂木町というところで農家民宿を営んでいます。今日は、私の有機農家としての経営と、地域の小学校での栽培授業の取り組みをお話しします皆様からのご意見を頂けたら幸いです。

目次

(こちらが目次です。)
一番目に私の自己紹介をします。そして次に、アジア学院での経験、現在の仕事、地域の農業の現状を話します。そして、地域の小学校での栽培授業についてお話しします。

よろしくお願い致します。

家族の紹介

私の名前は君島佳弘です。2010年に1年間、オフィスとセミナーハウスのボランティアとしてアジア学院で働きました。現在37歳で、妻と一人の息子がいます。この写真は4~5年前の写真で、少しだけ若いです。

現在私たち家族は栃木県の茂木町で農業と、農家民宿、季節限定のパン屋を営んでいます。

茂木町はアジア学院から車で1時間と少しかかります。雑木林と棚田に囲まれた自然豊かな町です。

栃木県地図
アジア学院での経験

私が農家になったのはアジア学院での経験がきっかけでした。

ボランティアとして滞在した当時は23歳でした。アジア学院に来る前は、一度も農作業をしたことがありませんでした。そして農業について全く何も知りませんでした。

私は10代の学生時代には報道写真を学んでいました。学生時代に日本やアジアの国々の農村を訪ねたことで農業に関心をもってはいましたが、写真を仕事として続けるか、農家になるか迷っていました。

しかし、アジア学院での日々を過ごし始めてすぐ、私の気持ちは定まりました。
農作業は楽しく、作物を育てる暮らしは充実していて、なにより働く皆さんが格好良かったのです。アジア学院での暮らしは、作物を育てることの尊さを私に教えてくれました。
私は「農民が一番格好良い」と思いました。

そして、最初のモーニングギャザリング(※毎朝のミーティング&もちまわりプレゼン)で「私は農家になると決めました」と言いました。

アジア学院を出た後は北海道で酪農の仕事をしてお金を貯め、体力をつけました。

その後、アジア学院で特別講師も担当する酒勾さんのもとでオーガニックファーミングを学び、2018年に茂木町で就農しました。


現在の仕事(農業・宿・冬のパン屋)

次に、現在の仕事について話します。

現在私たち家族は、茂木町の中山間地域で農業と農家民宿、そして冬場だけのパン屋を運営しています。

それぞれについて説明します。

農業+農業体験学校

農場は約1haあり、お米や大豆、雑穀、季節ごとの野菜を有機栽培と自然栽培で育てています。また、地域外に暮らす住民を対象とした農業体験を、年間を通し運営しています。

農業体験は毎月1~2回開催していて、1日あたり10~20人程の方が参加してくれます。

農家民宿

次に、私たちは農家民宿を営んでいます。

私たち家族が暮らす家は築130年程の古民家で、自分たちで育てたオーガニックの新鮮な農作物を料理して提供しています。自分たちで育てた作物を使うことで、新鮮なオーガニックの農作物を提供することができます。そして、宿泊客は作物が育つ田畑を見学することができます。

パン屋

最後に、冬の期間だけ、地域の有機小麦を使用した天然酵母のパン屋を運営しています。
実は私はパンを焼けません。妻がパンを焼き、その間はもっぱら息子のお世話をしています。

仕事の目的

私たち家族の主な収入源は、農業体験と農家民宿、そしてお店の運営です。
私たち家族の経営目的は、「世の中と農村の接点をつくる」ということです。

農業に加えて農業体験学校や農家民宿、パン屋を運営すれば、様々な人が農村に来るきっかけをつくることができます。私は沢山の人に農業の魅力や農村の美しさを伝えたいので今の経営スタイルを選びました。

でも、皆さんもご存じの通り、現在の日本の農村は危機的状況です。

中山間地の高齢化の現状
日本の農業従事者について

私たちの地域では、田んぼや畑を守っているのはほとんど70歳以上の年輩の方です。
山も、水路も、年輩の方が管理しています。そして、私たち家族が茂木町に暮らし始めてからも、どんどんその年輩の方が減ってきています。日本中同じような状況だと思います。

こちらが日本の世代別の農業就労人口表です。

今、私たちは日本各地で美しい農村風景を見ることができます。でも、10年後同じ景色を見ることができるかはわかりません。食料を自給する力のさらなる低下も免れません。

なので、私はもっと農業経営に力を入れていきたいと思っています。

小学校での栽培授業1
小学校での栽培授業2

もう一つの取り組みについてもお話しします。それは、公立の小学校での栽培授業の取り組みです。

茂木町に移住してからすぐ、私は地域の小学校にお米と大豆の栽培授業をやらせてもらうように働きかけました。(写真を指し)こちらが授業の様子です。
現代では、ほとんどの子供たちが、普段食べている農作物がどのようなものか知り得る機会をもっていません。しかし、私は「何によって生かされているか」を学ぶことは、人間形成にとってとても大切なことだと考えています。私はそのことをアジア学院から学びました。

そして、「食」について考えたとき、私は公立学校にアプローチするのが大切だと考えました。なぜならば、日本のほとんどの子供たちが公立の小学校や中学校に通うからです。

今後も公立の学校での栽培教育を広めていきたいと考えています。


今後の目標について

私は、農業経営を通して日本の食を支える人になりたいと考えています。

そして、公立の学校での栽培授業を通して、日本の食を支えていく人材を育てたいと考えています。

次の世代に美しい農村の風景を見せてあげたいですし、次の世代が飢えなくても済むようにしたいのです。

メッセージ

ぜひ、友達になってください。

地域の農業をリードしていく皆様から、農業について、経営について、今後も学ばせていただきたいと思っています。

9月のバークレー研修

【9月のアメリカでの研修について】
 
今年の9月、アメリカのカリフォルニア州に菜園教育を学びに行く機会をいただきました。
カリフォルニア州はアメリカの菜園教育の先進地で、食に関わる仲間や様々な大学の講師とともに現地の学校を視察してきます。いつかその様子も報告できたらと思います。

(以上)

貴重な学びの機会、お話を受け入れてくれたかおりさん&まのしさんをはじめとするアジア学院の皆様、本当にありがとうございました!

月noco 君島佳弘


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