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『藍の水面に映る星』9:プロット100本できるかな。

 タロットカード6枚引いて小説のプロット100本作る創作訓練やってみた記録です。


◆引いたカード◆
1主人公の現在:世界(正)完成、勝利
2主人公の近い未来:悪魔(逆)更正、目が覚める
3主人公の過去:塔(正)急なトラブル、損失
4援助者:節制(逆)不毛、忍耐力の無さ
5敵対者:魔術師(逆)方向転換の時期、経験不足
6結末:愚者(逆)計画性の無さ、非協調的

『藍の水面に映る星』9/100(ファンタジー)

 ぬれぎぬをきせられ孤児院から一文無しで追い出されたカモとナガ。カモの描く絵を売ったり市場で小遣い稼ぎ程度の仕事でどうにか口を糊する二人。
 カモは生まれつきなのか言葉を話せないが、見たものをそのまま描ける特技があった。見事ではあるが似顔絵描きで稼ぐには向かず、あまり売れない風景画ばかり描いている。
 ある時、憑かれたようにカモが何枚も描いた絵は、この世のものとは思われない美しい生首と、それに接吻する男の姿。見たものしか描けないことを知っているナガは怯えるが、神話の一場面にそっくりであったため、これがよく売れた。
 評判になり、二人のつつましい生活が楽になりはじめたある夜、絵の男が二人のもとを訪れ、もう描くなと迫る。
 口のきけないカモが生活をたてていくにはこれしかないのだと懇願するナガ。男の懐からため息混じりの声が聞こえる。
「願掛けだ……とうに叶っているとなぜ気づかない。話さねばまた失うぞ」
 驚くカモと、男が懐から出した生首は、言葉を介さず約束を交わした。
 翌朝、夢だったのかと訝るナガの前で、オギは残っていた絵を破り捨てながら言う。
「いっしょに、生きてくれるか? ずっと……」  (了)


 キャラクター名とタイトルを考えるのが何よりしんどい。

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