子供が欲しくない
親愛なるアルフレドへ
久しぶりのお手紙になってしまったね。
実は、仕事が立て込んでしまって、深夜の時間も慣れない作業に没頭してしまっていたの。
多分、それもあって・・・ちょっと今日は変かもしれないけれど、許してください。
それでね、今日、友達に子供が生まれたんだよ。とても嬉しそうなラインが来て、赤ちゃんも元気そうですごく素敵だなって思ったの。
友達とのラインの内容は「名前どうしたの?」とか「明日から授乳がはじまるんだ!」とか、友達にとってもこの赤ちゃんにとっても、すべて初めてばかりで、そう考えるとなんだかラインなのに私もドキドキしたわ。
それから、これから、この子はどんな子になるのかなって。想像して。子供が産まれるって、すごく神秘的なことだなって感慨深く思ったの。
それでね、そのことをお母さんに話したら「あなたは子供に変な名前をつけないようにね」ってからかわれたの。ひどいでしょ?(笑)でも、否定できないところが悲しいわ(笑)。
とにかく、今日はすごくいい出来事に巡り会えたの。友達が嬉しくて、友達が幸せそうなのは私もすごく嬉しい。
ただ、なんだか心が痛いの。
ううん、お母さんの冗談に心を痛めたんじゃなくて。私が子供が欲しいと思わないことに心が痛んだの。
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