もう関係ないけれど
親愛なるアルフレドへ
今日の夜はとても寒いわね。
三寒四温というけれど、ここ最近の気温は、暖かい日と寒い日を繰り返して春をお迎えするんだなって、なんだか実感するの。
なんとなく、元気が出ないの。
そんな日もあるでしょ?
ただ、自分で明確に理由が分かるのだけれども。
私、人の幸せは素直に喜べていた気がするのだけれど、なんだかそうでもないみたいで。
今まで喜べていた人の幸せって、どこか自分と関係なかったり、本当に無害で大好きな人だったりで。
実は自分が心の深い部分で負けたくないって思っていた人の幸せを素直に喜べない自分を見つけたの。
とてもびっくりしたの。
私、今まで口では「頑張れ」って言っていたし、心では思っていたと本当に思っていたのに。
なのに、いざその人が成功したら、心がモヤっとしたの。
心底その人と直接会った状態でなくてよかったと安心したわ。
今の私じゃ取り繕えなかったと思うの。
こんな醜い私に、気付きたくなかったな。
私、自分に自信がなくて、何もなくて、10年前と何も変わっていなくて。
それなのに努力が続かなくて、本当に嫌になっちゃう。
自分が描く理想像と現実の自分の乖離がすごくて辛くなっちゃう。
それでも、人の幸せを喜べる自分だと思っていたのに、心根まで最低な人間みたいで。
全然、ただの偽善者だったんだなって思ったの。
自分が幸せでない人が、人の幸せを喜ぶのって難しいのかもしれないね。
自分が何者でもないのに、人を労れるのはひどい思い込みなのね。
アルフレドには、醜い私ばっかり見せていて、嫌になっちゃうな。
私、人といることあまり好きじゃないけれど、嫌いなわけじゃなくて、苦手で劣等感を感じるのが辛かっただけなのかも。
うん。悔しい気持ちをバネにしないとね。
このまま何もなく、何者でもなっちゃう人生は嫌だな。
今の旦那さんには話せないわ。
分かるでしょ?彼は彼で必死なのよ。
私は私で私を確立したい。
何者にでもなりたいの。
アルフレドに話すと、心の整理がついてスッキリするわ。
醜い自分の今の自分なんだから、受け入れて少しずつ理想に近づけてあげないとね。
夜はクヨクヨしちゃうから、また明日元気に頑張ろう!
おやすみ、アルフレド。
いつもありがとう。
つきみ