「自分らしく生きる」って難易度高くないですか?
つきこです。
「自分らしく生きましょう」「あなたはあなたらしく生きればいいんですよ」みたいなことってよく聞く言葉と思います。
「無理に他の人に合わせなくていいんだよ」みたいな意味だと思うんですけど、「自分らしく」って、めっちゃ難易度高いと思うんですよね。
僕はどう生きていったらいいんだろう?
どうして突然こんなことを書き始めたのか
(勝手に)フォローさせていただいているひらやまさんがこんなnoteを書いていらしたので、(勝手に)参画してみることにしました。
自分ひとりで何かを書いて満足できれば幸せだけれど、僕はそれほど悟りを開いてはいないし、誰かに応援されないと頑張れない人なので、複数人で同じテーマについて書く#ペアnote、どんな繋がりができるのか楽しみにして書いていきます。
「自分らしさってなんだ?」
「あなたはどんな人ですか?」
就職活動の面接で定番の質問をぶつけられると、自分を一言で定義できる言葉がいつも見つからず、僕は毎回口ごもっていたように記憶しています。
しかも、自分がそうだったと知っていながら、仕事で面接をするときには自分のことを棚に上げて同じような質問をしてしまうからタチが悪いのだけれど。
「自己紹介をしてください」
同じように、他の誰かとすり替わっても成立してしまうような自己紹介しかできないから、僕は薄く苦く笑うしかありません。
「好きな食べ物はなんですか?」
僕は食に強い興味もないから、そうしたときには「ラーメンですかね」なんて有り体な応えで取り繕うので精一杯だったりします。
・映画のことなら夜通し語り通せます!
・ジーンズさえあれば他には何もいらない!
・今までに付き合った恋人の数は年齢より多いです!
こんな強烈な興味関心や特殊能力があったらいいなと思いつつ、「らしさ」を持っている人を羨み続けて二十余年。
「自分らしさ」をあれこれ考えながら、「昔はそうだったけど最近は違うな」とか、「こう思ってたけどあの人に反対されたら妙に納得してしまったな」とか、「自分」というものが液体のように揺れ動いている。
そんなふうに「自分」というものが定まらないから、「自分らしく」と言われると、どうも自分を何らかの形にして表現しないと言えないような感覚に縛られてしまう。
そもそも「自分」がない人には、よく言われるように「自分らしく」生きるのは無理なのかも。そんなふうにも思ってしまうのです。
「らしさ」って言われるとちょっと困る
加えて言うと、「らしさ」って言葉が少しだけ苦手。
僕は男ですが、「男らしい!」と言われるのがはっきり言って嫌いです。褒められていたとしても、「男らしく」あろうとは思っていないので、違和感でしかないのです。
逆に「女性みたいに〇〇だね」と言われたら嬉しいこともあるけれど、「女っぽいね」と言われたらそれもまた不快だったりします。
ありがちなことだけれど、要は相手のイメージの中の一言で自分を定義されるのが嫌なのだと思います。
「自分らしく」というのもそれと同じで、「自分らしく生きよう」というのは「周りに流されずに」という無為自然な考え方に聞こえるけれど、もしそれが自分のキャラクターを自分で作って、一貫してその意思に沿って生きていくのだとしたら、それってめっちゃ大変だなと思います。
じゃあ僕は「自分らしく」ないのか
「自分」もなければ、「らしさ」って感覚もよく分からない。
じゃあ僕は他人に流され続けているのか、というと、たぶんそれは違うんじゃないかと思い始めてきました。
僕にはこれまでに人生の転機というのが何度かあって、その時に一緒にいた人というのは僕の中の憧れの存在だったりします。
そうした人たちは僕の心の中で生きていて、何かを選択するときや自分のふるまいを考えるときには、そういった人たちを心の中に呼び出して、「あいつならこんなふうに考えるだろうな」「この子ならこんな言葉をかけるだろうな」と考えながら、自らの行動を変えていくのです。
例えば大学時代に同じ学科になって、一緒に学科のイベントを企画した頭のきれる思想家みたいな友人。それから、同じくイベントの中心メンバーだった、やたら気の強いフェミニスト。
彼ら/彼女らだったら、同じ状況でどうするだろうと考えて、その結果が僕の判断に大きな影響を与える。
いわゆる、本田圭佑選手の「心の中のリトル本田に聞きました」みたいなやつです。
「それは他人に判断を委ねているんだよ」とどこかから聞こえてくるような気もします。
「それは自分らしさなんかじゃないよ」と。
でもそんなふうに、すごい人を「すごい」と思えて、他人のかっこいい生き方を「かっこいい」と思えて、それを映し鏡みたいに自分のものとして生きていけるっていうのは、ポジティブに捉えればある意味、僕らしいかなと思ったりしています。
もう一度、「自分らしさってなんだ?」
僕が好きなSUPER BEAVERというバンドの曲に「らしさ」という曲があります。
自分らしさってなんだ?
“人とは違う”で差をつけろ
こんなふうに始まる僕の大好きな曲です。
そのサビの一節が本当の答えのように思えています。
だから僕は僕らしく そして君は君らしくって
はじめから探すようなものではないと思うんだ
人に縛られて自分らしく生きられない人もいると思う。
自分の「らしさ」が嫌いな人も、他人に「らしさ」を決めつけられている人も、そして僕のように他人の「らしさ」を自ら望んで被っているような人も。
少なくとも、「自分らしさ」なんて定義する必要はないし、ポジティブに考える必要もない。
「自分らしさ」という型に何とか自分を押し込めるよりも、不安定で不完全な自分と、そのままの感性で生きていったらいいのではないでしょうか。
それがいつか、誰かの憧れになるかもしれないんだし。
つきこ