太りやすい、太りにくいってどういうこと?
こんにちは!tsukikoです!
管理栄養士として、
ダイエットサポートや栄養指導の仕事をしています。
体脂肪が増える要因の一つに、
摂取エネルギーが消費エネルギーよりも多く
余ったエネルギー分が脂肪に蓄積されてしまう事が
挙げられます。
そのため、太りたくない一心で
カロリーが少しでも高い食品を食べなかったり
毎日カロリー計算に時間を費やして一喜一憂したりと、
楽しい食事からは程遠い状態に陥ってしまっていませんか?
私は、
今までの栄養サポートの経験や対象者の方のお話から
「カロリーだけがすべてではない」
と感じています。
日常的に食べ物のこまごまとしたカロリーにとらわれていると
食事では楽しさが半減してしまうこともありますし、
その一部分の数字のみに追われることで
必要な栄養素を摂りこぼしてしまい、
かえって太りやすさを招いている事さえあると考えます。
最近では、
エネルギー計算だけのダイエットの考え方が
一般的ではなくなってきつつありますが、
カロリー計算というものは、
食事内容を評価する上ではなくてはならない一項目であり、
消費エネルギーについても理解する事で
ざっくりとした摂取カロリーの目安を知る
くらいのものとして捉えましょう。
「カロリーだけがすべてではないけれども、大切な一項目」
として、カロリーに囚われるのではなく、
基本を理解するということが非常に重要です。
今回は、消費エネルギーの個人差について考えてみましょう。
消費エネルギーは、
基準値はあるものの、個人差もとても大きく、
これも、いわゆる「太りやすい・太りにくい」という
ことにつながります。
まず、
消費エネルギーは
基礎代謝+生活活動代謝(身体活動量)+食事誘発性熱産生(DIT)の合計
によって決まります。
一般的には
基礎代謝(体格・体質に依存):60%
生活活動代謝(身体活動量)(運動量・運動内容に依存):30%
食事誘発性熱産生(食事内容・量に依存):10%
といわれていますが、
アスリートやバレエダンサーのように活動強度が高い人は、
生活活動代謝の割合は一般の人に比べて
高めに考えることが多いです。
特に基礎代謝量は、体格や体質に依存が大きく、
さらに、年齢が高くなるにしたがって
体重当たりの基礎代謝量は減少していく傾向にあります。
人が安静にして横たわっているだけでも
約60%ものエネルギーが消費されているのですが、
ヒトの臓器・組織において、
どの部分の安静時の消費エネルギーが多いかというと、
骨格筋や肝臓、脳のエネルギー消費量がそれぞれ20%程度となっており、
これらは、他の臓器と比べても多くなっています。
骨格筋は大きくすることができるため、
筋肉量が多い人は基礎代謝も高くなるということになります。
筋肉のつきやすさは性別、トレーニング内容だけでなく、
実は遺伝子も大きくかかわっているため
ここでも個人差が生まれます。
冬場は夏場に比べて基礎代謝量は大きくなりますし、
月経のある女性の場合では、
低温期と高温期では基礎代謝量にも違いがあります。
エネルギー産生栄養素(三大栄養素)の基準値は
糖質とたんぱく質4kcal、脂質9kcalですが、
それぞれのエネルギー源をうまく代謝できるかどうかは
個人個人の遺伝子によることも大きく、
自分の遺伝子型を知っているということは、
ウエイトコントロールやパフォーマンスアップにとって
大変重要であるといえます。
消費エネルギーの個人差は
・体格・体質・性別・年齢・遺伝子の働き
・運動量・運動内容
・食べ方・食事内容
・季節
・ホルモン周期
などに見られ、
これらの積み重ねにより、
個人差がとても大きく出ることもあります。
このように、消費エネルギーには個人差があるため、
自分の代謝状態がどうなのかを理解し、対処し、
それに合わせた食事を自然に選択していくことが、
ウエイトコントロールやパフォーマンスアップにとっては、
食品単体のカロリーを気にする事以上に重要なのです。