映画「ハウス・オブ・グッチ」トム・フォードGUCCIクリエイティブディレクター時代を思い出す
映画「ハウス・オブ・グッチ」
リドリー・スコット監督、主演はレディー・ガガ、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、そして久しぶり〜!のサルマ・ハエックも出演の
豪華!豪華!映画。
この情報だけでも、絶対面白いって思えるのはスゴい!
159分と長い作品だけど、最後まで時間を忘れて観れたのは、事実に着想を得たストーリーの面白さと、さすがのリドリー・スコットといったところ。
※以下ネタバレあり※
終盤のヤマ場、
GUCCIが時代遅れとも言われそうなファミリービジネスを脱しようと
トム・フォードをクリエイティブディレクターに起用し、コレクションが成功を収めたストーリーは
映画としても、個人的にも、強く印象に残った。
レディー・ガガ演じるパトリツィアの夫で、パトリツィアとの離婚を望むグッチ3代目社長マウリツィオが、
グッチの再興を機にビジネスから離れるように仕向けられ、そしてパトリツィアの差し金により銃弾に倒れたのは皮肉と言うほかない。
パトリツィアとマウリツィオの愛憎劇だけでなく、
ファミリービジネスの栄枯盛衰を描いているという点で、
物語に厚みを持たせていると感じられたストーリー。
トム・フォードによる衝撃的なグッチ復活は、当時20代で割とファッション好きだった私にとっても懐かしい出来事だ。
あの頃コレクションの情報は、数ヶ月遅れのハイファッション誌の記事か、テレビ番組「ファッション通信」〜サングラスが印象的だった!!今もBSテレ東で番組が続いていることを知って嬉しい!!!
位しかなく、すぐに動画で見られる今から振り返ると、時の流れを感じてしまう。
その数年前に、カール・ラガーフェルドがシャネルのクリエイティブディレクターに就任し、復興させたことに端を発した、
新たな才能で老舗メゾンを蘇らせる作戦のひとつだったと思う。
その後のマーク・ジェイコブスのルイ・ヴィトンクリエイティブディレクター起用もあり、
フランス人でもイタリア人でもないデザイナーが、彼の地の老舗メゾンを復活させたことを、現地の人々はどう感じてるんだろう、と思ったりしていた。
ちなみに、カール・ラガーフェルドはドイツ人、トム・フォードとマーク・ジェイコブスはアメリカ人。
ただ「ハウス・オブ・グッチ」を観るまでは、トム・フォードがテキサス出身とは知らなかった。
そんな懐かしい思い出を感じることもできた映画。
と同時に、今ではあの頃のファッションへの興味がすっかり失われたと寂しい気持ちにもなる。
私に限らず世の中全般で。