月影太陽光発電所 発電2日目

素浪人月影です。今日は曇りです。。。
本日は、発電量も少ないので、シミュレーションに向けた、太陽光発電の基礎として、太陽電池パネル(太陽電池モジュールとも呼びます)2点の説明をします。太陽電池セルの逆方向特性が重要だと理解している方は読み飛ばしてください。

1.太陽電池セルの構造と特性
上図は太陽光発電で最も標準的なシリコン太陽電池の構造概要図です。
太陽電池セルはさまざまな種類がありますが、高い変換効率で光を電気エネルギーに変換するために、Si単結晶基材(丸い単結晶から、152mm角にカット)に光吸収性を高めるための反射防止膜をつけたP-N接合型が普及しています。パナソニック社(三洋さんですね)のヘテロ型は、さらに上下にアモルファス層を作るので、高性能なのですが、設備投資がかさみ工程チューニングも厄介なので、中華勢はPERC型太陽電池を高性能モジュールに採用しています。シャープ社・三菱電機社も国内セル製造から中国生産化をすすめ、高性能モジュールは単結晶PERC型が一般的な状況になっています。車に例えれば、ハイオクエンジン(ヘテロ型)とするかレギュラー(結晶系)か、はたまたディーゼル(薄膜系?)なのかの違いと言ってもいいかも。少ない設置面積なのでHIT型とするか、設置する土地の生産性が低い場合は、発電コスト重視で結晶系や薄膜系を選択する考えもありです。
 表面電極が、太陽電池モジュール表面の銀色くし型グリッドに見える部分です。セル間の接続ではこの表電極を、次段セルの裏電極にタブ線で接続する構成をとることで、セルを交互に直列接続するようにします。

・一般的結晶型セルの出力特性
 上図はセルの電気特性図となります。発電領域は、順方向特性ですので、発電使用電流での発電時電圧は0.55V程度です。10枚のセルを連結し、ストリングを作成し、さらに6ストリング直列でモジュール内に横に並べると、0.55×10枚×6列=33vが60枚セルモジュールの出力電圧値になるわけです。また、モジュールの出力電流は、セル面積が同一時は日射に対する太陽電池の発電効率とも言えます。通常は、量産セルを選別し、最高性能セルクラスをフラッグシップモジュールに搭載することで、価格差をつけて販売されます。メーカーさんの公称定格をセル枚数で割り算すると、セルの発電量になりますので、電卓をたたくと簡単にセル性能推測と各社の性能差やモデル構成の考え方を見ることもできます。一般的には、販売量の少ない台形モジュール等に低性能クラスセルを搭載しているように見えます。
 また、このI-Vカーブの要注意点は、逆方向特性ゾーンにあります。太陽電池モジュールでは、発電時はこの領域を使用しないので、説明されていませんが、重要な特性的意味を持っています。一般的な工学書でも、太陽電池セルの同領域説明は不十分ですが、太陽光発電ではセルの逆方向特性領域の理解は不可欠です。今後、シミュレーション時に追加説明をする予定です。
(プロの方でも、理解してない方がいるのではと、月影爺は心配。。。
 ホットスポット現象やバイパスダイオードのOPEN故障などを理解する
 ときに、必要な知識になります。)

2.太陽電池パネルの内部接続

太陽電池パネルは、内部で太陽電池セルをタブ線と呼ばれる銅線で結線されています。また、これらのセルが封止シート(EVA)で固定され、ガラスとバックシートにて、保護された構造になっています。また、端子ボックスがつけられ、内部の端子台にはバイパス・ダイオードと外部コネクタが結線されています。歴史のある構造ですが、残念ながら各社で外形や取付構造が共通化されていないことから、各社間の互換性がない製品であることに注意が必要です。効率向上・コスト低下がWORLDWIDEで繰り広げたので標準化ができなかったんでしょうね。。
 ここで注意したいのは、バイパスダイオードなる存在です。平成31年1月の消費者庁:事故等原因調査報告書-住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等では、バイパス回路に注意喚起がされています。太陽電池セルの一部に発電量減少が生じた場合の迂回路部品ですが、故障時の安全性確保に重要な部品であることが、推測できると思います。

さて、日が陰ってきましたので、今日の発電は終了です。
また、晴れたら発電しますので、気軽にお立ちよりください。

今日の一言
朝のウォーキング後は、雨が降る前にと、草むしりでスタートでした。
月影の隠居所には、くろーい鯉が7~8匹同居していますので、冬の浮き
マットも取り外し。 マットを洗ってから、朝ご飯でした。
くろーい鯉は前住人に見捨てられたんですかね~。丸々体形ですが。


素浪人シルバーエンジニア 月影四郎と申します。幕府学問所を卒業後、仕官したお城づとめも終了し、素浪人として歩き始めました。  皆さまに楽しんでいただけたらとふと思いたち、徒然なるままにnoteデビューした次第でございます。