月影太陽光発電所 発電8日目 基礎3
素浪人エンジニア月影です。 芝桜がきれいになって来ましたね~
月影ん家のは日当たりが悪い所に植えたので、少し遅れ目。。
日の当たるところまでしか増えないね、太陽電池も同じだけど。。
さて、本日は基礎編3として、枚数差の説明補足と、太陽電池モジュールの大敵:影について、次回に向けてのちょっと寄り道です。
・並列ストリングでのモジュール枚数差影響
上図は、第7日目の枚数差出力:9直+10直の出力グラフになります。
ポイントは10直列の最大出力点の電圧と、並列出力の最大出力点の電圧が異なる点です。太陽電池アレイは、並列化では出力電圧が一致していないと、出力効率が落ちます。ただし、P-V曲線のPmax付近がなだらかな為、ハーフモジュール1枚程度はコスパ的に許容されています。
上表は、上図の第5日目の配付テスト・サンプルを用いた出力差です。
太陽電池モジュールの標準条件(25℃、日射強度:1000W/m2)での枚数差による影響を確認ください。同一枚数での出力差:12Wは、逆流防止ダイオード2個の損失であり、ダイオードでも損失を生じることを意味します。
枚数差があるストリング構成では、並列時に損失がある為、パワコン入力部にコンバータ回路(電圧を降圧、昇圧する回路)を追加したマルチ入力型パワコンが登場しました。それぞれのストリング毎にMPPT制御をかけれますので、理想的ですし、施工設計が単純になります。米国では、モジュール毎やストリング毎に、オプティマイザーなるストリングコンバータ的な製品が流行しているようです。信頼性・コスパを考えると1入力パワコンですが、故障モジュールの検出にはマルチ入力方が多少良い部分もあります。
シミュレーション応用としては、アレイ設計時の検討に、価値がある使用箇所でもあります。今後、モジュール故障による部分停止や互換モジュール採用時には、シミュレーション手法で検討すると良いと思います。
次回は、日射強度の変化方法を、PVMA2530N_TEST_部分影変化のある太陽電池アレイ出力.asc 用いて説明します。
また、影は太陽電池モジュールに致命的なダメージを与える可能性がありますので、太陽光を設置されている方や保守の方たち向けにちょっと寄り道
です。
・ちょっと寄り道:ホットスポット現象
太陽電池モジュールは、受光した日射光を電力として取り出しますので、発電分だけ、冷えます。ただし、受光による温度上昇がおおきい為、発電により5℃程度冷却しても、熱画像観測しても理解しづらいと思います。
でも「発電することで冷却しそうだな!」はピンとくるのですが、太陽光パネルの診断手法コマーシャルの熱画像による異常モジュール検出は理解できてますか?
また、前回ソーラーシミュレータを紹介していますが、モジュール面の放射照度場所ムラはAクラス機器でも±2%あります。この事からも、モジュール面照度が雲で変動するなかで、熱画像の判断に何℃の温度差異を異常とするか理論的に把握しておく必要があると思います。
故障ならば発熱しそうだと理解できますが、正常なセルであっても木の影や、木の葉・鳥の糞で部分影になったセルが発熱するホット・スポット現象を計算できる必要があるのです。正常なセルに影がかかると、バイパスダイオードで保護があっても、他セルの発電電流が影セルに流れ、発熱します。JISC8990では、ホットスポット耐久試験にて、影による温度上昇を実験確認もしますが、長期にわたる熱ストレスはモジュール劣化の原因になります。この為、保守点検作業で熱画像点検を使用するならば、温度の判断基準の理由を理解し、現象を判断できるようにしておく事が必要です。
この現象は、基礎編の等価回路ではシミュレーションできませんので、セルの逆方向特性を付加したモデルを使用し、中級編にて説明予定です。
(JISC8990を簡単にシミュレーションできますので、ご期待ください。 そのために基礎編で、習熟しておいてください。)
さて、本日の月影光発電所は発電終了です。次回もお立ち寄りください。では、みなさまにも良い日和でありますように。。
・今日のひとこと
note書くの結構時間かかるな~。。動画キャプチャーも実験したいな
~とつい想ってしまう爺でした。。ジャックダニエル買ったしな~
素浪人シルバーエンジニア 月影四郎と申します。幕府学問所を卒業後、仕官したお城づとめも終了し、素浪人として歩き始めました。 皆さまに楽しんでいただけたらとふと思いたち、徒然なるままにnoteデビューした次第でございます。