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【Windows 11】ファイルが削除できない?!

「ファイルが消えました」、「印刷できません」、「画像をPCへ取り込みたいんですけど」などなど、従業員の皆様のPC周辺トラブル対応係をときどきしています。トラブルの中には、どんな操作をしたのかを聞いても「何もしていないのに」とか「覚えていない」といった感じで、原因不明のまま復旧だけして様子を見るというものが一定数存在します。そんなトラブルのひとつに珍しく私自身が遭遇したため、この機を逃すまいと記録に残したので投稿しておきます。

発生したトラブルは記事のタイトル通り「ファイルが削除できなくなる」というものです。実際には削除だけではなく、移動やファイル名の変更などファイルに対する基本的な操作が一通りできない感じです。当該ファイルはデスクトップにあり、次のような感じです。

他のファイルを圧倒する存在感を放つPDFファイル

この画像を見て「なんか見たことある」、「聞いたことある」のようにピンとくる方もいるかもしれません。ファイルの特徴は、もう説明いらないくらいわかりやすいと思いますが「ファイル名なげーよ」です。種類は、拡張子のまんまPDFファイルですね。ちなみに、こんな長いファイル名をわざわざ自分で付けて保存するほど、私は疲れていませんので大丈夫です。

どのようにして作られたのか?

このトラブルは、私が遭遇する前に従業員2名ほどが遭遇しています。お二方から共通して得られた情報は、「PDFファイルをデスクトップにダウンロードしただけ」でした。私の場合は、「PDFファイルをデスクトップにデフォルト名のまま名前を付けて保存をした」ですので、従業員の言う「ダウンロードした」とおそらく同じでしょう。つまり、

“非常に長い名前のPDFファイルをデスクトップに名前を付けて保存した”

ことで、このPDFファイルは誕生したと思われます。

トラブルを回避するには?

勢いあまって[保存(S)]ボタンをクリックしてしまわないように気をつけましょう。

極・精神論「気をつける」で回避

トラブルを復旧するには?

さて、ここからが本題です。トラブルの復旧手順の概要は以下の通りです。

  1. 問題となっているPDFファイル(以下単に「PDFファイル」)が格納されているフォルダ(以下単に「格納フォルダ」)を共有する。

  2. 「格納フォルダ」をネットワークドライブとして割り当てる。

  3. Windows PowerShell コマンドで「PDFファイル」を処理する。

  4. 「格納フォルダ」のネットワークドライブを切断する。

復旧手順の詳細を順に説明します。なお、説明では「格納フォルダ」はデスクトップを例としています。

「格納フォルダ」を共有する

「格納フォルダ」のプロパティを表示する

[Windows]+[E]キーを押してエクスプローラーを開きます。「格納フォルダ」(ここではデスクトップ)を右クリックして、[プロパティ]を選択します。

「格納フォルダ」のプロパティを表示する

共有を設定する

「格納フォルダ」のプロパティダイアログが表示されたら、「共有」タブに切り替えて[共有(S)…]ボタンをクリックします。

[共有(S)…]ボタンをクリック

自分が所有者または書き込み許可を持つユーザーであることを確認して、[共有(H)]ボタンをクリックします。

[共有(H)]ボタンをクリック

[終了(D)]ボタンをクリックしたら、共有設定は完了です。「格納フォルダ」のプロパティダイアログは、この後使用しますので、開いたままにしておいてください。

[終了(D)]ボタンをクリックする

「格納フォルダ」をネットワークドライブとして割り当てる

エクスプローラーに戻って、[PC]を右クリックして[ネットワークドライブの割り当て…]を選択します。

ネットワークドライブの割り当て

「格納フォルダ」のプロパティダイアログの中にある「ネットワーク パス(N)」項目の文字列をマウスですべて選択してから右クリックし、[コピー(C)]を選択します。

ネットワークパスをコピーする

「ネットワークドライブの割り当て」の「フォルダー(O)」項目に、先ほどコピーしたネットワークパスの文字列を貼り付け、[完了(F)]ボタンをクリックします。「格納フォルダ」のプロパティダイアログについても以降は使用しませんので、閉じて構いません。

ネットワークパスを指定して完了する

Windows PowerShell コマンドで「PDFファイル」を処理する

「格納フォルダ」のネットワークドライブをターミナルで開く

エクスプローラーに戻って、「格納フォルダ」のネットワークドライブを[Shift]キーを押しながら右クリックして、[ターミナルで開く(T)]を選択します。

ターミナルで開く

「PDFファイル」が存在することを確認する

ターミナルウィンドウで次の Windows PowerShell コマンドを入力して、[Enter]キーを押します。ここでは例として、「PDFファイル」の名前が “APz” ではじまる長いファイル名である場合を書きます。

Get-ChildItem APz*.pdf

Get-ChildItem (Microsoft.PowerShell.Management)
「PDFファイル」が存在することを確認する

「PDFファイル」を処理する

ここでは例として、「PDFファイル」を “削除” する場合を書いています。

Remove-Item APz*.pdf

Remove-Item (Microsoft.PowerShell.Management)
「PDFファイル」を削除する

「PDFファイル」が処理されたことを確認する

「PDFファイル」が削除されて、表示されないことを確認します。

Get-ChildItem APz*.pdf

Get-ChildItem (Microsoft.PowerShell.Management)
「PDFファイル」が削除されたことを確認する

「格納フォルダ」のネットワークドライブを切断する

エクスプローラーに戻って、「格納フォルダ」のネットワークドライブを右クリックして、[切断]を選択します。

ネットワークドライブを切断する

ネットワークドライブを切断する前の警告が表示されますが、これまでの操作以外でファイルを開いていたりしていないことを確認し、[はい(Y)]ボタンをクリックして警告を閉じます。

復旧手順は、以上です。お役に立ちましたら幸いです。

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