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ロスフラワー×月形刑務所、サウナ×樺戸神社…月形町から新しいものづくりを。
つきがたdesignでは、2024年2月「明るい過疎化」をテーマにしたローカルでの開業・起業育成プログラム「ツキビズキャンプ」を始動させました。
3月のデモデイ(最終審査会)後も、1期生の活動は盛り上がっています!
「ツキビズキャンプ」発起人の梅木悠太が、1期生のその後をリレーインタビューで紹介します。第2弾は、デモデイで見事にグランプリを受賞された、大塚裕介さんです。
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大塚裕介(おおつか・ゆうすけ)
北海道芸術デザイン専門学校教員 一級建築士 yesso studio 代表
2015年 ASIA AWARDS2015 ノミネート
2024年 ツキビズキャンプ 最優秀賞
建築家としてのキャリアの傍ら後進の育成、まちとひとをデザインでつなぐイベント企画などを行う。サウナは個室派、水風呂が怖い低空飛行サウナーであるが故に、新しい形のサウナと人、地域の関係を模索中。
きっかけは、北大の内藤さん。多分野の繋がりが、ツキビズの魅力。
梅木: 大塚さん、よろしくお願いします。まずは、ツキビズキャンプに参加したきっかけを教えてもらえますか?
大塚: ツキビズキャンプを後援している、北海道大学の内藤さんがきっかけですね。
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大塚: NoMapsという札幌のカンファレンスイベントで、北海道の森林資源に関するスリープテックの企画に参加したんです。内藤さんがファシリテーターをされていて、繋がりました。その関係で、FacebookやInstagramでツキビズキャンプの告知や広告を見かけました。
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梅木: なるほど。内藤さんがきっかけでツキビズキャンプを見つけてくれたんですね。
大塚: そうなんです。内藤さんが関わっていたことで興味を持ちました。
梅木: どうして応募しようと思ったんですか?
大塚: 事業や新しいものを考えて生み出す機会を探していました。他に厚真町のプログラムも検討したんです。厚真町は企業がサポートしていて、アクセラレーションプログラムとしてしっかりしていました。ただ、僕は今の仕事を辞める気はなくて、ガチガチの起業プログラムは避けたかったんです。ツキビズキャンプは手作り感があって、皆で頑張っている感じが良かったんですよね。
梅木: 説明会にも参加してくれましたよね?
大塚: はい、オンラインでの説明会に参加しました。前半はプログラム概要の説明、後半は運営と参加者が双方向にやり取りする会でした。プログラムに興味を持ったきっかけを話したり、質疑応答など、参加者に丁寧に向き合っている雰囲気が伝わりました。
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町の内側に、熱意があふれている。
梅木:実際にツキビズキャンプに参加してみてどうでしたか?
大塚: 新しい繋がりがたくさんできて、それがとても嬉しいです。駐在さんや他の業界の方々など、多様な人と知り合えて、その関係が今でも繋がっています。
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大塚: 例えば、北海道新聞にも取り上げていただいた花のプロジェクトを進めています。月形刑務所受刑者の方々と一緒にドライフラワーを作る活動で、今後は商品化に繋がる予定です。
梅木: 大塚さんと大江さんで進めているものですね。
大塚:そうです。大江さんは生花の生産農家で、「月形ふるさと花の会」という花の生産者のコミュニティを主宰している方です。月形町や札幌で「花飾り」という花のアレジメントのイベントを行っていて、普段から精力的に活動されています。つきがたdesign代表の本多さんにご紹介いただきました。
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大塚: ツキビズキャンプで考えた企画に、月形町のロスフラワーを使いたかったんです。JAさんを通すと規格品外の花を提供いただくのはなかなか難しく、困っていました。そんなときに大江さんとお会いできて、とんとん拍子に話が進みました。
梅木: タイミング良く、いいつながりができたんですね。
大塚: そうなんです。大江さんは月形町の花のキーパーソンで、花農家のみなさんが「大江さんが言うなら」と協力してくださいました。大江さん無しでは生産農家の方々との関係はうまくいかなかったですね。
話と仕事がすごく早くて、壁が一切ない。今でも、月形町と関連がないイベントでも花材を提供していただいています。とても良いつながりができありがたいです。
オープンで熱意あふれる方々が町の内側にいるというのが、月形町の大きな魅力のひとつだと思います。
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地域課題を見つめ、持続可能なコミュニティへ
梅木: プログラムの内容はどうでしたか?
大塚: しっかりした内容でした。ワークショップが充実していましたし、北海道各地の先輩起業家、スタートアップの経営者の方々など、いろいろな人と話す機会もありました。頻繁に交流ができて、助かりました。特に、月形町のみなさんや信用金庫の方々とのネットワークが広がり、様々なサポートを受けることができました。
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梅木: デモデイ(最終審査会)で発表したプランを簡単に教えてもらえますか?
大塚: 月形刑務所とまちの関係を活かして、受刑者やまちの方々といっしょにさまざまなものづくりを行っていきたいというプランです。月形町のロスフラワーで作る「つきがたフラワーボックス」、月形町の空き家に提供するDIY半製品の家具、つきがたフラワーサウナなど、つくりたいものをたくさん提案しました。
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梅木: 発表したプランを進化させて、武蔵野美術大学で開催されたアワードでも受賞されたと聞きました。
大塚: はい、美大生と共に、社会にインパクトを与える新事業を創り出す「MAU SOCIAL IMPACT AWARD」で準グランプリと特別賞をいただきました。ツキビズキャンプで発表したプランに、また様々な方からご意見いただいて発展させることができました。全国的に刑務所が減っている、月形刑務所が無くなる未来という課題にもアプローチしました。
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梅木: ツキビズキャンプや月形町をきっかけに、次々と新しいコトを起こしていますよね。機会を活かしていく秘訣はなんでしょうか。
大塚: 強制的に締切を設定するようにしていますね。例えば「MAU SOCIAL IMPACT AWARD」では12月にも発表の場が設けられているので、そこで報告するために月形高校の授業での取り組みをかたちにしようとか。締切が無いとダラダラしてしまう人間なので・・
梅木: 確か、月形高校でも授業をしていましたね。
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大塚: はい、北海道MA+CHプロジェクト(地学協働まちづくり推進事業)の一環で、「つきがたフラワーボックス」関連の授業を実施しました。コトを起こせば起こすほど、やればやるほど地域課題が見えてきて、やりたいこと、やらなければと思うことが見つかりますね。実は今もいくつか構想が動いていて、樺戸神社にサウナを絡めたプロジェクトも進行しています。
梅木: 大塚さんの地域課題解決への熱意はどこから来ているのでしょうか?
大塚: もともと建築家だからだと思います。建物ひとつ建てるには、敷地もですがその土地や地域の課題を見つめなくてはいけません。学生時代から、地域課題を見つめることから始める癖がついています。
梅木: 最後に、今後の目標を教えていただけますか?
大塚: 続けて、ツキビズキャンプや月形町とのコミュニティを育てていきたいです。今の繋がりを活かして、新しいプロジェクトを始めたいですね。例えば、月形高校生や月形町の花農家との連携を強化して、地域の課題解決に取り組んでいきたいです。ものづくりを通して地域の課題に対するソリューションを提供し、持続可能なコミュニティを目指していきたいです。2期生のみなさんとの繋がりも楽しみにしています。ぜひ一緒に面白いことを企てていきましょう。
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第2期「ツキビズキャンプ2025」の参加者を募集中です!
オンライン中心のプログラムで全国から参加可能です!
(キックオフとデモデイは北海道月形町にて開催)
応募〆切:2025年1月15日(水)
まずは、こちらのフォームから説明会へお申し込みください!
説明会日程:
2024年12月10日(火)19:00~20:00
2024年12月28日(土)10:00~11:00
2025年01月19日(日)19:00~20:00
※上記日程が合わない場合、個別面談も選択できます
昨年度の様子は公式SNSからご確認いただけます!
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