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桜から躑躅へmerry-go-round

今夜は雑記。

5月2日が来る。
心を囚われて仕事でミスを連発した年もあった。きっと天国から「何をやってるんだよ」と笑っていると思ったのでミスをするほど囚われるのは間違いだと思うようになった。

私の実家のある神奈川から離れて20年以上経ちhideは遠い。
日頃の仕事の疲れで近隣の都市部にすら出るのがしんどい。Lemonedだってそこまで行かないとないのに。
hideが遠くなった。

それでも、いつのまにかギターをかき鳴らすのが趣味になっている末の息子が、そう、いつのまにかhideの良さを語ったりするようになった。季節はまわり、想いは引き継がれる。

hideは春に会いましょうと言うけれど私は躑躅の季節にhideの魂を空高く見上げる。
まだ夜風が寒い4月に春の気配を感じ始めると気付けば桜が満開となる。短い桜の開花を楽しんでいると、たちまち沿道には溢れんばかりに咲き乱れる躑躅が見られる。
hideの季節だ。

そして今年からは愛犬のあの季節にもなった。
のあが天国に飛び立ったのは7月だが躑躅の咲き乱れる道を長い動画に撮って歩いたのが最期となってしまったので、hideへの気持が巡り戻るこの季節は同時に愛犬のあとの美しく心に重い季節にもなっている。
不幸感を感じているわけではない。
ただ、大切なものが増えただけだ。

昔hideを想って辛くなりながら眠りにつく日が続き、それでも前向きにと気持ちを取り返した頃に夢を見た。
今もはっきりと覚えている色彩。

髪を短く切ってからの、ピンク色のhideが派手やかな色合いのステージ衣装を身にまとって、それは静かに目を閉じて、私に対し正面を向く形でそこにいた。
夢の中で私には仕事があり、ただ眠っているようにしか見えないhideのご遺体をきれいに洗う仕事だった。
私は何の躊躇も疑問もなくその身体を洗ったが冷たくもなく脈打つような温かみもない身体ではあった。
目が覚めても不思議な感触と派手やかな色彩がリアルに残っていた。
嫌な気持ちはもちろん欠片もなかった。
今となっては懐かしい記憶なだけのことだが。

世の中は閉塞しているし不穏なままだ。
コロナ以降戦争まで人の命は失われるばかり。
こんな世の中をhideは生きなくてよかった。 

日本社会の息苦しさが消し飛んでしまうような未来がくるのなら多少は楽しげではあるが。

ともあれ、5月2日は呉の昴珈琲オリジナルhideパッケージの珈琲をゆったり味わう日にしたい。



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