スイカに塩を「かけてあげる」などの表現。
気持ち悪い表現だと感じるものの一つに、人間ではない対象、あるいは意思疎通が図れない対象に対して「〇〇してあげる」というものだ。(介護などは、別かもしれない。)
あらゆるところであらゆる人が、この表現を多用している。
これは僕個人の感覚なので、これが表現として間違っているという話ではない。僕は別に日本語に詳しいわけでもないし、文法だってよくわかっていないのだ。
だから、使いたい人は使えば良い。人間は言葉の使い方で「役に入る」みたいなところがあるので、そういう楽しみ方をする人だっている。それを奪おうなんて気は、さらさら無い。
「スイカに塩をかけてあげると、甘く感じます」とか、美容師が「この方向へ髪を乾かしてあげて」とか、美容師が「この部分から乾かしてあげて」という表現をよく耳にすると思う。
こういう表現は、「カリスマ美容師」とか「新進気鋭の料理人」みたいな人種が始めたのではないかと、僕は想像している。自分のワールドに入りがちな自意識の高い人、という感じがする。あるいは、そういうワールドを持っているように見せたい、という感じか。
今や、この話し方は俗語としてかなり広まった。多くの人が抵抗なく使うくらい、浸透している。
僕は別に言葉を狩るつもりは無い。ただ、間違った伝わり方をしないように、気を使って扱うことは大切かなと思う。
いつも言っていることだけど、言葉という道具はめちゃくちゃ不完全なもので、適切な言葉を使っていても自分の伝えたいことが相手に伝わるとは限らない。もちろん、相手の捉え方も考えると。そもそもあまり複雑なことは伝えられない。
言語系なコミュニケーションも、やはり相手に依存する要素が多すぎる。もちろん、新しい表現や造語が作られることは全然悪いことじゃないし、ユーモアは大切だ。
でも、「固いことを言うやつだ」と思われるかも知れないが、やはり本来の意味を蔑ろにしすぎると、無秩序になっていく。
ここから先は
つきのまどの【つれづれゴニョゴニョ】
最低でも、月の半分、つまり「2日に1回」更新します。これはこちらの問題ですが、それくらいのゆとりがあった方が、いろいろ良いかと。 内容とし…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?