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京都で暮らすっぽく旅をする
はい。というわけで、京都をひとりで旅行しました。兼ねてからの旅のテーマは「暮らすっぽく旅をする」。あんまり観光っぽいことはせずに。ふつうのごはん屋さんに行ったり本屋さんに行ったり、なんてことのない道をてくてく歩いたりしてきたよ。
1日目
お昼過ぎに京都に到着。今回の宿は丸太町のそばだったので、そのまま地下鉄に乗る。ホテルに荷物を預けて、昼から「mati」さんでパン飲みしようかな〜と思っていたのだけれど、臨時休業だったようだ。さてどうしようかなとぽこぽこ歩き、八坂神社のあたりまで来てみた。そばに気になる燻製屋さんの「RUTUBO」さんがあったので立ち寄ると、せんべろセットがあるという。ここにフライドポテトを追加して軽めのランチにした。
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ハイボールをちみちみ飲み、酔い覚ましに鴨川を北上してゆく。途中本屋さんに寄って『胃が合うふたり』を買う。そばに来てみたかった六角堂の見えるスタバがあったので、休憩がてら本を読む。
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お腹が空いてきたな。ホテルに一度もどり、手荷物を整理する。
夕飯はこれもまた気になっていた「Syn」さんに行ってみる。1時間ぐらいなら大丈夫とのことで、軽くごはんを食べて飲む。店員さんのお姉さんはひとり客のわたしに優しく話しかけてくれて、ご飯も美味しく食べ、るんるんで帰路へ。
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そのまま近くのコンビニでお酒とおつまみを買い、部屋で2次会を軽くして、ゆっくりお風呂に浸かって眠る。
2日目
早起きして「To.」さんのモーニングへ。いろんな人のnoteやInstagramで見かけてどうしても食べてみたくて予約をしてみた。
店に入ると、10人ほどのコの字カウンター席と、小さなテーブル席がいくつか。朝の時間はカウンターだけになっているようだった。
モーニングはクロスティーニというオープンサンドで、5〜6種類から選べる。ボンボローニという揚げドーナツも有名なようだけど、後日別のところで食べる予定があったので今回はオープンサンドだけにした。
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いちごと生ハムのペースト、マスカルポーネチーズのクロスティーニ。このマスカルポーネにはお醤油とかごまとかが入っていて、甘じょっぱい最高の食べ物だった。
ひとりずつ注文を聞いていき、一種類ずつ手際よく作られていくオープンサンドはあまりにも綺麗で、パンの焼けるいい匂いとあたたかさで思わずうっとりしてしまった。
ゆったりと朝ごはんを食べたあと、一乗寺の独立系書店、恵文社さんに向かった。1年ぐらい前に京都に来た時もずいぶん長い時間滞在したが、今回も30分はゆうに見ていたと思う。
『本なら売るほど』という漫画を読んだばかりだったので、その中に出てきた森茉莉さんのエッセイを選んだ。食についての描写がなんともうっとりする美しさで、お嬢様な彼女が美味しいものをたくさん食べる姿が目に浮かぶ。
それから、谷川俊太郎さん編の『祝婚歌』という歌集と、くどうれいんさんの『日記の練習』というエッセイを買った。結婚自体に関心があまりないわたしだけれど、結婚という制度の「幸福性」みたいなものにはとても興味がある。どこの国でも、一番ハッピーな瞬間を聞くと結婚した時があがるらしい。どうしてなんだろう?種の繁栄?でも『祝婚歌』を読んでいると、なるほど幸せとはこれなのか、と思う。
そして『日記の練習』を読み、わたしも日記に励むぞ〜となるのだった。人が読むための日記ってちょっとまた違うのかな。でも、くどうさんも美味しいごはんをたくさん食べていてよかった。
さてそんな本屋の帰りに小腹が減り「こはく」さんでたこ焼きとおでんを食べ、高瀬川をぽこぽこと歩き、進々堂でパンを買って部屋に戻る。
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ゆったり本を読みながらパンをかじり、お腹が満たされてお風呂に浸かり眠る。なんて気持ちのよい夜なのだろう。
3日目
この日の目的はニンテンドーミュージアムに行くこと。朝がそんなに早くなかったので、残りのパンとコンビニコーヒーでのんびりブランチをする。
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お昼前に出発し、小倉駅まで。ど平日の割に賑わっており、ニンテンドー人気を思い知る。
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ニンテンドーとともに育ってきた世代として、胸が熱くなる展示ばかりだった。歴代のゲーム機ごとに代表的なソフトやその時取り入れた最先端技術などがまとめて展示してあって、確かに!あった!などと騒ぎながら見ていたらあっというまに時間が過ぎていった。
代表作をプレイできる体験展示が充実していて、これは一生いられる…となっていたら、出た後のショップでも同じことを呟く羽目になった。
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ポケモン、マリオ、ピクミン、どうぶつの森、とにかく大体のニンテンドーのゲームを通ってきた30代にとってアツすぎる展示たち。また行きたい!弟連れて行きたい!
京都に戻ってきて、こちらもまた気になる独立系書店の「鴨葱書店」さんへ。ここでは岡野大嗣さんの歌集のサイン本がると聞いていたので、それを目当てに行ったが、岡本真帆さんのエッセイと窪美澄さんの『夜に星を放つ』も買った。そんなに大きくない書店だけれど、素敵な陳列で一冊ずつじっくり見てしまった。
ずいぶん遅くなってしまったので、そこらへんにあった近所の回転寿司屋さんに入る。完全に旅行を諦めたご飯でウケてしまったけど、どんなときも寿司はうまい。遅めの昼を食べたら夜までお腹が空かなくて、部屋に戻って本を読んだりうたた寝したりして過ごした。
4日目
龍安寺近くの「kew」さんを予約していたので、朝ごはんを食べて向かう。茶寮FUKUCHAさんのお茶漬け。少々食べ過ぎた胃に優しく染み渡るお味。デザートが美味しそうだったから食べてみたいな。
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少し早めに出て、妙心寺と龍安寺をお散歩。龍安寺は枯山水で有名だけれど、実は行ったことがなかった。修学旅行生に混ざってじっくりじっくりお散歩をしていたら、あっという間に時間がなくなった。
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お庭の石や砂で水を表現する枯山水。幽玄思想、といえばとってもクールだけど、これ水に見えるぜ!みたいな想像力の豊かさには参ってしまう。
時間になったので「kew」さんへ。まんまる、お砂糖たくさん、たっぷりのカスタード。この世の幸せを表せるすべての物質でつくりました、といわれても納得してしまうぐらいだ。ペーパーではさんでかぶりつくのだけど、食べても食べてもクリームがいっぱいだ。
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幸せなお腹のまま、駅に戻る。さて新幹線までどうしようかな、とうろうろしていたら、存外あっという間に時間が過ぎてしまって、あわてて荷物を持って新幹線のホームへ。
おわりに
観光がしたいわ!という人にとって何も参考にならないnoteになりました。でも、京都という街に住みたいわたしは、たった数日でも京都のひとみたいに過ごせて大満足。友だちと来ていたらできなかっただろうなっていう旅行になったのも、たいへんよかったです。
この旅行の中で読んだ本
『宇宙のあいさつ』星新一
『胃が合うふたり』千早茜・新井見枝香
『祝婚歌』谷川俊太郎編
『紅茶と薔薇の日々』森茉莉
『時の辞典』岡野大嗣
『日記の練習』くどうれいん
そしてほぼ9割BGMは、マユリカのうなげろりん!おかげでひとりなのにずっとにやにやしていました。ほんとうに楽しかった。
次はどこに行こうかな。