ipadは紙のノート代わりにならなかった
ipad pro 12.9インチ(2020年モデル)→ipad pro 11インチ(M1)→ipad mini6の順にipadを使用してきた。
Apple Pencilを使いノートアプリに書きなぐってきた。
2〜3年くらい。
そして、最近のipadはより書きやすくなる機能が追加され、盛り上がりを見せている。
スリープ状態からApple Pencilで画面をちょんとするだけで、純正のメモ帳が開き、すぐに書き始められる機能
ページのサイズに上限がない無限ノートアプリの誕生
よりシームレスにペンや消しゴムを切り替えられるApple Pencil pro
ただ、今現在、ipadで何か書いてメモすることはほぼしてない。
ipadが紙のノートの代わりにならなかった理由
どんなに頑張っても板に書いている
これが1番の理由。
紙のような書き心地にしてくれるペーパーライクフィルムや、ペン先を変えてみたり、いろいろ試したが、結局板だった。
本物の紙で書くと、「気持ちいいー」ってなるが、ipadでペーパーライクフィルムを貼った状態で書くと「(ガラスフィルムと比べたら)紙っぽい」って感覚だった。
板に書いている感覚がどうも気になってしまい、書くことに集中できない。
結果的に紙のノートと比べて、「書こう!」とか「書きたい!」って思わなくなってしまった。
書ける領域が思ったよりせまい
「ipad12.9インチはA4、ipad11インチはB5のサイズで書ける」、みたいなレビューをよく見かける。
ただ、使ってみると、実際にかける領域はもっと狭い。
ベゼル(周りの黒い部分)があり、アプリのツールバーがあり、残った部分が実際にかける領域だから。
なので、感覚的には、ipad12.9インチがB5、ipad11インチがA5サイズで書けるイメージ。
ましてや、Split Viewで画面を分割して、動画や本を見ながらメモする場合、12.9インチでも僕はきつかった。
この使い方をするなら、ipad or PCで動画や本を開き、紙のノートに書くほうがやりやすかった。
やれることが多すぎて考えることに集中できない
僕の場合、手書きで書きたいときは、うまく言葉にはできないことを、とりあえず書きながら整理したいときだ。
その前提でipadに書くと、ipadでは気が散る要因が多すぎた。
画面からの光
YouTubeやゲームなどのアプリの誘惑
書くスピードと画面に反映されるまでの時間の遅さ
また、意外に盲点だったのが、ipadの補正機能が邪魔だったということだ。
例えば、線を書いて、書き終わったら、ペンを離さず押したままにしていると、自動で真っ直ぐな線に補正してくれる。
ただ、この補正機能があるって思うだけで、「考える」より「綺麗にしよう」と思ってしまう。
紙で書くなら、綺麗さはどうでも良く、書き殴って、考えて、を繰り返せるが、
ipadで書いていると、いつの間にかノートを綺麗にまとめようっていう思考になってしまっていた。
手書きのメモを保存する必要性がなかった
先ほど書いたように、僕は何か考え事の整理として、書くことが多い。
なので、1回書いてしまえば、不要なので、デジタルで保存してる意味があまりないことに使ってみて気づいた。
意外にメモを探しにくい
ipadに手書きを保存するメリットの1つはデバイスに記録でき、いつでも見返しやすいことだと思う。
ただ、実際に見返してみると、デバイスの方が見返しにくかった。
紙のノートみたいに、「なんとなくここかな?」みたいな空間の記憶の仕方ができないから。
なので、デバイスだと検索で探すしかない。
ただ、僕の字は汚いので、検索に全く引っかからない。
※見返しやすさはAIに期待。
紙に比べたら重い
12.9インチはもちろんなのだが、ipad miniでも出先で何か書こうと思った時には重すぎる。
紙のノートや手帳の方がよっぽど瞬発性に優れている。
現時点の最新のipad mini A17proでもiphone16と比較して2倍弱の重さがある。
iphoneはまだ片手サイズでいいが、タブレットサイズでiphoneの2倍の重さのものをメモするために出したいかって言われると微妙。
無限ノートアプリも書いてる時のサイズは有限
ここ最近は無限ノートアプリがひそかに注目を浴びている。
Appleも純正のアプリとして「フリーボード」を出したくらいだ。
無限ノートアプリとは、かける領域が(ほぼ)無限ということだ。
紙のノートみたいに、「うわ、きり悪いのに次のページに書かないといけない」という感覚がなくなり、ノートのサイズを気にすることなく書き殴れるのがメリットだ。
ただ、結局ipadの画面上で見たり書いたりするので、見える範囲もかける範囲も有限。
というのが使ってみた感想だ。
もちろん、無限ノートアプリは拡大縮小ができるため、見渡せる範囲は変わるが、人が認識できる文字サイズには限りがあるため、見やすいとは思わなかった。
これだったら、複数のルーズリーフにメモを書いて、机に並べたほうが見やすい。
ipadの手書きと、紙のノートの手書き用途は別物
いろいろデメリットをあげ、ipadの手書きは何の役にも立たないように聞こえたかもしれないが、僕はipadの手書き機能にだいぶ助けられた。
それは、大学院の研究の時だ。
実験をする研究だったので、実験の条件などを細かく記録する必要があった。
その時、ipadで写真をとって、それをすぐにGoodnotesに取り込んで、メモしていた。
そして、実験ノートなので、何となくではなく厳密に詳細に記録する必要がある。しかも、ページ数も膨大だ。
そのため、ipad1つに保存できることも大きかった。
※検索に引っ掛かるように、手書きではなくテキスト入力で目印をつけるようにしてた。
こんな感じで、写真(デジタル)と手書き(アナログ)が融合するメモの場合は、非常に役立った。
実体験を通して、僕はipadの手書きが完全に紙を無用の存在にするとは思えなかった。
むしろ、書くという純粋な体験は紙のほうが良いと感じる。
ipadの手書きは紙のノートの手書きとは役立つ場面が分かれていると感じた。ipadの手書きは次のような時に役に立つと思う。
厳密に記録しておきたい
メモが大量にある
写真や動画などと一緒にメモを残したい
▼具体的な例
勉強:黒板を写真でとったり、授業のpdf資料などに対して注釈を入れながら授業ノートをとる
仕事:商品や店舗の内装など、オフラインのものに注釈を入れて複数人と共有するとき
プライベート:旅行の思い出を写真と手書きのメモで残す日記
実体験として、ipadの手書きは助かったし、役にたつ場面は大いにあると思う。
ただ、「あまり過度に期待するなよ」と、過去の自分に言いたい。