グチャグチャフィクション
心の突っかかりは取れない。
もっと、「大丈夫?」とか「頑張ってね」とか「気づかなくてごめんね」とか、言ってくれること期待してたよ。
結局自分がかわいいんだね。
自分がスッキリすればいいんでしょ。
死ねよ、とか普通に思っちゃうじゃんか。
死のうかな、とか頭の中に浮かんじゃうじゃんか。
楽になりたいな、なんて。
自分のアホヅラにかなしくなるよ。
なんで期待したんだろうな。
別にアドバイスとか助言とかそんなの求めてないから。
あなた達にはいつでも無条件に理解してくれる味方がいるけど、私にはいなかったし、今もいないよ。
自分の言いたいことは聞いてほしいのに、人の心の中を気にかけてはくれないんだね。
そんないい人の部分ばっかり出されたら、申し訳なくて、言えないよ。過去のことなんか。ちょっとの失敗なんか。
でも残るよ。小さい子どもには、親も人間だから、親も完璧ではないから、なんて分かんないもん。
誰にも言わないつもりだったよ。見せないつもりだった。
あなたが引き金を引いたんだからね。
あーなんで我慢できなかったんだろう。限界だったよ。どんなに息を止めても涙は出てきたよ。必死にティッシュで目頭を押さえても隠しきれなかったよね。
戻れるんなら戻りたいよ。我慢ができなくなる前に。
しんどいんだよ。これ結構。知らないでしょどうせ。
謝ってくれるかなって思った。
どうしたのって、聞いてくれるかなって思った。
大好きだからこそしんどいよ。いい親だからこそ問い詰められないよ。
もっと褒めてほしかったな、もっと気にかけてほしかった。怒られてる記憶と否定される記憶ばかり残ってるよ。小さい頃のことって結構しつこくこびりついててしんどいよ。
知らなかったでしょ。パワーアップカードなんて。全校テストなんて名前も。英検だって、知らなかったでしょ。
あなたが興味があったのは、点数を取る私でしょ。マラソン大会で一番の私でしょ。
あなたは、私には興味なかったでしょ。
「そんなことない。あなたは何でもよくできたから気にする必要がなかっただけだよ。」
そんなこと言うんだろうな。それは今の私が理解できても、過去の私は、小さい子どもはわからないよ。
些細なことで傷ついたよ。寂しかったよ。苦しかったよ。
私がなにに傷つくのか知らないでしょ?
だって頑張って笑ってたもん。傷ついてること気づかれないように。
私がなにに苦しかったのか知らないでしょ?
だってあなたは私が苦しんでることへの心配じゃなくて、「苦しんでる私を心配して苦しむあなた」がかわいそうなんだもんね。
私の心の奥がどうなってても、私の表面が元気ならそれでいいんだもんね。知ってるよ。
でもまさか、あんなふうに突き放されるとは、思わなかったな。もうちょっと心配してくれるかと思ったけど。
言おうと思ったよ。あなた達のせいって。
でもかわいそうだもん。
そっちはそっちでストレス溜まってて疲れてるんだもんね。娘のしょうもない性格なんかのせいで頭抱えたくないもんね。
言わないよ。大丈夫。
かわいそうだもん。
わたしはわたしでどうにかするよ。
だからどうか、その時が来たら勝手に死んでね。
私には隠れて死んでね。
もし知っちゃったら、かわいそうでお金とか介護とか頑張っちゃいそうだから。そんなのはまっぴらだよ。
毎日一人で言ってたよ。
誰か助けてって。
届くわけないよね。一人で言ってたんだもん。
でも気づいてほしかったな。
「親だから子どものことはよく分かる」
なんて言うくらいなら、気づいてほしかったな。
どうせ、分かんないんだから二度とそんなこと言わないでね。
愛してるよ。