わたしとSUPER JUNIOR

従兄弟のお兄さんの影響で子供の頃からロックが好きだった。YMOやラモーンズ、ピストルズ、ロキシーミュージック、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ビートルズを好んで聴いていた。小学生なのにませていた。歌謡曲やアイドルもずっと大好きだったけど、大人になって初めて渡韓して韓国映画を見始めるようになって、韓国のアイドルも好きになった。まず東方神起。その頃はまだ5人だった。いろんなグループを見てきたけどそれほどハマれるグループは見つからなかった。BIGBANGやASTRO、BTSも一時期聴いたりしていた。BTSはかなり聴き込んだと思う。
中略するけど、コロナで在宅で仕事をしている時にSUPER JUNIORというベテラングループに出会った。そもそもは13人いたらしい。いや、そういえば東方神起を好きだった頃にもこのグループを見たことがあった。人が多すぎる!と一瞥に付したあの時のグループだ。派生ユニットもいくつかあるらしい。覚えるのめんどくさいが第一印象。バラエティにもたくさん出ている。でも顔ペンになりたくないという謎のプライドでパフォーマンスを見ずにすぐに音源を聴き始めた。初めて聴いたのは『Renaissance』という10枚目のアルバム。韓国のアルバムは集って言うんだよ。10集。わたしは一度聴いたら忘れられない声の持ち主に出会った。イェソンというアーティスト。韓国語で「芸術的な声」という意味。彼らはSM Entertainmentという韓国最大手の事務所に所属しているんだけど、創設者のイスマン先生がそう名付けたんだそう。

まず惹かれたのは彼らの明るさ。コロナでみんながトーンダウンする中『House Party』という驚くほどポジティブでキラキラした曲をリリースした。かいつまんで書くと「会いたい気持ちを今は我慢してみんなで乗り越えよう 僕たちはみんな一緒だ 耐え抜けると信じよう」って内容。かいつまみすぎ。全くしんみりしてなくてとにかくキラキラしていた。目がつぶれると思った。10集は明るいだけではない何だかダークな世界観も併せ持っていてSUPER JUNIORというグループの底の見えない魅力がたくさん詰まったアルバムだった。

そのあと2022年7月に11集のTHE ROAD(二部作のうちのvol.1)が発売されて、2022年8月ヨントン(영상통화 ヨンサントンファ カカオトークを使用したビデオ通話のオンラインサイン会)に当選してしまった。まさにビギナーズラック。アイドルとお話しするなんて経験がなくて繋がった瞬間、準備していたことがホワイトアウト。とち狂ったわたしは咄嗟に「韓国語で可愛い響きの名前を付けてください」と伝えた。10秒ほどうーんと悩んだイェソンさんは閃いたというような表情をして少し微笑みながら「기쁨」という名前を私にくれた。きっぷm。最後はンじゃなくて口を閉じてmの発音。喜びとかうれしいって意味。そんなペンサある???かわいすぎるよ……頭からっぽの2分32秒が終わったあと、床に突っ伏して泣いた。2時間ほど泣いていた。そういうお気持ちでこの先の人生を生きていいってことだよね?あとから届いた本名(フルネーム)入りのサインCDよりも何よりもそんな素敵な名前を与えてくれたイェソンさんの心がピュア過ぎて宝物。一生推せるし寿命が延びた。

その秋にはイェソンさんが所属するKRYというユニットのメンバーのRであるリョウクちゃんのソロコンサートへ行った。SUPER JUNIORのメインボーカル三人衆のうちのひとり。とても可愛くて王子様のような見た目からは想像がつかない程パワフルな歌声に鼓膜と空気が震えるのを感じた。と同時にSUPER JUNIORのお兄さんたちは実在するんだと改めて感じた。それがSUPER JUNIOR関連での最初の現場。初めてたくさんのE.L.F(ファンネーム:Ever Lasting Friends)にご挨拶させてもらった。
2023年3月には待ちに待った2022年7月にスタートしたワールドツアーSUPER SHOW9(略:スパショ)の最後の最後、本国アンコールコンサートの前、東京というか、埼玉のベルーナドームに彼らはやってきた。どれだけ待たせるのか。スパショ9の感想はまた長くなるのでとりあえずここまで。