
ギルティクラウン Everlasting Every Days 2話 (二次創作)
東京都内ビルの一室。
真っ暗な大きな部屋に一人の男が、一画面しかないスマートフォンタイプの携帯型通信端末を右手にとりながら、電話越しの相手と話している。
いつの間にかガラケーから機種変をしていた。
ビジネスデスクと、携帯型通信端末の充電器、ぼんやりと光る白熱灯に、卓上に置かれた30ページ程度に及ぶ書類の山。
そんな中、この場所にいた男の独壇場が始まった。
「どうですか?この甘ったるい世の中は…。」
「GHQさえも撤退したこの地には、安息が、平和が、救いがある」
「……しかし、今のこの事象は脆い幻想に過ぎない。…私はそんな風に思います」
「つまらないじゃないですか。こんな世の中。…ならば、このつまらない地を、再起させなきゃいけない。黙示録を手本としてね。」
「再起させ、拡張し、巨大化させる。…そうすれば、この東京の地を変革し、少しでも面白いものに変えていくことが出来るでしょう」
男は薄く笑みを浮かべながら、卓上の書類に少し目を通す。
「もういちど、あの光をみるために」
男は左手を頬に当て、しばし考えている風な姿勢になると、もう一度話し出す。
「そのために、”楪いのり”の復活が最優先事項です。あの少年を、舞台に引き戻す道具として」
先程まで読んでいた書類を閉じると、男の顔が笑みを浮かべた不可解な顔になる。左右不対称な色の目は大きく見開き、紫色の口は裂け、スマートフォンタイプの携帯型通信端末を強く握りしめながら、まるで劇を終えたばかりの道化師のように。
「集くんも……、喜んでくれるでしょうから。そっくりさんの登場に」
笑いながら、言った。