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企画コンペを終えての反省と成果
前回の記事で書いた販促コンペの今年版がありまして、今年も合間縫って制作して、無事提出しました。
「たかがコンペじゃん」って思うかもしれませんが、
ちょっと最近周りが有名どころの広告コンペ(一般公募・企業公募ともに)でドカドカとグランプリやら入選やらしているので、正直焦ってます。
この業界、いかにスキルがあっても実績を求められる厳しい業界であるということは、肌で感じてます。
が、今回提出した企画については、最後の方でちと芯がブレてしまいまして、、、まとまりはしたものの、意志の弱さの克服も課題かなと思いました。
もちろんグランプリを狙うぞー!とは言ってみるものの、そんなに甘いもんではないのは百も承知なので、次に向けて一旦今回学んだ方法論をまとめる機会にします。
今回学んだ&出会ったことはデザイン全般する上で大事かなと思うので、復習がてらに、自戒の念を込めて綴っていきたいと思います。ので、私情入って読みにくい点はご了承くださいませ。
1.下準備
デザインする前に徹底的に調べる。最低でも16ページ前後のパンフレットがつくれる程度は調べる。200ページ前後の書籍ができる程度まで調べられたら最高。調べることで知識が集積し、自然とデザインの正解へと導いてくれる。プレゼンも、ただ研究発表するだけで済む。近道なのに、知識欲も満たせる。
— good design company (@g_d_c) May 16, 2019
good design companyの水野学さんの言葉。
この言葉と出会ったときハッとした。
僕は前職であれだけやっていた資料探しを、中途半端な実力に過信してサボっていたのだ。
余談ですが、前職での下積み時代にひたすらやらされていた資料探し、僕は好きでした。
デザインをさせてもらえることは少なかったけど、広告ビジュアル探したり、企画事例探したりすることで「へぇこんなの世の中にあるんだ!」と感銘を受ける日々でした。
方法論や実力、というのももちろんありますが、
こういった「普段暮らしていても触れる機会のない情報」に触れられることは、新しいアイデアと出会うチャンスなのかもしれないなと改めて思いました。
水野さんのおっしゃる「デザインする前に徹底的に調べる。」というのはクライアントやサービスについて調べるだけではなく、競合やその周辺のサービスやプロジェクトなどの事例まで全方位で、という意味ではないかという解釈です。
それに加えて自分なりの分析を持ってこれたら、とても役に立つ資料が出来上がると思います。
2.インプットの数を増やす
これは嶋浩一郎さんの本「アイデアはあさっての方向からやってくる」を読んで思ったことなのですが、
嶋さんは毎日新聞を五紙は読むように心がけていて、そして「ムダ収集」と称して自分の気になるコトや琴線に触れたコトを日常的にメモしているのだそう。しかも1冊に約1000ネタ書かれているノートを1年でノート10冊分、1ヶ月平均0.85冊なので約900個のネタ=1日平均30個のネタは収集しているということになります。さらにさらに、メモ書きして選抜落ちしたネタもあるのだそう。。
日々いかにアンテナを張っているのかが伺えます。
僕も嶋さんのこの言葉を受けて(嶋さんのレベルには到底たどり着けないですが)ムダ収集を始めました。
新聞五紙分も日々買う余裕がないので← 職場近くの図書館によく通うようになりました。
先ほどご紹介した「下準備」にもつながることなのですが、図書館には2ヶ月分の新聞のストックがあるので、ネタ探しするときにはwebで無作為に情報を集めるよりも横に広い情報が得られると思います。
3.散在したアイデアから掬い出して広げる難しさ
アイデアを考える時、僕は割と「置き換え」することで課題と結びつけることが多いことに気づきました。
雑誌や新聞のように横に見ていく読み物が割と多いです。縦だとなぜかあまり情報が入ってこないんですよね。なのであまりwebは頼りにしたことがないです。
紙に単語を書いては組み合わせて、いいなと思うものを正方形の付箋に大きく書いて貼るという方法でアイデアを増やしていきました。
でも、これって貯まっていくだけで、これ以上深くは掘り下げられないんですよね。
ある時、信頼している先輩に話す機会があって、アイデアの断片を話すと、そこでようやくアイデアが広がって、少し自信をもって進めることができました。(改めて書くと、相談に乗ってくれる人がいるって、ほんとありがたい、、、泣)
で、その時に言われたのが、
「じゃあ、そのアイデアを真ん中に書いて、一枚のシートにまとめてみ。」ということ。
言われた通りにA4横のコピー用紙の真ん中に「アイデアのタイトル」をドンと書き、その説明も書く。
で、その左には「課題(クライアントの概要や悩みなど、オリエンシートをまととめたこと)」、右には「目的(アイデアがどう効果するのか)」をそれぞれ箇条書きにする。するとあら不思議、自分のアイデアの可能性が、すっきりまとまるのですね。
もちろん、無理やり書ききるんじゃなく、書いてる途中でアイデアを棄ててもOKだと思います。
これが「アイデアの可能性をまとめる」という作業。
なるべく早い段階でこれをやるのをお勧めします。
A4シートにまとめる内容はこんな感じ。
4.文章にするって超大変
人にアイデアを伝える方法としての企画書。
いい企画書をつくろうとするときに大事な言葉。
…その言葉を探そうとしすぎると足元を掬われることに気づきました。
そもそも「いい企画書をつくろうとする」のが間違いなんですよね。
先の水野学さんの言葉にもあるように、
プレゼン(企画書)は想いを伝えればいい、というのを最終目標にした時に、言葉でわざと着飾らなくてもいいし、素直に伝えればいい。
それをわかってはいるものの、実力がない人(自分のこと)ほど、なんだか遠回しに言ってしまったり、本末転倒なこと言ってしまったりするもんです泣
今回もアイデアとキービジュアルのイメージが固まって、企画書にして先ほどアドバイスしてもらった先輩に持って行った時、約半日かけて作ったものを一瞬で没くらった時は立ち直れなくなりそうでした。。。
5.先人たちの知恵を借りる
その後、何が足りないのか?何と言えば伝わるのか?を考えました。
するとふと、ある「名コピー」が頭をよぎり、今回の企画と近い感情にあるのではないかと思い、調べました。
それが児島令子さんの名コピー
「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」です。
目を引くキャッチコピーと胸打つボディコピー。
いいコピーライティングは、その背景を想像させるのがとても上手。
この人(企業)はどういう立ち位置からこの言葉(キャッチコピー)を伝えてるんだろう?と分析すると、伝え方が見えてくる。その伝え方の知恵を借りるわけですね。
(あくまで伝え方の順序を参考にする。文章をそのまま借りてもチグハグなものになってしまいます)
今回の企画書はこの名コピーを参考にして骨組みから作られたと思ってます。
またまた余談ですが、
RHYMESTERの宇多丸さんもリリックの中で「ご先祖たちの探求に一個付け足す独自のブランニュー」と言ってました。ほんとにそう。ただでさえ飽和してる世の中に真新しいものを求めすぎるとかえってアイデアが狭まってしまう。ya。
6.そして言葉は文章へ
文章にするための言葉を引っ張り出すためのトレーニングというのを、梅田悟司さんの言葉をヒントに実践しました。
いい言葉を生み出したい、という気持ちを一度忘れ、自分の中にあるタネを掘り起こす作業。
この過程をすることで、「あ、本当に自分が考えてたことってこういうことだったんだ」
という内にあるものが可視化される。企画書を作るうえでも変に遠回りせずに最短距離で伝えられることができたように思います。
内容をここに綴ろうと思いましたが、ちと長文になりそうなので、今回は割愛します…。
梅田さんの著書『「言葉にできる」は武器になる。』を気になって購入したので、読んだらレビューしようと思います。
7.念願の企画書完成→絶望w
冒頭にも「最後の方にブレた」とつづりましたが、それがここです笑
提出3日前にようやく企画書の全貌が完成したので、ドヤ顔で他の先輩に見せに行ったのですね。
そしたら「全然企画になっていない」と。
色々意見も聞きました。自分だったらこうする、というのも含めてアドバイスも頂きました。
そこから代案を半日再考した上で、やはりこのまま企画を変えずにいこうという風に決めました。
今まで成熟させてきた考えを曲げることができなかったのです。
とはいえ、その先輩の仰っていたこともわかります。すごくわかるのです。次企画する時、その考え方を持って実践したいなと思うくらい。
その方曰く、
企画やコピーを書く時は「こういう風に思っている人たちっているよな〜」と限定的に考えるのだそう。
抽象的ではなく、ビジョンをグッと狭めてあげることで、芯がぶれないのですね。
思えば去年の「はじまりの演奏会」も気づいたらビジョンが狭まっていた。だからある人には感動してもらえたのかも。
8.まとめ
方法論とかメソッドとか言うとなんだか胡散臭いですが← やりたいことを挙げると色々と時間がない!
なるべくなら短い時間で数多く、けれども質の高いものがあれば便利だよね、っていう考えです。
企画をなる早で固めて、グラフィックの精度を高めることが、今自分にとっては一番必要なスキルです。
まだまだ道は険しいですが、何かグランプリ獲るまでは終われない!
今まで何かでグランプリなんてとったことが無いけど、地元に戻ってもデザインで飯を食うためには必要なことだと思ってます。がんばろう。
長くなってしまいました。
お付き合い頂き、ありがとうございます。
ではでは。