「サービス」は「無料」ではない。手数料は当然。
日本人は「サービスは無料だ」と思う傾向があるようですが、サービスの生産にはコストがかかっているのですから、当然にその分のコスト分は受益者が負担する必要があります。
銀行は、口座を持っていない人に両替をしてあげるのに、無料である必要は全くありません。「両替してあげたから、我が行に親しみを感じて、口座を作って下さいね」などと言っても効果は薄いでしょうから。これまで、「あの銀行はガメツイ」という悪評が立つのを恐れて無料にしていたのでしょうが、「背に腹は代えられない」というわけでしょう。
全部の銀行が一斉に手数料を取るようになれば、「銀行がサービスの料金を取るのは当然だ」と人々が思うようになるかも知れません。そうなれば、銀行の手数料体系が合理的になるでしょう。そして、そうなる可能性は低く無いように思います。「他行が手数料を取るのに我が行が取らなかったら、迷惑な両替客が我が行に殺到しかねない。我が行も取ろう」と考える銀行が多いはずだからです。
「口座を持っている人には無料」というのも、変わっていくかも知れません。「口座だけ開いているが残高が少ない客」は、銀行にとって赤字要因だからです。こちらの方は、むしろ「残高の少ない口座は、毎年500円の口座維持管理手数料を頂きます。残高ゼロが10年間続いたら、預金口座を閉鎖させて頂きます」という方向になるような気がしますが。そうなれば、「休眠預金」の問題も大部分は解決するでしょう。
「多くの銀行に残高の少ない口座があるが、面倒なので放置してある」という客は多いでしょう。それが銀行に迷惑をかけている、という認識も、普通は持っていないでしょう。その事を人々に知ってもらうだけでも、預金口座維持管理手数料の導入には意味があると思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24823390Z11C17A2MM8000/
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