戦略的なんとかについて
ビジネス関連のかっこいい話を読んでいると「戦略的なんとか」という言葉がよく出てくる。戦略的思考、戦略的商品展開、戦略人事、などなど。
私は、この「戦略的なんとか」という言葉を見ると、「この人は、どういう意味で”戦略”と言っているんだろう」と知りたくなる。もっと言うと、何が戦略的で、何が戦略的でないのかよくわからないことが多い。ほとんど「短期ではなく長期のことを考えましょう」という意味で使われている感じがする(独断と偏見)。
私も戦略なるものについて明るいわけではないけど、戦略に関する説明でこれまで一番しっくり来てるのは、内田和成さんの論点思考か仮説思考に載ってた話だ。
正確な記述とは異なるけれども「戦略」はどこに行くか(Where to go)の話、「戦術」はどういくか(How to go)のことだ、という区分で説明されていたと記憶している。
戦略が適切であれば、戦術が下手でも望ましい結果に辿り着くけど、戦略が間違っていればいれば、いくら戦術が上手でも望ましい結果には辿り着かない。
東京から、北海道に行くのか、福岡に行くのかを決めるのが「戦略」。
北海道に飛行機で行くのか、新幹線で行くのかを決めるのが「戦術」。
とても分かりやすい。
受託開発じゃなくて、自社プロダクトのSaaSで行くぞ(そのためには売上の割合はこうだ)と決めるのが戦略。
その売上割合を達成するために、こういう提案をしていくぞ、というのが戦術。わかりやすい。
キャリアで言えば、将来独立する方向に行くぞ、と決めるのがキャリア戦略。そのためにこういう経験を積もう、というのが戦術かな。
こうやってよく考えてみると、案外、戦略的=長期的という見方は合ってるかもしれない。戦略的のほうがかっこいいけど。書いててすっきりした。
なお、元自衛官的には、戦略、戦術とくれば、もう一段下に「戦闘戦技」がくる。商談で言えば営業トークの方法とか、プロダクトのデモンストレーションの方法とか。北海道に行く話で言えば、乗り継ぎがうまいとか、どこで昼飯食べると時間効率がいいか、とかがうまいって感じかな。ここまでぜひ言及してほしいと思う。
そして、やっぱり会社における職位が上がれば上がるほど、戦略的=長期的な目標と、それをどうやって実現するのかを=戦術を示すことが求められるとも思った。多くの場合、戦闘戦技が上手な人が昇進して管理職になるんだけど、求められることが全然違う。
戦略的なんとか、について考えをまとめたいと思って書き始めたけど、こんな着地になりました。駄文にお付き合いいただきありがとうございました。