「こうだったらいいのにな」を実現する
2021年26/100冊目。未来を実装する。
とっても良本です。技術的なイノベーションは、イノベーションをそのものだけでなく、社会に実装しないとあんまり意味がないんだけど、その社会実装そのものがとっても大変です。「そんなものなくたって今は十分幸せだよ」と言ったりして、新しいものをなんとなく拒否することありますよね。
でもそれじゃ世界は変わらない。そのために、社会実装の方法をそのものにも改革が必要で、その方法を説いている本です。
中身としては、そういう社会実装に対する根本的なデマンド(要求)がある前提で、インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキングが大事、というお話です。
細かい部分は書籍に譲りますが、自分がいいと思ったアイデアを、社会という大きな枠組みだけではなく、自分が所属している組織などに導入するときにも同じように考えれば良さそうだね、という意味で、誰にとっても有用な書籍なんじゃないかと思います。
「社会実装」なんて言われると壮大な感じがして、自分には関係ないと思っちゃうかもしれませんが、そんなことはないです。
例えば、僕はコーチングをやってるので、「社内にプロコーチを置きたい!」なんて思うわけですけれども、それを会社に実装するにはどうしたらいいんだろう、というアプローチを考えるうえでとても参考になります。
プロコーチを置くことでどんな大きな変化が起きて、理想の状態になるんだろう?(インパクト) →社員ひとりひとりが、本当に自分のやりたいことをを自覚しながら仕事をしたり、いろんなひっかかりにうまく対処しながら、成果を作り出せる会社にできそう。
それを実装することでどんなネガティブな事態が想定されるんだろう?(リスク)→ 自分がやりたいことが今の会社では実現できないことがわかって、やめちゃう人も出てくるかもしれない。コーチの数が十分じゃなければ、受けられる恩恵に大きな差が出てくるかもしれない。
それらを適切に管理し、モニタリングするためにどういう仕組みを作ればいいんだろう?(ガバナンス)→ 起きてしまうことは仕方がないけど、そういう兆候が表れたことを、コーチから報告するのではなく、マネージャーによる面談とか、エンゲージメントサーベイなどからわかるようになるといい。そういうことを感知できるよう、1on1を制度化したり、1on1に対するトレーニングをしたり、情報共有の仕組みを作ったりする必要がありそう(コーチからは守秘義務の関係で共有できない)
その素敵な世界があったらいいよね、という世界や、今の課題感を関係者とどうやって作っていこうかな?(センスメイキング)。→ナラティブやデータの活用など、やれることはいろいろある。このあたりを根気よく共有していくことが大事そうだな。スモールスタートでちょっとずつ実績出していくのもよさそう。
こういうアプローチをちゃんと整理しておくことで、独りよがりの提案じゃなくなるんじゃないかな、と思ってます。まだまだ上記では不十分かもしれませんけどね。
いかがでしょうか?皆さんも、「こういうことが当たり前になればいいのになぁ」ということが少なからずありませんか?そういうことを実装したいと思いませんか?この本は、その実装に必ず役に立つと思います。
あ、「そもそも私ってなにやりたいんだっけ?どういうことを実現したいんだっけ」ということがわかんなくなってきたり、もやもやしたりしてる人もいると思います。そんな人にはコーチングがおススメです!