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コンフォートゾーンから出ること自体を目的にしない

早いもので三が日も終わり。年末年始休暇、旅行に行かない僕にとっては、ちょっと長いな、と思ってるんですが、皆さんどうなんでしょう。僕は、ほかの時期にまとめて休みたいです。

さて、今日はこちら。2021年2/100冊目。

出願されただけで、審査されてないもの、特許としては認められていないものも含みますが、いわゆるオモシロ特許がいろんな側面から紹介されてます。永久機関作っちゃった系(もちろん不完全)の話とか、全宇宙の万物すべては俺のもの、みたいなトンデモ申請から、なんでこんなものの特許が承認されてるんだろ、みたいなものまで幅広く。

オモシロだけで終わるんじゃなくて、ちゃんと「なんでこれがダメなのか」のあたりをうまくフォローしてくれるので、ちゃんと特許に対する理解が深まる本でした。情報自体はちょっと古いんですけどね。視野を広げるにはとってもいい本だと思います。

で、読みながら考えてたこととしては、自分たちが触れてる世界って、やっぱりほんの一部なんだよね、ということ。上記のようなトンデモ特許を申請するような人が世の中にはある程度いるんだけれど、普段の生活ではなかなか出会わないから、いないかのように思ってしまう。

インターネットサービスの会社に勤めてて、東京23区内在住で、妻と2人の子どもがいて、コーチングやって、って生活してると、そういう世界と共通項の多い人たちとのつながりがどうしても多くなります。

だから、その世界のひとたちとは、共通言語もたくさんある。似たような常識感覚を持ってる。おかげで、あまり余計なことに頭を使わなくてよくなる。「これはこういうものだよね」という土台が一緒なので、そこの確認をすっ飛ばしてコミュニケーションすることができる。これはとてもストレスがなくて、安心な世界。いわゆるコンフォートゾーンとも言えるような領域。

でね、「コンフォートゾーンから出ないといけないぞ!」という強迫観念みたいなものが、今の世の中結構あると思うんです。成長しないといけないぞ、って言われるし。現状維持は衰退だとか言われるし。

この「コンフォートゾーンから出ないと成長なし」は間違ってないんですけど、注意が必要だと僕は思ってます。それは、「コンフォートゾーンから出ることが目的になってないか」「出ていった先は、目的に適った場所なのか」ってこと。

まず前者。コンフォートゾーンから出ていくことって、それ自体が目的じゃないはずなんですよね。"成長とか変化を起こしたいから、大変なのはわかってるけどコンフォートゾーンから出ないといけない"。これが健全な状態です。

でも、やれ個人の時代だとかなんとか言われるじゃないですか。エンジニアは永遠に新しい技術に触れていないと価値がないんだとか言われるじゃないですか。営業は常に前期よりも高い目標を達成していかないと終わりなんだ、会社は成長し続けないと死ぬだけなんだとか言われるじゃないですか。

そういう外野の声に乗せられて、自分ではあまり考えずにコンフォートゾーンから出ちゃうと、がんばり切れないと思うんですよね。だから、自分の意志で、何のためにコンフォートゾーンから出てるか自覚してること、コンフォートゾーンから出ることは手段の一つでしかない状態になってること、が大事だと思ってます。

続いて後半の話。目的の話とも近いんですけど、「そこに出ていくことが目的に適うのか」ということはとっても大事。だけど、コンフォートゾーンから出ていくこと自体が目的だと、これを見誤っちゃう。自分の意志で出てもないのに、さらに行っても意味ないところだと、つらいですよね。

今回の本でいえば、こういうトンデモ特許を出すような人に直接連絡を取って取材する、とかですかね。たぶん、コンフォートゾーンからは出られるんですけど、自分の意志じゃないし、行きたいところでもないから、つらいだけになっちゃう。

でね、最後に、これが一番大事なんですけど、やたらと「コンフォートゾーンから出るのが大事だ!」って言ってる人には近づかないほうがいいですよ。起業しろとか独立しろとか言ってくる人たち。ブログで飯を食おう、とか、学歴なんていらないって人も似たような種族です。そういう人は、だいたい自分の商売のために言ってます。こういう人の口車に乗ると、不幸な未来しか待ってないので、十分気を付けましょう。あくまで自分の経験からのことばですけどね。

あ、「自分の意志でコンフォートゾーンを出ないといけないとはわかってるんだけど、なかなか出られない or ほんとに出ていいのか自信が持てない」みたいな状態にある人は、たぶんコーチング役立ちます。



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