働きながら学ぶことが普通になる日
以前、「新卒一括採用を続けるべきか否か?」の中村さんによるご意見募集にもコメントさせていただきましたが、経団連による就活ルールの廃止方針の打ち出しは、単なる採用活動の時期の話というよりは、これまで常識とされてきた「中学卒業→高校卒業→大学卒業→就職」という時間軸を崩すほどのインパクトがあるような気がしています。
大学で卒業証書を受け取った後の4月1日から会社で働きはじめるという従来の時間の分け方が、今後も日本に残っていくとは考えられないのです。
そんなことを思案していたところ、東洋大学で大学職員として働きながら学ぶ制度が設けられていると知りました。
この制度は、出発点が東日本大震災を受けての学生の進学支援制度ということで、大学自身が学生に職場環境を提供するプログラムとなっています。しかしこうした動きは、大学内でクローズするのではなく、今後民間にも浸透するだろうと個人的には考えています。その結果、新卒一括採用・インターン・経験者採用の垣根が消えてなくなっていくようになる、とは考えられませんでしょうか。
なぜそのように考えるかといいますと、当地ブラジルでは様々な事情から昼間は働いて夜間は大学で学ぶ「苦学生」が多いことに加え、新卒一括採用制度が存在せず、働き始める時期が人によりまちまちだからです。決してブラジルがこうだから日本もそうなると決めつけるわけではありませんが、最近の日本の動向には、聞けば聞くほど当地の現実に近づいてきていると思わせることが多くあります。
ちなみに、日本のラテンアメリカ・ウォッチャーの間では、「日本のラテンアメリカ化」という言葉もあるそう。その意味するところも、いずれもっと詳しく聞いてみたいとも思っています。
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