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ギャンブルにおける数学的な理解の基礎となるものが「期待値」と「控除率」の関係である。期待値とは、1回の賭けに対して平均して戻る割合であり、通常はパーセンテージ、%として表しています。
例えば1回の賭けに1000円と投じて850円戻るならば「期待値」は85%となります。すなわち{850円÷1000円}×100%であり、このゲームにおける控除率は15%となります。
数学的な「期待値」とは、この説明の通り「主催者」にとっての「期待値」であり、馬券を買う側にとっては必ず「マイナス」となります。主催者は競馬を開催するたびに、売上金全体の「25%」が確実にもうかるという事であり、馬券の購入者は確実に「25%」ずつ損をし続けるという事が「数学的」な競馬の理解となります。
「控除率」という言葉だけが競馬ファンには馴染みのあるものですが、これを「中央競馬会」が売り上げから天引きする割合と捉えては「ギャンブル」の数学的理解としては間違いです。
オッズを利用してレースごとの回帰分析を行い馬券の期待値を求めようとする「購入必勝法」など耳にしますが、この期待値はオッズにビルトインされている「25%」を完全に除去できない限り意味のない期待値です。そしてビルトインされている「25%」は絶対に除去できません。
前項(§確率Ⅱ)で紹介した「●と〇」のコインゲームを具体的に競馬で考えてみましょう。
5頭立のレースがあり単勝馬券だけで考えてみます(本来これ以外の馬券は単勝よりもさらに主催者の儲けが大きくなります)
1シロウマ 700票 11,420円(114,2倍)
2クロウマ 10,000票 800円(8.0倍)
3アカウマ 30,000票 260円(2.6倍)
4アオウマ 50,000票 160円(1.6倍)
5キイロウマ 9,300票 860円(8.6倍)
上記のレースでは100円の馬券が10万枚、1000万円の売り上げがあったものとすます。そして控除率は20%で割り戻しを組み込んだ日本中央競馬会と同じものとします。
左から馬番号、売上票数、倍率です。
1番の馬の売上が低く配当は万馬券、4番の馬が1番人気で1.6倍であります。
オッズのつけ方は日本中央競馬会と同じ「パリミューチェル方式としていますので、オッズには20%の控除率がビルトインされています。これを主催者側からみると、どの馬が勝っても期待値は「80%」という事になります。要するにどの馬が勝とうが、主催者は既に200万円の利益を上げています。
しかし馬券を買う立場から見れば、4番の1番人気を買えば配当は1.6倍。1番の万馬券を買えば配当は114.2倍となるが、この馬が勝つ可能性はオッズ上114回に1回の可能性でもあります。
そして1番人気の馬のオッズは実際にはさらに20%売れているはずであるが、配当は1.6倍しかない。また●〇コインの確率が示す通り、4番の馬は前のレースで既に1着となっている場合、数学上このレースでも4番の馬が確率は「1/3」で配当の1.6倍を借るかに下回ります。しかもこれは1点で購入した場合であります。2頭3頭購入すれば「期待値」は更に下がります。
また実際のレースにおいては出馬表の数はもっと多く、オッズの分散は更に激しくなります。競馬ファンはこうしたレースを1日に1場およそ12回用意された開催で馬券を購入しています。日本中央競馬会における「控除率」25%が、馬券で利益を上げようとする時いかに「絶望的な」数字であるかお分かり頂けたかと思います。
1レースごとに25%の利益をあげる「期待値」が、いかに莫大な利益を生む仕組みとなります。さらに日本中央競馬会では10円未満の配当を切り捨てており、これによる利益は競馬会が何の根拠もなく持ち逃げするお金でもあります。
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