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タイトル「大数の法則」を理論化した数学者は「ヤコブ・ベルヌーイ」彼は「微分 積分」を初めて確率論に応用した学者としても知られています。

オッズにビルトインされている「25%」の控除率がいかに不利益であるか、もう一度この話を続けてみたい。
仮に単勝のオッズが2.0倍の1番人気があったとします。
パリミュチュエル方式の場合、この馬券には全体の37.5%程度の投票が集中していることになります。
この1番人気を購入して、どれくらいの確率で「2.0倍」の払い戻しを受けることができるだろうか。
その答えは。
62.5%の確率で馬券はハズレます。
2.0倍の単勝馬券とは、約6割がハズレて紙屑となるのに対し、的中しても2倍にしかならない馬券となります。
これは、たとえそれが「10倍以上」の馬券であったとしても同じ事であると数学が証明します。

1万円の資金を16万円に増やしたいと考えた時、以下のどちらが成功する可能性が高いか。
(1) 40%の確率で勝つと思われる「2.0倍」の単勝馬券を続けて4回的中する。
    (2万→4万→8万→16万)
(2) 30回に1回しか勝つことができないが「16.0倍」の単勝馬券を1回買う。
答えは
(1)の場合の可能性が2.56% (0.4)×(0.4)×(0.4)×(0.4)×100%=2.56%
(2)の場合の可能性が3.33% (1÷30)×100%=3.33%

どちらも1点で購入した場合の確率です。
そしてどちらも無謀であるが、あえて選ぶならば(2)の方がわずか0.77%可能性が高い。

96.67%の可能性で「ハズレる」ますが、ベルヌーイの言う「大数の法則」とは、簡単に言えば次のようになります。
「個々の予測は極めて困難であっても、充分に多くの試行がなされたならば、全体的な分布はかなり正確に予測しうる」という事です。

残念ながらこの数学法則は、「競馬ファン」にとって当り馬券を予測するための数学法則とはならないが、日本中央競馬会にとっては非常に重要な数学の真理となります。
ギャンブルの胴元が「控除率」を設ける事により、確実な利益をあげて行ける仕組みは、全体の総数が重要な役割を果たしているからです。

何故なら、多くの人々が一定の金額を「多くの回数」賭ける事により、その結果は予測可能な分布へとして収束してゆくからであり、特定の個人が少々派手に勝とうが負けようが、全体の分布は必ず一定の計算値へと収束していきます。
これが「大数の法則」である。

「大数の法則」は競馬ファンにとって非常に不利な数学の真理です。
なぜならば、充分な回数とは「たくさんのレースの馬券を買う」という意味ばかりではなく、「たくさんの点数の馬券を買う」にしても同じ現象が起きるからです。
日本中央競馬会の馬券販売戦略は確実に「たくさんの点数の馬券を買う」方向へと競馬ファンを導いてきました。
馬券売上の主力は「最大36通り」しか存在しなかった枠番連勝複式から馬番連勝複式(18頭立て 153通り)へ。
そして3連複(18頭立て 816通り)から3連単(18頭立て 4896通り)へと拡大しています。

高額配当馬券は「多点数買い」に対する競馬ファンの抵抗心理を巧妙に破壊しました。
しかし、いくら高額配当であっても当たらない事は同じであります。競馬会は今、さらなる高額配当馬券として「重勝式馬券」を解禁しました。
それは競馬ファンにとって「大数の法則」へと近づく、さらなる一歩でもあります。

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