LUNA SEA / ERA TO ERA 石川公演
LUNA SEA(以下、「LS」と表記)の35周年記念ツアー第2弾「ERA TO ERA EPISODE 2」石川・本多の森 北電ホール公演が8月3日にあった。
LSが石川で初めて単独公演を開いたのは、1991年の「UNDER THE NEW MOON TOUR」。かなり古い付き合いだ。初のテレビ出演を果たしたのも、実は石川のローカル番組だったという。しかも、終幕を迎えた「THE FINAL ACT」(会場 : 東京ドーム)の前に、最後の地方公演としてライブを行ったのも、実は石川。
そう。LSと石川は縁が深いのだ。
演目は「MOTHER OF LOVE,MOTHER OF HATE」。最高傑作の呼び声高い「MOTHER」のリリースツアーを再現する。
REBOOTちょい前からSLAVEになった身としては、収録曲たちは「遠い憧れ」のような存在。でも、今回はその曲たちが(「FAKE」以外)まとめて聴けるということで、新旧MOTHERを代わりばんこに聴き、ミルフィーユのように細胞浸透させた上で臨んだ。
1曲目は必然の「LOVELESS」。
聴く者を星の泉へと誘う神聖な曲。「LOVELESS」を演奏するLSって、この世に実在したんだ...。あまりに神々しいから、CGかなんかだと思ってたよ。
2曲目は「PRECIOUS...」。
INORANのアルペジオからは、幾億の星々が銀河を疾走する様を想起させられる。ギターソロでは、SUGIZOがめちゃくちゃ良い音を鳴らしていて、脳髄が震えた。
ここで気になったのがRYUICHI。
序盤ながら、マイクを口元から離す場面が多々見られた。
大丈夫か、RYUICHI。喉の調子はどうだ。
キツい部分はオレたちに任せてくれよ。
今まで散々、RYUICHIの声に助けられてきたんだ。今度は、オレらがRYUICHIを助ける番だろ??
( ゚д゚) 〈〈〈だ、い、さ、ん、のコトバァアアアアアア!!!!!!
「FACE TO FACE」は冒頭、Jの"ベベベベベベン"が炸裂。筆者はあれを"血管が脈打つ音"だと解釈しているが、みんなはどう思っているのか。INORANが暇そうに両手をギターから離す姿に、hideを思い出したのは筆者だけではないだろう。
「CIVILIZE」では、あの意味不英語もやった。(たぶん「明日、世界の終焉を目の当たりにするがいい...」みたいなことを言っている)。歪なシバライズ。「GENESIS OF MIND〜夢の彼方へ〜」はSUGIZOがギターを一音一音、祈りを捧げるように弾いていたのが印象的。中盤、INORANのアコギで天に召されたのは、言うまでもない。
真矢タイムを挟み、第2部スタート。
「FATE」ラスト、真矢のキックがエグい。
人間の脚って、どうやったらそんな動きができるんですか??
「AURORA」では、約2000人のSLAVEたちが稲穂になった。
「IN FUTURE」「BLUE TRANSPARENCY」はどちらもヘドバン曲。バンギャ気分で、周りのSLAVEたちと一心不乱に頭を振り乱す。わし、男やけど。
みんな大好き「ROSIER」で本編は〆。アイムザトリガー。この時、既に汗だくになっていた。(ホールぞ??)。
アンコールは、本編でうっかり演奏し忘れた「TRUE BLUE」からスタート。これを聴かなきゃ帰れないぜ。「BELIEVE」では、「切なすぎる」のか「愛しすぎた」のか「眩しすぎる」のかが、途中からサッパリ分からなくなるも、気合でなんとか乗り切る。
「WISH」では良席に恵まれたこともあって、Jがカメラマンに変身した瞬間や、SUGIZOが客席に降臨した様子をカメラに収めることに成功。LUNAPICのために、iPhone 15 Proに機種変したのが功を奏した。
各メンバーのMCも良かった。
うる覚えだが、大体こんな感じ。
▼真矢はこの日、素っ裸だった。
▼Jは「全てを曝け出せるって、いいね!!!」と真矢のヌードを絶賛。
▼INORANがパリピであることを認める。あと「繋ぐ」って言葉が最近好き。
▼SUGIZOが「い"し"か"わ"!!!」とマイクを通さずに絶叫。その後、「石川は正真正銘『第2の故郷』...というか、もはや故郷なんだよね」と地元民が狂喜乱舞する発言。
オーラスの「MOTHER」では、RYUICHIがAメロからフェイクを多用し、絶唱。新MOTHERに収録のテイクとも全く違う、魂の歌唱に目頭が熱くなった。
全ての曲を終え、1人ステージに残ったSUGIZO。SUGIZO水を観客に浴びせ、最後にマイクを通さず、こう叫んだ。
「がんばろう!!!!!」
元旦の能登半島地震で、半島部を中心に大きな被害を受けた石川。いまだ避難生活を余儀なくされている方々が沢山おられ、その方々の中には、LSのライブに来たくても来れなかった人も大勢いるだろう。
だが、そんな人たちにも届くよう、LSは超特大最強MAXの愛情を込めて、魂の演奏をした。そして、SLAVEたちも全力でそれに応えた。
またいつか、石川に戻って来る日まで。
傷は深くとも、共に歩んでいこう...。
SUGIZOは背中でそう語り、ステージを後にした。翌日は富山公演。LSの旅はまだまだ続く。
東京ドームまで あと 22本