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政治(歴史)講座ⅴ1567「旧ソ連化する中国共産党の滅亡」
旧ソ連の失敗に学び改革開放を推し進めたが、中国は旧ソ連と同じ轍を踏み、経済破綻に喘いでいる。そこで、習近平政権は祖先返りし出した。共産主義の主張する共同富裕のスローガンは共同貧困に繋がったのでヨロッパの留学経験のある鄧小平は改革開放路線を進めて世界2位のGDPまで押し上げた。それを失敗に導いたのは他ならない習近平である。
今丁度、秦の始皇帝と興亡のドラマを見ているが、今の中国共産党と余りにも相似していることに驚いている。中国共産党の運命を示唆するようである。歴史は繰り返す。今回はそのような報道記事を紹介する。
皇紀2683年12月29日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
はじめに
秦王朝の歩みはその歴史を俯瞰するに、今の中国共産党政権、特に習近平政権と共通点・類似性がある。温故知新として取り上げる。
秦王に即位した後、勢力を拡大し他の諸国を次々と攻め滅ぼして、紀元前221年に中国史上初めて天下統一を果たした(秦の統一戦争)。統一後、王の称号から歴史上最初となる新たな称号「皇帝」に改め、その始めとして「始皇帝」と号した。翻って中国共産党は中華民国との戦いで中国大陸を獲得した。それだけに留まらず領土拡大に情熱を注いで、漢民族以外の土地まで侵略してチベット民族、ウイグル民族、内モンゴル、満州(女真族)まで獲得して、北朝鮮まで侵略した。朝鮮半島における中国の侵略は米軍のお陰で38度線で朝鮮戦争は停戦となった。未だ中国は領土的野心の覇権主義に情熱を持ち、台湾(中華民国)へ侵略する武力侵略を放棄していない。秦王朝と同じく中国共産党の率いる中華人民共和国は台湾侵略を目論んでいるが、これが米国を含む強力な反発を招き、滅亡へと進むのであろう。
秦の政治としては重臣の李斯らとともに主要経済活動や政治改革を実行した。
統一前の秦に引き続き法律の厳格な運用を秦国全土・全軍統治の根本とするとともに、従来の配下の一族等に領地を与えて領主が世襲して統治する封建制から、中央政権が任命・派遣する官僚が治める郡県制への地方統治の全国的な転換を行い、中央集権・官僚統治制度の確立を図ったほか、国家単位での貨幣や計量単位の統一、道路整備・交通規則の制定などを行った。これなどは今の中国共産党の「一帯一路」や「元」の基軸通貨構想に似ている。そして、綱紀粛正として、腐敗者の粛清の実施などもそっくりである。
万里の長城の整備・増設や、等身大の兵馬俑で知られる秦始皇帝陵の造営といった世界遺産として後世に残ることになった大事業も行った。これらは過剰債務を原資とする過剰インフラや過剰な鬼城マンション(ゴーストタウン)などにより、不動産バブルと大手不動産の返済破綻というデフォルトを起こしている。身の丈を超えた設備投資も類似しているのである。
法家を重用して法による統治を敷き、批判する儒家・方士の弾圧や書物の規制を行った焚書坑儒でも知られる。これなども、反スパイ法や綱紀粛正の名の元に、粛清をして、言論弾圧を進めている。
統一後に何度か各地を旅して長距離を廻ることもしており、紀元前210年に旅の途中で49歳(数え年だと50歳)で急死するまで、秦に君臨した。 昔も今も権力者の命を狙う暗殺が行われており、始皇帝は暗殺ではないのか疑いがある。同様に習近平は中国共産党や人民からも嫌われており、暗殺が危惧されており、彼の周りには多数の警護者が付いているらしい。
習近平、「中国製EV」急ブレーキで五里霧中…!強権の「情報統制」で加速する「経済崩壊」と「ソ連化」のヤバすぎる中身
藤 和彦 経済産業研究所コンサルティングフェロー
習近平の「情報統制の野心」に世界が困惑
中国・習近平政権は、「中国衰退論」や「中国崩壊論」が流布するのを警戒し、それを否定する情報を活発に発信している。かたや政府の経済政策方針を自我自賛する情報発信にも熱心なのだが、そのどちらも担うのがなんとスパイ摘発を行う「国家安全省」というから、世界に波紋が広がっている。
中国は今年7月、改正「スパイ法」を施行したことはよく知られているが、習近平政権で存在感が増しているのが同省だという。
中国は12月11日から12日に中央経済工作会議を開催し、景気回復を支える政策調整を強化すると発表したが、国家安全省がそれを熱心に解説、喧伝している。根拠に基づかない強権的な情報コントロールは、経済ショックを引き起こしかねない危険な行為であることは言うまでもない。
いっこうに解決を見ない不動産危機をはじめ中国経済の衰退は鮮明だ
頼みの「中国EV」は過当競争が鮮明に…
ブルームバーグ・エコミクスによれば、住宅価格が5%下落するごとに住宅資産の価値は19兆元(約380兆円)消失し、このままでは2026年までに都市部労働人口の約1%に相当する約500万人が失業や収入減のリスクにさらされる。
こんなありさまだから、家計資産の7割を占める不動産の市況が思わしくなければ個人消費も増えない。
中国経済を牽引した前国家主席の胡錦濤は力を失い、李克強いは今年亡くなった Photo/gettyimages
11月の小売売上高は前月に比べて減少している。電気自動車(EV)を中心に自動車の生産は前年比23.6%増と気を吐いているが、過当競争のせいでEVメーカーの業績は芳しくなく、賃金カットも起きている。
12月18日付ブルームバーグは、景気の低迷が中間所得層(ミドルクラス)の生活を直撃している現状を伝えている。上海出身の金融マン(40歳)の場合、今年、投資不動産の価値が20%目減りした。給与なども30%削られたために、株式投資からも手を引き、資産売却を真剣に考えるようになっているという。
「中国政府は来年の経済成長率を5%前後を目指す見込みだ」との報道がなされているが、大型の景気刺激策が実施されるかどうかは不明だ。
中国に忍び寄る「ソ連化」という魔物
日本経済研究センターは12月18日、中国で不動産バブル崩壊など金融危機が起きた場合の経済見通しを発表した。
同センターは習氏が任期を終える2027年に危機が起きると仮定し、同年の実質経済成長率はゼロに落ち込むと試算した。危機発生後も米国を下回る低成長が続くという。
1990年代の日本の不動産バブル崩壊から金融危機発生までの軌跡をトレースした形だが、中国経済は当時の日本以上にひどくなる可能性が高いと思う。
旧ソ連の崩壊以降、中国では「豊かな生活を保障する代わりに一党支配を行う」との暗黙の合意が成立していたとされてきたが、このままの状況が続けば、この社会契約が失効するのは時間の問題だろう。
時代錯誤の政策を断行していることに驚かされるが、気になるのは「中国で今後『ソ連化』が進む可能性が高い」との指摘だ(9月22日付日本経済新聞)。
中国政府が堅持する「レーニンの原則」
日本ではあまり知られていないが、中国の改革開放政策は旧ソ連が1920年代に実施した「新経済政策(NEP)」を手本にしている。
ソ連建国の祖、レーニンは1921年、革命直後の経済危機から脱するために便宜的に資本主義的な手法を取り入れたが、政治や文化面ではあくまで共産党政権の維持が最重要題だとの原則を有していた。
中国版NEP(改革開放)は本家とは比べられないほどの大成功を収めたが、中国政府はレーニンが掲げた原則を堅持しているという。このことが意味するのは「政権維持のためには経済の犠牲も厭わない」ことだ。中国政府の現下の対応はこの路線に従っているように思えてならない。
中国が「ソ連化」に逆戻りしたらどうなるのだろうか。
ソ連経済は1960年代まで好調だったが、軍事を含む投資部門に政府が資源を優先配分したことにより、1970年代から、生産活動の効率性を測る指標である全要素生産性(TPP)が頭打ちになってしまった。
1980年代に入ると、TPPの伸びはマイナスに転じ、ソ連は1991年に崩壊した。
中国が抱える「ジレンマの正体」
中国のTPPも2007年以降、投資活動の過剰が災いしてマイナスに転じたままだ。
ソ連化が進めば、この状態はますますひどくなることは間違いないだろう。
「生き残りのための最後の手段」が、皮肉なことに、中国共産党の寿命を縮める結果を招いてしまうのではないだろうか。
中国の習主席、欧米の資本主義に対抗姿勢-毛沢東生誕130年
Bloomberg News によるストーリー • 1 時間
(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は26日、建国指導者である毛沢東の生誕130年に合わせて演説し、欧米の資本主義モデルとは一線を画す「中国式現代化」の推進を改めて強調した。
中国共産党の総書記でもある習主席は北京での演説で、「中国式現代化の全面推進による強国建設と民族の復興」が中国と党の「中心的任務」だと言明した。
習氏は2021年以来自ら掲げる中国式現代化について、「毛沢東ら世代が上の革命家から引き継いだ未完の事業」であり、「当代の中国共産党員の厳然とした歴史的責任」だと訴えた。
習主席は昨年の共産党大会などでも、米欧システムに代わるものとして中国式現代化に言及した。共産党機関紙・人民日報は中国式現代化に関して、巨大な人口を伴いながら「共同富裕」を実現し、平和的な発展の道を進むなど中国の特色を帯びた現代化だとかつて報じたことがある。
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毛、習両氏を同列に扱う取り組みも強化されている。共産党中央党史・文献研究院は今月の論文で、「毛沢東同志の偉大な功績と崇高な風格」を記憶にとどめるべきだと主張。その上で、「衆望を担う党の核心であり、人民の領袖であり、軍隊の統帥である習近平総書記がいることは党と国家、人民、中華民族にとって幸いだ」と記した。
習主席は26日の演説で、総統選が来月実施される台湾の問題を巡る立場も改めて表明。「祖国は統一されなければならず、必然的に統一される」とし、中国は「全ての領域で両岸の統合と発展を深め、両岸関係の平和的発展を推進する」必要があると述べた。
原題:Xi Touts Alternative to Western Capitalism in Speech on Mao(抜粋)
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中国の「新築住宅在庫」、地方都市で2年分超の惨状 先行き不安で需要縮小、値下げしても取引停滞
財新 Biz&Tech によるストーリー • 2 時間
中国の地方都市では、新築住宅の在庫が過去最大の水準に激増している。写真は不動産大手の碧桂園控股が江蘇省の三級都市で分譲した高層住宅(同社ウェブサイトより)© 東洋経済オンライン
中国各地の都市で新築住宅の在庫が急増している。とりわけ目立つのが地方都市の増加幅の大きさだ。市場調査会社の中指研究院のデータによれば、「三級都市」や「四級都市」と呼ばれる地方都市の新築住宅の在庫消化期間は、10月末時点で26.3カ月と過去最長を記録した。
【写真】中国の地方都市の多くでは、新築住宅の売り出し価格を大幅に下げても買い手がつかない状況だ
2023年の中国の住宅市場は、新型コロナウイルスの防疫対策が2022年末に緩和されたのをきっかけに、年初から春頃にかけて一時的に市況が上向いた。しかしその後は再び下降に転じ、月を追うごとに悪化している。
(訳注:中国の不動産統計では、北京、上海、広州、深圳の4大都市を「一級都市」、省都クラスの大都市を「二級都市」、比較的発展した地方都市を「三級都市」、その他の地方都市を「四級都市」と分類するのが一般的になっている)
大都市でも新築在庫が増加
中指研究院のデータによれば、新築住宅の在庫消化期間は8月以降、都市の規模の大小にかかわらず長期化している。7月末と10月末の数値を比較すると、一級都市は11カ月から12.7カ月に、二級都市は14.8カ月から17.7カ月にそれぞれ伸びた。
これに対し、三・四級都市の在庫消化期間は7月末の19.7カ月から10月末には26.3カ月に膨らみ、2年分を超えた。新築住宅の在庫消化期間に一律の適正水準はないが、中国の不動産業界では一般的に14カ月前後が妥当とされている。
現時点の新築在庫は、すでに一級都市を除いて妥当な水準を超過している。三・四級都市に関しては、仮に新築住宅の新規供給がストップしたとしても、既存の在庫を消化するのに2年以上を要する計算だ。
中国の地方都市の多くでは、新築住宅の売り出し価格を大幅に下げても買い手がつかない状況だ(写真はイメージ)© 東洋経済オンライン
証券大手の安信証券は11月22日に発表した調査レポートのなかで、三・四級都市の不動産市場では住宅販売の成約件数と成約価格が同時に下がっていると指摘。大幅な値引き販売が常態化したにもかかわらず、多くの地方都市で取引が停滞していると分析した。
地方都市の11月の販売面積3割減
新築住宅の在庫が急増している主因は(消費者の先行き不安の高まりに伴う)需要の縮小であり、供給の増加ではない。中指研究院のデータによれば、2023年1月から11月までの期間に中国の100大都市で販売された新築住宅の月間平均面積は前年同期比5%減少し、近年の同じ期間と比較しても低水準にある。本記事は「財新」の提供記事です© 東洋経済オンライン
さらに11月単月のデータを見ると、住宅市場の惨状が一層際立つ。同月の100大都市の平均販売面積は直前の10月より8%、前年同月比では14%減少。三・四級都市に限れば、10月比で11%、前年同月比で32%もの落ち込みを記録した。(財新記者:牛牧江曲)※原文の配信は12月5日
参考文献・参考資料
習近平、「中国製EV」急ブレーキで五里霧中…!強権の「情報統制」で加速する「経済崩壊」と「ソ連化」のヤバすぎる中身(藤 和彦) | マネー現代 | 講談社 (gendai.media)
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