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政治(金融)講座ⅴ1419「金融危機勃発の可能性と日本への影響」

金融恐慌が近づいていると噂されている。そして1929年当時と類似性があると言われてその根拠とされている。しかし吾輩はそれは杞憂に終わると考える。
その根拠は、米国は軍需産業と戦争の特需で経済が成り立ってい居る国家と言っても過言でない。不幸中の幸いと言うべき、戦争が起きている。ウクライナを侵略するロシア、ハマスのイスラエル攻撃、そして、今後起きる可能性の中国の台湾への侵略は、戦争の拡大を予期させるのである。1929年の米国の不況はルーズベルト大統領のニューディール政策では効果なく、第二次世界大戦における戦争による特需が米国に好景気をもたらしたのである。米国にとっては、戦争こそ景気刺激剤となったのである。ロシアVSウクライナ、ハマスVSイスラエル、中国VS台湾(中華民国)の戦争はおいしい経済拡大・経済刺激剤である。「他人の不幸は蜜の味」は米国の「戦争による兵器取引は蜜の味」なのである。今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2683年10月13日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

はじめに

 前述したことと裏腹の事が起こり得る可能性を否定できない。それは、中国の不動産崩壊は米国の金融崩壊の教訓になると思える。毎年際限なくドルを増発しているのでいつかはドルの暴落が起こることは予想できるのである。それがいつかは今のところ予想がつかない。日本が米国債の購入が出来なくなったときにドルの暴落が起きるであろう。当然、米国債保有1位の日本が不況の為に米国債保有をギブアップしたときであろう。日本と米国は経済運命共同体である所以に起こる不幸である。。それがいつであるか、近い将来であろう。

「部屋の中の象」は中国ではなく米国 日本ではあまり報じられない米国発の金融危機リスク

マネーポストWEB によるストーリー •15 時間

米国発の金融危機リスクにどう備えるか(Getty Images)© マネーポストWEB 提供

 日本では中国リスクに関する報道は多いが、米国リスクに関する報道は少ない。一方、中国では中国リスクに関する報道はほぼ見当たらず米国リスクに関する報道は多い。日本、中国ともに、情報の非対称性が強いように感じる。

 日本にとって中国リスクはほぼ経済面に限られる。最大の貿易相手国である中国で経済危機、金融危機が起きれば、輸出企業、中国投資に積極的な企業を中心に影響は免れない。しかし、中国金融市場の開放度は依然として低く、人民元の国際化は道半ばである。日本の金融機関が保有する人民元建て資産のウェイトは小さく、中国で経済危機、金融危機が発生したとしても彼らが致命的な損失を追うことはないだろう。しかし、米国で危機が発生すれば、海外資産の大半を米ドル建てで保有する日本の金融機関は甚大な損失を被ることになる。我々にとって注意しなければならないのは米国リスクの方だろう。

 その米国リスクについて、中国のマスコミは度々、「部屋の中の象」といった表現を使い、説明するようになった。これは中国の格言などではなく、ロシア人作家であるクルイロフによる「好奇心の強い男」という寓話にその起源があり、「重要であったり非常に大きな話題、問題であったりするが、だれもそれについて話そうとしない」といった意味の欧米で使われることわざである。

 中央広電総台国際在線は7月27日、「米国こそが世界の製造業のリスクとなる“部屋の中の象”である」といった見出しで、米国の政治学者で華東師範大学で教鞭をとるジョセフ・グレゴリー・マホニー教授の分析を紹介している。

 5月に開催されたG7広島サミットの共同声明では、中国とのデカップリングを否定し、デリスキングが必要だと示されたが、これは言葉の遊びに過ぎず、デカップリングを実現するためのデリスキングだと西側諸国を批判している。

 米国はスパイ活動を行っていることに関する明確な証拠を示さずに華為技術(ファーウェイ)に対して先端技術の輸出を禁じる措置を取っており、CIPS・科学法によって半導体を中心とした自国先端技術の開発、商品化を加速させ、同時に中国の半導体産業の発展を押さえつけようとしていると説明。米国の覇権主義によって各国は、中国との自由な貿易を通じた経済発展の機会を阻まれているが、各国はそれを見て見ぬふりをせざるを得ない点で米国は「部屋の中の象」であると指摘している。

米国の長期金利が今後さらに急上昇したら…

 確かにそのような実態はあるかもしれないが、その弊害がもたらす日本への不利益は差し迫ったリスクといえるほどではないだろう。

 一方、毎日経済新聞が10月7日に報じた「1年で2兆2000億ドルの損失!高金利が米国銀行業界を襲う、どこが次のシリコンバレー銀行か?」など、米国発金融危機発生のリスクを伝えるものについては、実際に起こった場合、日本への影響は大きいだけに、十分注目に値するだろう。

 全米経済研究所によれば、2022年第1四半期から2023年第1四半期にかけて、金利上昇によって米国の銀行システム全体が受けた債券投資による(評価)損失は2兆2000億ドルに及ぶ。不動産向けローンが不良債権化する潜在的なリスクがあり、特に資産総額の20%近くを不動産向けローンが占める財務体質の脆弱な地方銀行にとって、これは深刻な問題だと警告している。
 金利の上昇は、債券投資における評価損の発生に加え、不動産向けローンの不良債権化を引き起こす。高いレバレッジをかけてひたすら規模を拡大しようとしているベンチャー企業なども、資金繰りに窮する可能性が高まる。金融機関や市場関係者はこの「部屋の中の象」を見えないふりをしているのではないかと指摘している。

 欧米の市場関係者が声高にそれを口に出してしまえば、そのこと自体が債券市場に悪影響を与えかねない。その点を考えれば、積極的にリスクを伝えないからと言って一概に責められるものではないかもしれないが、しかし、投資家はこの「部屋の中の象」を見過ごすわけにはいかない。

 米国の長期金利が今後、さらに急上昇するようであれば、慎重な投資行動をとる必要がありそうだ。もっとも、急落するようなことになれば、逆にそれが投資チャンスとなるかもしれない……。とにかく、これまで以上に繊細に、米国の金利動向を追うことが肝要だろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログも発信中。

2024年「米国バブル崩壊」で進む世界金融大再編。ついに世界の中央銀行による「デジタル通貨」創設で暗号資産は淘汰される!?

4/19(水) 7:03配信

「2024年末から史上最大規模の新たな金融危機が始まる」と警鐘を鳴らす為替トレーダー・岩永憲治氏の連続インタビュー。来秋の大統領選でピークを迎える米国経済はそこから急降下? アメリカが仕組む世界金融ガラガラポンの中身とは。(全4回の3回目) 【関連書籍】『金融暴落! グレートリセットに備えよ』

米国が仕組んだ世界金融ガラガラポンの中身

――歴史を振り返ると、膨れ上がったバブル経済は必ず崩壊してきました。今後、どのような形でバブル崩壊、グレートリセットへと展開していくのでしょうか?
岩永憲治(以下同)米国が見据えているのは、2024年11月に行われる大統領選挙です。
その前までに米国がすべきことは、経済の中心である銀行の膿を出すこと、加えて、ゼロ金利あるいは超低金利の環境でしか生き残れないゾンビ企業潰しでしょう。
それらを行ってから、「さあ、米国株を買ってください」と世界に呼びかける。
今はそのお膳立てを整えている真っ最中といえます。
3月22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)においてFRBは0.25%の政策金利引き上げを決めました。
それでも依然としてマーケットやメディアの読みと実体経済には乖離が見られます。
おそらくマーケットやメディアが米国経済の強さに気付くのは2024年になってからでしょう。
なぜならば、FRBがこれだけ政策金利を上げても、株が落ちずに上がっていくというシナリオを現状では誰も描けていないからです。
株の推奨セクターは軍需産業
その理由は前述したように、戦時経済体制に入っていることで、議会で予算が通りやすくなっているからです。
――米国の物価高、インフレ状態はどこまで進むと予測されていますか?
今はインフレを抑えるためにFRBは政策金利を上げています。FRBがインフレに対する判断を何に求めているかというと、それは原油価格です。原油価格はいったん120ドルでピークを打ち、現在は70ドル台まで下がってきています。ピークから50ドルも下げたところで落ち着いていることから、おいおいインフレは収まっていくでしょう。
結局、米国政権がこれ以上国民にマネーをばら撒かず、金利を粛々と上げて、マーケットから資金を吸収していくならば、おのずとインフレは収束するはずです
ただし、インフレターゲット2%などと目標を掲げているとはいえ、そこまではなりません。 なぜなら、いまの米国は労働市場がかなり強いからです。先刻も示したとおり、軍産複合体を中心とした裾野の広い産業がドルの輪転機を回し続けているからで、世界中の軍需産業が活発化しています。
2024年に入れば、今度はマーケットやメディアは一転して強気一辺倒になって、「今回は違う。バブルではない。米国株式市場は盤石だ!」と大声を張り上げるでしょう。2024年の第3四半期、あるいは大統領選挙の直前まで、米国は史上最大のバブルをつくっていきます。

バブル崩壊後、何が起こるのか?

――だが、実際には米国経済は盤石ではないと。 そのとおりです。リーマン・ショックのときにすでに米国経済は実質的に終わっていたからです。それをFRBが誤魔化し誤魔化しして、ここまで来てしまった。
紙幅の関係で詳細は拙著に譲りますが、実は米国は逃げられないところまで輪転機を回していて、すでににっちもさっちもいかない状態に追い込まれているのです。
ですから、どこかでガラガラポンをしなければ、米国経済は持ち堪えられないのです。そこで仕組まれたのが、最大にして最後の米国株バブルの生成と崩壊、そして自らが主導する国際金融の大再編と新通貨体制の立ち上げなのです。 米国株がバブルのピークを付けるのは、2024年11月の米国大統領選挙の前後となるでしょう。そこまでは最後のバブルを必死になってつくっていき、最後は自国通貨であるドルに価値を見出せなくなって梯子を外す。これしか、米国に残された道はありません。 そして、バブル崩壊を教えてくれているのがゴールド相場の動きです。2023年3月末時点で、安全資産としてのゴールド(NY先物)は1トロイオンス=2000ドルまで上昇しています。2000ドル超えはウクライナ危機勃発後の2022年4月以来約11カ月ぶりのことでした。 ゴールドのウイークポイントは金利が付かないことです。ですから、昨年来の利上げはゴールドには大変なアゲンストでしたが、ここにきて再び2000ドル超えを達成してきたのは、投資マネーがゴールドに逃避する姿勢を強めていることを如実に示しています。 ――米国のバブルが崩壊した後、具体的には何が起こるのでしょうか? 2025年に始まるであろう米国のバブル崩壊により、とんでもない数の企業が潰れて、銀行も次々と倒れていくでしょう。
米国のバブル崩壊に伴って進むのが金融大再編です。たとえば今回、クレディスイスがUBSに吸収されたのは、その前哨戦のようなものとご理解していただければよいでしょう。
大手、中堅、地方でさまざまな形で潰し合い、合従連衡が昂進していくのです。 私の見立てでは、金融大再編により、FTX、暗号資産なども破綻の憂き目を免れないと思います。それをテコにして、FRBはデジタル通貨体制を立ち上げたいからです。ただ、FRB単独では難しいでしょう。FRBはずっと「暗号資産は危険だ」と警告を発し続けていました
中央銀行の信用力と経済規模というバックグランドがなければ、デジタル通貨の発行など絵に描いた餅に過ぎない。FRBとしてはそんな心持ちだったに違いありません。 そして、さらに大きな視点で金融大再編を論じるならば、世界の中央銀行がタッグを組んで、デジタル通貨を創設するのでしょう。おそらく今夏あたりにその構想が出来上がってきます。最速で進めば、今年10月に開催されるIMF年次総会で、国際通貨体制を「金本位制」に戻す話が取り沙汰されるかもしれません。

世界経済崩壊の時は確実に近づいている! 敏腕トレーダーが指摘する、1928年世界大恐慌直前と2023年、酷似する2つの「NYダウチャート」

4/18(火) 7:05配信

「2024年末から史上最大規模の新たな金融危機が始まる」と警鐘を鳴らすのは、為替トレーダーの岩永憲治氏。新書『金融暴落! グレートリセットに備えよ!』も話題の岩永氏が予測する「世界経済崩壊シナリオ」とは?(全4回の1回目) 【画像】1929年の世界大恐慌であふれた失業たちによるデモ

インフレを引き起こした真犯人は誰だ?

――2020年からこれまでに起きた出来事を振り返ってみると、新型コロナの流行、ウクライナ戦争、歴史的なドル高円安、物価高などが挙げられます。このような流れのなか、米国は約40年ぶりの激しいインフレに見舞われました。ロシアのウクライナ侵攻など予測不可能な事象がインフレの犯人と捉えてよろしいのでしょうか?
岩永憲治(以下同)それまで米国経済は基本的には4~4.5%の成長率を維持してきました。ところが、世界的にコロナパンデミックが流行し始めた2020年2月末から3月にかけて、米国株が大暴落した。 するとバイデン政権は国民が被った経済的な打撃を緩和するとして、国民に〝禁じ手〟であるマネーのばら撒きを行いました。総額で8500億ドル超(1ドル130円換算で110兆円規模)もの現金支給に踏み切った。しかも3度にわたって。 アメリカ経済は本来、そこまでしなくてもよいポテンシャルを十分持っていたのですが、おそらくアワを食ったのでしょう。では、それで何が起きたのか。 消費者物価指数、耐久財(自動車、家具、大型電化製品等)受注額など景気の良し悪しを判断するための経済指標が、ばら撒きを行うたびに、おのおの前年比30%も跳ね上がったのです。知ってのとおり、もともと米国人は、日本人とは真逆のキャラで、貯蓄の概念に乏しいと言われます。大仰でなく、政府からコロナ給付金をもらったら、その倍から10倍くらいを消費に回してしまう国民性なんです。 なおかつコロナ禍の最中ということで、工場が生産停止に追い込まれ、モノの供給がストップしていました。モノがないなかでマネーをばら撒いたら、当然ながら、モノを買おうとする猛烈なパワーが働いて、モノの値段は上がります。ただでさえ、コロナ禍で大好きな買い物を我慢していた米国民が現金支給を契機に爆買いに走ったことで、物価が一気に上昇していったのでした。 よくメディアはウクライナとロシアの紛争が米国の物価高を招いたのだともっともらしい説明をするのですが、実際はまったく違いました。ウクライナ紛争が起きたときには、すでに米国はインフレになっていたのですから。その証拠は当時の耐久財のチャートを見れば一目瞭然。つまり、インフレの真因はバイデン政権のばら撒き施策にあるのです。

「1929年世界大恐慌」直前の状況と酷似

――岩永さんは著書の中で、2025年に米国発の金融暴落を経て、“グレートリセット”が起きると予測しています。この推移について、過去に似通った例はありますか? 1929年から1932年にかけて起きたNY発の「世界大恐慌」です。おそらく、これに則した状況になるはずです。というのも1929年の世界大恐慌が発生する手前のNYダウのチャートと、2023年のNYダウのチャートが瓜二つなのです。 当時と今の状況とを比べて、当時はモノがない時代だったし、経済規模も桁違いなどとさまざまな差異はあるけれど、今回も金融恐慌→金融収縮→大恐慌に発展していくだろうと見ています。 どんなに時代が変わろうと、人間の欲望、熱望、渇望、スペキュレーションには限りがないのです。そしてマーケットにはもれなく”臨界点”が存在しているのです。
1980年から米国は40年間も利下げを続けてきました。その間、小さなデコボコがあったにせよ、基本的にNYダウは上昇し続けてきました。オバマ政権時にはいったんリーマン・ショックによりNYダウは6500ドルまで下落を見たものの、現在は3万3000ドルと、リーマン・ショック時のボトムから5倍に膨らんでいるのです。 1929年の世界大恐慌時はどうだったでしょうか。NYダウは40ドル台からスタートして1928年から急上昇をし始め、381ドルまで上がりました。 日本で暮らしていると、今のアメリカ経済がバブルなのかどうかはよくわからないかと思いますが、例えば今年に入ってから暗号資産交換業大手のFTXが破綻したり、ビットコインの価格が暴落したことなどは、世界規模でバブルが起きていて、その崩壊が近づいていることを教唆してくれています。 ただし、それでも米国のNYダウは下落せずにじりじりと上昇している。先にふれたように、私には今のNYダウの状況が1929年の状況に重なっているように見えるのです。2023年の我々の立ち位置は、世界大恐慌が発生する1年前の1928年の状況に酷似しているように思えてなりません。

イスラエルvsハマス「戦争激化」で、あの安全資産の人気がジワジワ上昇

アサ芸biz の意見

イスラエルvsハマス「戦争激化」で、あの安全資産の人気がジワジワ上昇© アサ芸biz

10月7日にパレスチナ地域を実効支配するイスラム主義組織のハマスがイスラエル南部を襲撃して始まった戦闘状態は、10日現在で死者1600人以上に上り、イスラエルは地上戦に10万人の兵士を配置するなど、もはや戦争状態だ。

国際社会に新たな火種が加わったことで、マーケットは週明けの動向に注目が集まっていた。

「ところが株式市場に与える影響は軽微でした。9日のニューヨーク市場は続伸で、10日の日経平均も、それまでの下げ相場は10月4日に底を打った状況で、上昇局面です。国際市場ではイスラエル関連株は下落しましたが、ニューヨーク市場ではエネルギー関連株や軍事関連株が値上がりして、局面ごとでの影響はありましたが、地政学的なリスクよりファンダメンタルズへの注目が上回ったとの見方が一般的です」(経済ジャーナリスト)

だがウクライナでの戦争が終わらない不穏なこの時代に、新たな不確定要素が加わったのは事実。そこで、またも安全資産の金の人気が上がりそうだ。

「金の国内価格は10月6日にグラム9600円台だったのが、10日には9800円台まで値上がりしています。8月29日に初めて1万円の値を付けた後、9600円台まで下落していましたが、テロが起こった7日を挟んで一気に再浮上した形です。5年スパンで見ると、18年には5000円程度だったものが、コロナ感染拡大、ウクライナの戦争などを挟んで、2倍の1万円近くまで上昇していました」(同)

またニューヨーク市場では、アメリカ国債に連動する上場投資信託やドル・円相場も上昇していて、結局、不安な局面になると最終的には「金」「アメリカ国債」「ドル」が資産の落ち着き先になるという状況は、いつになっても変わらない状況だ。(猫間滋)

米国製兵器への外国からの需要が急増、バイデン政権は販売促進に動く

Loren Thompson によるストーリー •12 時間

米国製兵器への外国からの需要が急増、バイデン政権は販売促進に動く© Forbes JAPAN 提供

米国は世界最大の武器販売国であり、そのマーケットシェアは拡大している。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の先のレポートによると、全世界の武器輸出における米国のシェアは2013〜2017年の33%から、2018〜2022年は40%へと拡大した。

同じ期間にロシアの武器輸出は31%減少し、中国は23%減少したとSIPRIは指摘している。米国以外で輸出が大きく増加したのは、フランス(44%増)、イタリア(45%増)、韓国(74%増)だった。

2022年までの5年間を2017年までの5年間と比較すると、米国の武器輸出の増加幅は14%にとどまっているが、輸出の規模は他国を圧倒している。米国、ロシアに次ぐ第3位の武器輸出国であるフランスは、近年輸出が増加しているとはいえ、世界市場におけるシェアは11%にすぎない。

米国の武器貿易の支配は驚くことではない40%という米国の市場シェアは、世界の軍事費の39%に相当する。米国防総省が往々にして脅威とみなす中国の世界の軍事費におけるシェアはわずか13%だ。

とはいえ、武器の取引は細部が重要なビジネスだ。市場開拓は複雑だが、それでもバイデン政権は最近の傾向から3つの教訓を得ている。

第1に、ロシアと中国がそれぞれの地域で攻撃的な行動をとることで、近隣諸国が米国製の武器にますます熱視線を送っている。ウクライナは昨年、世界第3位の武器輸入国となり、一方でオーストラリアと日本では米軍の装備品への需要が高まっている。

第2に、これまで米国とマーケットシェアを争ってきたロシアを抑えて米国が武器貿易の主導権を握る機会がある。米国の政策立案者たちは、ロシアを恒久的に武器貿易の二番手の地位に追いやることを望んでいる。

第3に、同盟国による武器輸出の増加は、米国の武器取引の実行に問題があることを示唆している。特に目につくのが、台湾のような武器を緊急に必要としている国・地域への引き渡しの遅れだ。このような遅延が発生した場合、見込み顧客がフランスや韓国など供給してくれそうな他の国に目を向けるのは当然のことだ。

防衛産業が米政府の新興産業政策にとって必須のものとなっている今、このような遅れは米国の信頼性に対する評判を損ない、米国の雇用を奪う可能性がある。

米国の武器の販売は毎年1000億〜2000億ドル(約15兆〜30兆円)に上り、経済的損失が発生すれば、良きにつけ悪しきにつけ巨額になる。経済の他の分野とは異なり、防衛産業製品の主な需要源は政府であるため、政府はこの分野が自分たちの非効率性によってビジネスを失うことがないよう誘く必要がある。

米国の武器の販売は大きく2種類に分けられる。外国の買い手と米企業が直接やり取りする商業販売が1つ。それから、対外有償軍事援助(FMS)と呼ばれる安全保障を支援するプログラムを通じた政府間の販売だ。

通常、武器取引の大部分を占めるのは直接取引の商業販売だが、FMSは平均年450億ドル(約6兆7150億円)に上り、これは一部の産業の全収益を上回る規模だ。

取引の形態にかかわらず、すべての主要な武器輸出は国務省の審査対象となり、議会を通さなければならない。武器を売却するのに議会の承認を得る必要はないが、議会が取引を阻止する動きを見せれば、売却はできなくなる

米国務省の政治軍事局は、提案された取引が国家安全保障戦略や技術輸出規則に則し、その他の要件を満たしているかの判断を任されている。FMSの場合、販売が承認されると、案件は実行のために国防総省に送られる。

政治軍事局は提案された取引の95%を数日以内に承認する。だが、残りの5%には疑問の余地があり、国務省が承認した後でも解決しなければならない複雑な問題がある。

例えば、人員が不足している国防総省の契約事務局では、契約の最終決定に時間がかかることがある。武器を受領する側の国は武器製造に関与したいかもしれないが、そのためには適切な現地の供給源を確保する必要がある。米国の武器生産能力が後退することも考えられる。また、米国の資金が購入に使われるFMSの場合、承認された取引に議会が資金を割り当てない可能性もある。

そのため、緊急かつ国益にかなう武器売却であっても、完成品の納入が始まるまでに何年もかかる可能性があることは想像に難くない。これにより、韓国のハンファのような米企業と競合する外国企業にチャンスが回る。

国務省と国防総省は昨年、FMSの実行に要する時間をいかに短縮するかについて、並行して調査を開始した。現在行われている取り組みの中には、外国の見込み客との取引に携わる現場担当者へのトレーニングの提供が含まれている。

国防総省は、FMSプロジェクトを実施する上で継続的なプロセス改善のための環境を構築しようとしており、産業界への要求に同盟国の要件を取り入れることを検討している。

後者の取り組みは、米国製の兵器に対する需要の急増によって生じた課題に対する、より広範な対応の一環だ。米国内の産業は求められる兵器のすべてを生産する能力はあるが、迅速に生産する能力はないかもしれない。国防総省の調達責任者は、生産する米企業のバックアップとして機能するかもしれない外国の企業の使用を検討している。

提案された改善策をすべて実行に移すには時間がかかるだろうが、明白なことが1点ある。多くの民主党議員が反射的に外国への武器売却に反対していた時代はとうの昔に終わったということだ。同盟国やパートナーが武器を求めているのであれば、バイデン政権は武器生産で中国の労働者ではなく米国の労働者のための雇用創出を望んでいる。(forbes.com 原文

参考文献・参考資料

「部屋の中の象」は中国ではなく米国 日本ではあまり報じられない米国発の金融危機リスク (msn.com)

イスラエルvsハマス「戦争激化」で、あの安全資産の人気がジワジワ上昇 (msn.com)

米国製兵器への外国からの需要が急増、バイデン政権は販売促進に動く (msn.com)

世界恐慌 - Wikipedia

2024年「米国バブル崩壊」で進む世界金融大再編。ついに世界の中央銀行による「デジタル通貨」創設で暗号資産は淘汰される!?(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース

世界経済崩壊の時は確実に近づいている! 敏腕トレーダーが指摘する、1928年世界大恐慌直前と2023年、酷似する2つの「NYダウチャート」(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース

世界恐慌 - Wikipedia

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