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月1出社導入!〜クラスター社マルチワークスタイルへのチャレンジ〜

こんにちは、メタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社でCFOをやっている岩崎です。経営管理と人事広報を統括しています。

さて、今回クラスター社では、これまで週1日のオフィス出社体制から、月1、週1、週3出社という3つのワークスタイルが併存する体制へ移行することとなりました。

いろいろと葛藤や議論があった中での取り組みなので、備忘も兼ねてその背景や狙いについて書き記しておこうと思います。

出社日を増やすのか減らすのか、フルリモートにするのか、といった話は各社の経営陣や人事部門の方の頭を悩ますトピックだと思いますので、何かしら参考になる情報があれば幸いです。

これまでの出社体制

コロナ以前からのお話をすると、クラスター社では創業当初(2015年)からリモートワークを取り入れており、毎週金曜日がリモートワークデーとなっていました。

VRサービスを開発・運営し、「ひきこもりを加速する」会社を標榜していましたが、ベースとしてはリアルでのコミュニケーションを大事に捉え、週4日は対面で顔を合わせて仕事をすることにしていました。

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なので、リモートワークについての考えも、効率的に1週間の仕事を乗り切るための手段であり、1週間走ってきた最後の日にちょっと疲れて来て会社行くの億劫だな…と思う金曜は家で作業してもOK、という位置付けでした。

ただ、週1という少ない日数でも、会社としてオフィシャルにリモートワークが導入されているということは、ドキュメント文化が根付いていたり、自宅での作業環境がある程度整っていたりするので、2020年4月の最初の緊急事態宣言発令への対応は比較的スムーズに行うことができました。

その後、数回の緊急事態宣言中はフルリモートワーク体制となるものの、宣言が発令されていない時は週1日(毎週水曜日)だけオフィス出社するという体制となりました。

コロナが落ち着いている時も、フルリモートを継続せず、週1は移動コストが掛かっても全社一斉にリアルで集まり、スタートアップとしての一体感・結束力を高めることにこだわっていました。(詳細は下記noteにも記載しています)

採用の市況感

今回の変更に関する背景として、最も大きいのが採用観点です。

コロナ期間中、フルリモートワークor週1出社の体制を取っている中で、東京在住を所与としていたら絶対に採用できなかった2名のエンジニアに参画してもらうことができました。

お二人共ご家族がいて、それぞれ大阪と愛知在住。独り身であれば「これを機に東京に引越し」という考えもあるかもしれませんが、特に子供のいるご家庭だと急に生活環境を変えるのはかなりハードルが高い。

最初に採用した原から、選考プロセスの中で「週1日か月1週間のどちらかの働き方がありえるなら愛知から通いたい」と提案をもらったのがキッカケとなりました。

この事例が皮切りになって社内のメンバーからのリファラル候補が広がり、プロダクトマネージャーから大阪在住のエンジニアを紹介してもらって、こちらも採用に漕ぎ着けることができました。

その後もこの採用ケースに味を占めて週1出社での採用活動を継続していたのですが、たびたび直面するのが「週1でもきつい。月1やフルリモートなら」というお声でした。

仮に交通費が全額出るとしても、そして週1日だったとしても、毎週オフィスに行くことのハードルは依然として高い感覚がありました。

前よりハードルは下がったが、自分が当初思っていたほどには下がっていなかった、というのが正しい認識だと思います。週1なら一見通えそうな県だったとしても、新幹線や空港まで距離が遠い人だと、たしかに毎週は厳しそうでした。

特に先鋭的で感度の高いクリエイターほど、自分らしい新しい働き方を選ぶ傾向があり、今以上に今後、自社の採択する(提示する)ワークスタイルがダイレクトに採用にヒットする時代になっていくと感じていました。

逆に言えば、上述の原の採用を決めた時もそうですが、世の中の変化や(弊社採用の大部分を占める)クリエイターの動向を注視しつつ、会社が上手く適応できた時には採用強者になりうるとも思いました。

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社内での声

採用現場での生の声を聞く一方で、もちろん重要なのが社内メンバーの意見です。

弊社では、従前からリモートワークの体制自体だけでなく、リモート/出社時のそれぞれの身体のコンディションや仕事でのアウトプット、リモートワークの改善案など、月1回のアンケートを通して様々な意見を拾ってきました。

また、同時に出社時のひょんな雑談や、シャッフルブレイク(週1のオンラインでの雑談タイム)等でも声を集めていく中で、なんとなく以下のような意見に集約されてきました。

<クリエイターの声>
- ずっとフルリモートはしんどく、たまにはみんなに会いたい
- フルリモートがきついのでクラスターでの仕事に変えてきた
- ちょっとした雑談、たまにリアルに顔見てしゃべる時間も欲しい
- リモートの方が作業は捗る
- 週1も良いが隔週や月1くらいがちょうど良いかもしれない
- 家庭を持つようになり、関東圏外の実家近くに引越したい(が週1で通うのはしんどい)

一方で、社内には管理部門や法人営業部門もあります。

管理部門はやはりまだ完全に「紙」とおさらばすることができず、やはり週1くらいはオフィスに行かないと捺印や書類手続きに滞りが発生してしまいます。

法人営業部隊については、そもそもお客さんのリアルでの来客もあれば、バーチャルイベント実施に付随してリハや本番でスタジオ稼働が発生しますし、そもそもスタジオ自体も常にメンテナンスが必要なのでリモートでの対応ができません。メンバー同士での効率的な同期を取るためにも、メンバー側から出社日を増やす動きがありました。

変更の方針

こうした採用現場での市況感や社内メンバーの声、会社のビジネス特性を考えた結果、一つのワークスタイルに一括することはできないという結論になりました。

フルリモートワークは過去にアメリカの大企業で失敗してきた歴史があり、最近でもGAFA(GAMA?)が従業員にオフィスへの出社を求めるようになったり、国内でも大手企業やメガベンチャーの社員がオフィスに戻りつつあります。

一方、「全員それぞれ好きな働き方を選べます」方式だと、ワークプレイスやタイムゾーンのズレが拡大し、一緒に仕事がしづらくなるのではないかという仮説も持っています。

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とすると、ある程度職種別(≒チーム別)にグルーピングし、それぞれの働き方の実態と採用現場の温度感を踏まえた上で、個別に出社体制を決める方が良いのではないかという結論に至りました。

そうした結果、元々のフレックス制度は共通で据え置いた上で、

クリエイター(エンジニア/デザイナー/CG):月1日(第1水曜)
法人部門(プランナー/ディレクター/スタジオ):週3日(毎週月/水/金曜)
その他(管理部門 等):週1日(毎週水曜)

という出社体制に移行することとしました。

変更後の具体的な運用

上記の体制に移行した場合でも、それぞれで不公平感が発生しないように留意し、福利厚生や交通費のあり方についても再検討しました。

結論としては、制度自体を職種別に分けることはせず、共通ルールの下でバランスを取るようなものとしました。

まず、出社頻度の多い方が家賃の高い五反田の会社近くに住みやすいように、2km+α圏内なら「引越し一時金(30万円)」と「近距離手当(毎月3万円)」を支給することにしていました。

さらに、これまで支給していたリモートワーク手当(毎月1.5万円)には出社した場合の交通費を含んでいたのですが、今回これを別で切り出し、出社した場合にはその都度交通費を支給することで、出社が増えても手当が目減りしないようにしました。(※正確には、元々支払っていた自宅の光熱費等が浮くので100%目減りしていたわけでないですが)

逆に、月1出社なのでかなり遠くに住んで、かつ会社が交通費を全額支給するとバランスを欠くため、支給する交通費の上限を2万円までとしました。

それでも遠くに住みたい場合は、交通費2万円+リモート手当1.5万円の計3.5万円があるので、それで月1の交通費をやりくりしてもらえればと思っています。

ちなみに、週3、週1、月1はそれぞれ最低出社日数なので、それ以上に出社することを妨げるものではなく、中には毎日出社しているエンジニアもいますし、その場合には毎日交通費を支給しています。

その他の工夫や恩恵

上記は福利厚生面のお話でしたが、それ以外にも弊社には強いスタジオチームがあるので、リモートとリアルが混在しても双方向コミュニケーションを一定程度担保する会議のあり方を彼らと一緒に模索していたりします。

また、思わぬ恩恵として、今後がさらに採用が進んだ際も、当初の想定よりも多い社員を抱えることができるようになり、オフィス移転時期を遅らせることができる(=固定費を抑えることができる)かもしれない、と勝手ながら経営管理の人間として皮算用しています(笑)

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最後に

ざっと今回の出社体制に変更について、いろんな可能性を比較しつつ書いてきました。

今回のワークスタイルの変更で一番重要なのが、基本的には「不可逆の意思決定」だということです。

日々我々は意思決定を行っていますが、その中には「後戻りできる決定」と「不可逆の決定」の2つがあり、後者の意思決定を行う場合にはかなり慎重に行っています。

今後、月1前提で社員採用したり、あるいはこの制度を利用して家族もろとも関東圏外に引越す社員が出てきた後に、元の体勢に戻すとなると高確率で退職されてしまうことになるでしょう。

※もちろん退職とそれによる組織のグラつきを許容できるのであれば厳密に「不可逆」ではないです(なので「基本的には」と書きました)

そろそろ落ち着くと思っていたコロナの状況も再び雲行きが怪しくなってきました。いつになったら従前のような生活ができるのか、あるいはもはや全く違う世界になってしまったのか。

このあたりはまだ誰にも先が見通せないですし、コロナ関係なく今後も人々の働き方はどんどん変わっていくはずなので、その時々で頭を悩ませながらベストなものを模索していきます。

ここまで読んでみて、メタバース領域に興味があるし、月1出社でOKならチャレンジしてみようかなと思った方がいらっしゃればぜひ下記のサイトも見てみてください。


引き続きメタバースを加速していきますのでよろしくお願いします!

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