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【通関士試験対策講座No.2】関税率表の解釈に関する通則

本日は、【関税率表の解釈に関する通則 】について学んでいきます。

関税率表の所属区分を決定するために設定されている、基本のルールとなります。難しい表現で規定されてますが、まずは概要をしっかり押さえておきましょう!


輸出入品目はどのように管理されてるの?

輸出入統計品目番号(HSコード)は、あらゆる輸出入対象品目を21の「部」に大分類し、さらに詳細を6桁の数字で表します。

6桁のうち、上2桁を「類」、上4桁を「項」、上6桁を「号」といいます。

関税率表には、関税率表の所属区分に基づいて、それぞれの品目ごとの関税率等が設定されており、この表をもとに、実際に輸出入する品目を分類していきます。
この所属区分は、部は1部~21部、類は1~97類(77類は欠番)まであります。

下の表は、輸出入統計品目番号(HSコード)の構成イメージです。
(ここでは、おおよそのイメージがつけばOKです!)

税関HP 税率決定までの流れより https://www.customs.go.jp/tariff/mikata/mikata2.htm

各品目がどこに分類されるかどのように判断するの?

関税率表適用上の所属区分が分類する人によって異なってしまうと、関税率等も異なってしまい公平性が損なわれてしまいます。そうした不合理をなくすために、関税表に関する通則1~6を設けて、この通則に基づいて、品目の所属を分類するという、基本的な分類のルールが設定されております。

そのルールが今回のテーマ【関税率表の解釈に関する通則】ということです。

試験対策はどうすればいいの?

関税率表の解釈に関する通則は、試験では語群選択式の穴埋め問題や選択問題として出題され、また、通関実務の問題の基礎知識として問われます。

まずは内容を理解をし、各通則の丸暗記出来るくらいにしておきましょう!過去問でも色々な問題が出題されておりますので、何度も問題を解き、勉強を進めていきましょう!

ちなみに1~97までの「類」に関しては試験対策として、覚える必要があります。「部」や「項」の問題も出題されますが、試験対策上は、「類」の暗記まででいいと思います。

各輸出入統計品目番号(HSコード)の内容については、別の講座で詳しく説明しますので、ここではざっくりとどのようなものがあるのか、確認しておいてください。

輸出統計品目表(2024年1月版) : 税関 Japan Customs

税関HPより

解説

では、本題の【関税率表の解釈に関する通則】について解説していきます!

こちらが通則の全文になります。
それぞれの通則の解説を記載しておりますので、本文と照らし合わせながら確認しましょう。

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/mikata/tuusoku.pdf

通 則 1 解説

→ あらゆる品目が対象となっているため、これらの物品をすべて表題に含めることは不可能なので、ここでは「単に参照上の便宜のために設けたものである」ということと、注の規定に従って分類する。ということが記載されています。

通 則 2 解説

→(a)は、椅子やテーブルなどの家具などがイメージしやすいと思いますので。組み立てていないものや未完成の家具でも家具(94類)に分類されるという理解でOKです。

→(b)は、他の材料などを混合した結果、2以上の項に属するとみられる場合には、この段階では所属を決められないので、次の通則3の原則に進むということです。

通 則 3 解説

通 則 2(b)からの流れで、通則3が適用できるか確認します。

→(a)最も特殊な限定 →(b)重要な特性を与えている →(c)数字上の配列において最後

通則の内容については通則の規定内容とおりですが、ここではこの適用の順番が大事です!暗記しましょう!

通 則 4 解説

→ここはそのまま「最も類似する物品」が属する項に属するということです。
通則3とセットで順番を覚えておきましょう!

通 則 5 解説

→(a)例えば、バイオリンとバイオリンケースがセットとなっている場合は、バイオリンに含まれるというイメージです。重要な特性を全体に与えている特殊な容器以外はこの考え方でOKです。

→(b)例えば、お菓子のビニールの包装材料や入れ物の箱は、お菓子に含まれるということです。
ですが、お菓子を入れた段ボール箱を複数乗せるような輸送のパレットなどは、反復使用を想定しているので、これは、お菓子ではなく、パレットは別の物として扱います。という内容です。

通 則 6 解説

→上6桁目同一の水準にある号の号の規定と号の注の規定に従うという内容です。

備考 解説

→過去、備考の内容も出題されたことがありますので、ここも確認しておきましょう。


問題

第1問

関税率表の解釈に関する通則1においては、関税率表の適用に当たっては、物品の所属は、部、類及び項の規定並 びにこれらに関係する部又は類の注の規定に従うこととされている。

→ 答え ✕ 
通則1に「物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従い…」とあるので、問題文の「部、類及び」の部分が誤った内容となります。
(第55回 関税法等より)

第2問

関税率表の解釈に関する通則3(c)においては、二以上の項に属するとみられる物品であって、関税率表の解釈に関する通則3(a)及び(b)の規定により所属を決定することができないものは、等しく考慮に値する項のうち最も高い税率が定められている項に属することとされている。

→ 答え ✕ 
通則3(c)に「…数字上の配列で最後となる項に属する」とあるので、問題文の「…等しく考慮に値する項のうち最も高い税率が定められている項に属する」という箇所が誤った内容となります。
(第56回 関税法等より)

いかがでしょうか。毎年最低一問以上は、【関税率表の解釈に関する通則】に関する出題があります。
難しい内容と感じるかもしれませんが、学習を進めていくとすんなり理解できることもあるので、しっかりと復習して、通則の文章と内容を覚えておきましょう!


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