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【通関士試験対策講座No.4】関税率表 第6類~第15類


本日は関税率表の分類、第6類~第15類について学んでいきます。


関税率表は、関税率表の所属に基づいてそれぞれの品目ごとの関税率等が設定されており、この表をもとに、実際に輸出入する品目を分類していきます。
関税率表の所属区分は「部」は第1部~21部、「類」は第1類~97類(77類は欠番)まで分類があります。

今回は、第2部と第3部、第6類~第15類の所属区分の解説と、どのような問題が出題されるか詳しく説明していきます。

では始めましょう!

第2部と第3部(第6類~第15類)にはどのようなものがあるの?

税関HP 関税率表解説より https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/

第2部は「植物性生産品」です。

生きている樹木その他の植物から始まり、食用の野菜、コーヒー、茶、香辛料、穀粉、麦芽、採油用の種及び果実などがこの部に該当します。

第3部は「動物性、植物性又は微生物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう」です。

ラードやオリーブ油、マーガリン並びにこの類の動物性油脂などがこの部に該当します。

試験対策はどうすればいいの?

通関士試験では、通関実務の輸出入申告書作成の問題で、実際のインボイス品目に対する輸出入統計品目番号(HSコード)を関税率表から探し出す問題や、複数選択式の問題で「○○類に含まれないものをすべて選べ」など、通関実務の問題で色々な形式で問われることが多い箇所です。

輸出入申告書作成の問題では事前に、類注や過去に出題された品目の分類など目を通しておくと、本試験で出題された際にスムーズに対応でき、また、焦らずに対応できます。
試験までまだまだ時間があるタイミングですので、少しずつ覚えておくと良いでしょう!

まずは、第6類~第15類に該当するものにはどのようなものがあるか、実行関税率表を確認してみてください。
さらに、下記の解説を参考に含まれないものなどをチェックしていってください。


解説


第6類 生きている樹木その他の植物及びりん茎、根その他これらに類する物品並び に切花及び装飾用の葉

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/01r.pdf(c) 


→ 食べられない食物がこの類に該当します。


第7類 食用の野菜、根及び塊茎

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/07r.pdf


→ 注2  スイートコーンについては、この類に含まれますが、生鮮のとうもろこし(穀粒のあるもの)は第10類「穀物」に分類されますので注意が必要です。

注3(b) 粉状にしたスイートコーンについては、第11類「穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン」に分類されます。

スイートコーン、とうもろこしについては試験でよく出る箇所ですので、まとめて覚えておくと良いでしょう!


第 8類  食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/08r.pdf


→ (注2) 冷蔵した果実、ナッツは生鮮のものと同じ分類となります。


第9類 コーヒー、茶、マテ及び香辛料

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/09r.pdf

→ しょうがも香辛料として第9類に分類されます。試験で過去出題されておりますので、覚えておくと良いでしょう!


第10類 穀物

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/10r.pdf


第11類 穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン

注2 以降省略     税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/10r.pdf

→ 第10類「穀物」を粉にしたものなどが、第11類に分類されるとおおまかに理解しておくと良いと思います。


第12類 採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物

注4 以降省略 税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/12r.pdf

→ ごまは第12類に該当しますが、ごま油は第15類の油へ分類されますので注意が必要です。



第13類 ラック並びにガム、樹脂その他の植物性の液汁及びエキス

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/13r.pdf

→ 第13類には色々なエキスが含まれますが、(b)麦芽エキス、(c)コーヒー、茶又はマテのエキスはこの類には含まれませんので注意です!


第14類 植物性の組物材料及び他の類に該当しない植物性生産品

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/14r.pdf

→ 例えば、竹細工などに用いられる材料の竹などはこの類に該当します。
竹細工の製品は第46類などに分類されますので、材料は第14類と理解してもらえればよいです。

第15類 動物性、植物性又は微生物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう

税関HPより https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/15r.pdf

問題

第1問(第50回 通関実務より改題して出題)

水煮し、冷凍した粒状のスイートコーンは、冷凍野菜として第07.10項に該当する。


 →答え  〇
    第07.10項
 第07.10の項の規定に調理していないもの及び蒸気又は水煮による調理をし 
 ていないものに限る。とありますので正しい内容となります。



第2問(第54回 通関実務より改題して出題)

第8類の類注において、冷蔵した果実及びナットは、当該果実及びナットで、生鮮のものと同一の項に属するものとされている。



 →答え  〇
 第8類の解説でも記載しましたが、冷蔵した果実、ナッツは生鮮のものと 
 同じ分類となります。


第3問(第53回 通関実務より改題)

下記、Aの各行の欄のa.からc.までに掲げる物品のうち、 (「関税率表の類」の欄)に掲げる第15類の関税率表に属さないものはどれか.

A. 第15類(動物性、植物性又は微生物性の 油脂及びその分解生産物、調製食用脂並 びに動物性又は植物性のろう)

a.エクストラバージンオリーブ油
b.グリセリン(粗のもの)
c.カカオ脂

 

    →答え  c.カカオ脂 
 カカオ脂は第18類に該当しますので該当しない物品となります。


第4問

しょうがは第9類(コーヒー、茶、マテ及び香辛料)に含まれるか。



→答え  〇
 しょうがは第9類(コーヒー、茶、マテ及び香辛料)に含まれます。
 第7類の野菜ではないので注意が必要です。


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