BUILD: 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブック
スティーブ・ジョブズと働き、iPod, iPhoneの開発をリードしたトニー・ファデルが全てを詰め込んだ一冊。本の姿をしたメンター、アドバイスの百科事典とあるが、まさにで、全部を読み返しても良いし、必要なところだけ読んでも良いし、色々な使い方ができろう。この本とは長い付き合いになる気がする。
前提
響く箇所は人ぞれぞれ異なると思うので、自分が何をしている人で、どういう状態で読んだのかを前提として記述しておく
現在、自分はエンジニアとして活動しており、チームリーダしている
フロントエンドの開発がメインであるので、UX/UI中心にプロダクトのことを考える機会が多い
大きなプロジェクトがひと段落して今後のキャリアについてあれこれ考えているタイミングである
視座を上げたい
エンジニアだけでなく、もっと領域を広げてプロダクトのことをもっと考えられるようになりたいなと思っている最中
その相談をした方に勧めてもらって読んだ本であるので、その方からのメッセージを受け取るような気持ちで読み進めた(若干感情的になって読み進めた部分がある)
特に響いたところを抜粋(線引いた箇所多すぎて全部は書ききれない)
下(ばかり)を見ない
一般社員として働いている時には「先を見る」のと「まわりを見る」のが大事
自分は「まわりを見る」をもう少し意識
心地よい自分の居場所・チームから離れてみる、社内の他の部署の人たちと会話して、彼らの視点、ニーズ、懸念を理解する。社内でのネットワーキングはPJが正しい方向に進んでいない時に早めにアラートを受け取れる
視線を上げて周りを見るのは会社が潰れそうなのを検知して早めに見切りをつけて逃げ出すためではなく、どうすれば自分の仕事の質を高められるか理解するため
いちエンジニア・チームリーダに留まるかマネージャーになるか
エンジニアしか信用しないエンジニアは多い。他の職種も同様。人は自分と同じような考え方をする人が好き。
プロダクトの細部にまで徹底的に目を光らせ、チームが開発している品質にとことんこだわるのはマイクロマネジメントではない。
質の高い成果物を確保するのがマネージャーの仕事、その成果物をどうやって生み出すかを考えるのはメンバーの仕事。ただし、仕事のプロセスにおいては初期段階で確認しておいた方がよい。
以下はそのまま抜粋(共感した)
データか直感かではない、データも直感も
どちらも必要で、時にはデータの領域に踏み出さないといけない時もある。そんな時に必要なのはビジョン・直感・主観。そしてそれをストーリーで語ること(ストーリテリング)。
「見えないもの」を「見えるもの」に
作っているモノはユーザがそれを手にするずっと前に始まり、手に入れた後もずっと続く、目に見えない見落とされがちな壮大なストーリのごく一部。
顧客のエクスペリエンスそのものを忠実にプロトタイプに落とし込む。
ネストのドライバーの例は非常にわかりやすかった。
ストーリーテリングの重要性
優れたプロダクトストーリには三つの要素がそろっている。
理性と感情の両方に訴えかける
複雑な概念をシンプルに
プロダクトが解決しようとしている問題を明確にする。「なぜ」の部分にフォーカスする
ストーリの最初に来るのが「なぜ」。その後に「何を」。「何を」の部分に取り組む間も「なぜ」の部分は死守しなければならない。
ストーリは顧客のためだけにあるのではない、チームを動かす、採用、会社に投資してもらう、営業資料など何においても大事。
スティーブ・ジョブズの「疑念のウイルス」は面白かった
最高のアイディアは「ビタミン剤」ではなく「鎮痛剤」
まずはリサーチに徹底的に時間をかけて「遅い思考」を実践
自分なりの「なぜ」を明確にするのに1ヶ月、あるいは2ヶ月、半年はかけるべき。(これは起業する時の話の中で出てきた内容だが、「遅い思考」は新しいプロダクト開発において重要と思った。)
採用
線はたくさん引いたのだが、自分がもっと採用に力を入れることになったら読み返したい。