サウナ欲と傘。
こんなに長い間「サウナ」に行っていないのは何年ぶりのことか分からない。そして、まだ続くこともけっこう考えられず、基本的には「一日の最後はいつもの銭湯へ行ってサウナに入って帰る」のサイクルで生活を送らせていただいていたため、日の終わらせ方が分からない。体が「よし、寝ますか!」みたいな合意をしてくれないといった感覚。布団に入っても、「あれ、まだ入ってませんけど?」とずっと聞かれている体感が残る。以前、首の後ろに粉瘤なる小さなできものが出現し、除去のためにめちゃくちゃ簡易的な手術をした際、「入浴はしばらく控えてください」と言われ、反射的に「あ、サウナも?」と言ってしまい、お医者さんからとても純粋な発声の「は?」をいただいたことがあった。そんなわけで、要は「参っている」という状況なのです。
なので、
サウナ傘を手に入れました。
サウナ傘です。新品のビニ傘じゃないです、新品のサウナ傘です。
ホラ。見事な「逆さ傘」です。キレイな「逆さ傘」。上から読んでも下から読んでも、も付け加えときます。
「ゆっくり」「上下に」「開いた!」の合言葉で、台風開きしてくれるわけですね。タジン鍋の蓋のようなこの形状の中で、タジン鍋の豚肉のように、毎晩強く蒸されたいと思います。
そんなつもりはなかったけど、女子力までUPしてくれるそうです。棚ボタとはこのこと。いつの日か肌ツヤるんるんでお会いできることでしょう。この傘の存在を教えてくれたゾフィー上田君に感謝。(あと扉の写真ははしゃいでお湯入れ過ぎなので、半身がいいですよ)
これからお世話になりっぱなしになる予感しかしないアイテムをお伝えしたところで、やっぱり今のこの事態に、日頃からお世話になっていたところが気になって仕方ない毎日です。常連だった喫茶店やファミレス、ごはん屋さんはどうだろうか。SNSで情報を調べ、休んでいるんだ、とか、やっているんだ、とか思うことしかできません。中でも特に、銭湯とその周辺の人々。常連が集い、どの時間帯にもヌシらしき人物がいて、行けば会話をするという、裸の付き合い以外存在しない不思議なコミュニティ。「お、来たじゃん」みたいな挨拶があって、何でもない話をして、帰りがけに次の定休日の確認し合って、「ほんじゃまた、おやすみなさーい」と帰っていく。
今、どうしているんだろうか。
「お風呂はね、あったかいから大丈夫。うん。きっと大丈夫なんだよ」
そう話していた我が時間帯のヌシ、70を超える人生の先輩は、どうしているんだろうか。以前も書いたけど、ヌシにとっては何十年もの銭湯通いが健康の秘訣であり、そのおかげでまったく風邪を引いてこなかったと言っていた。万が一のことがあったら、と思っても、自分にはその万が一のことがあったかどうかさえ知る手段がない。連絡先も名前も知らないから。唯一知れるのは、この事態が落ち着いて、また同じ銭湯で顔を合わす時である。そうなることだけを願っています。
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