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iPhoneが導くウェアラブルへの道

iPhone 6に機種変更して、特に読書時などに画面の大きさに喜びつつ、ときにもう片手ではできない操作を前に少しの苛立ちを感じています。めじゃあえんつぉ26さんがTwitterに投稿した「iPhone 4S、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad mini、iPad Airのサイズ比較です」は、iPad miniでサイズに対して柔軟路線に転じたAppleが、ついにブロードなラインアップをそろえたことを実感させます。

■iPhone 6 plusをどう持ち歩きますか?

初代W-ZERO3で電話してた層を除けば、初期iPhoneの印象は「こんなデカイので電話⁈」だったと思います。あれから徐々にみんな大画面化、大型化するiPhoneに慣らされてきて、iPhone 6 plusに対するみんなの反応ときたら「Appleバカじゃねーの!」じゃなくて「6とどっちにしよう!」でした。 

実感できるiPhone Plusのサイズとして、一万円札71枚分の札束サイズと実演して見せたのはネトラボのクリーンヒットでした。裸の札束を持ち歩く人はまずいないでしょうが、言い換えれば札入れサイズです。札入れをあなたはどこに入れているでしょう。ジャケットの内ポケット?ヒップポケット?VAIO Type Pのような「Go with Pocket PC」はセクシーだけど、それで液晶が割れてしまった方もいるようです。

もう一つの札入れの入る場所は、鞄の中でしょう。女性はそうされている方を多く見ますし、男性でもスーツ姿の時には、札入れのためにセカンドバッグを持ったりもします。iPhone 6 plusがある程度成功を収めれば、同時にスマホをバッグ等に入れて身に着けない層が一定数生まれることになるように思います。

■iPhoneが導くウェアラブルへの道

こうした電話とタブレットの中間サイズのデバイスを指す、ファブレットという呼称まで最近は生まれているようです。偶然だとは思いますが、iPhoneは「ファブレットとウエアラブルの未来」へ向けて、少しずつみんなを変えてきているように思います。まずiPhoneエクスペリエンスで携帯からスマホへとみんなを移行させ、次にiPhone 6とplusのサイズでスマホをポケットから追い出しつつあります。

IDCの予測では2014年度の国内スマートフォン加入者は6,277万人、iOSのシェアは39.2%とのこと。2,460万人がiOSフォン端末加入者という予測になります。半分とは言わないまでも4割ぐらい、1,000万人が最終的にplusを手にするとしましょうか。「スマホをバッグ等に入れて身に着けない層」の母数が1,000万人です。数百万人ぐらいは「スマホを身に着ける」から脱するかもしれません。

リアルタイムの受信と、すぐにジャスト・イン・タイムのリアクションに慣らされた僕らは、スマホがポケットからなくなれば案外普通にウエアラブルを求めるようになる気がします。それがApple Watchになるのか、Google Glassになるのか、また別の何かなのかはまだ見えませんが。

■iPhone 6 plusのインパクト

私事ながら、iPhone 6/iPhone 6 plusが発表されていた一週間は入院しており、翌週に出社して社内SNSでまったく話題になっていなかったことに驚きました。技術的にはリークどおりで、特に驚きはなかったからとのこと。しかし私は、リーク通りのファブレットサイズの機器をAppleが本当に発表したことに驚きました。

ひごの屋の副社長、長谷場さんが早速5.5インチのiPod touchが出れば業務用ハンディを置き換えたい、出ないならiPhone 6 Plusでも置き換えだってなくなないとfacebookに公開投稿していました。たかが画面サイズだけの話を、SIerの私は、BYODに、外勤に、顧客の利用するインターフェースに、大きく影響するできことだと感じています。

国内で1,000万人が札束サイズの5.5インチ端末をメインとして持ち歩く。多数が「いつでも、どこでも」この画面サイズをオンラインで使うようになる。そうすると「その場で、その時に」オンデマンドに行われる事柄がずっと増えてくると思います。ライフスタイルへのインパクトとしてウェアラブルへの可能性を挙げましたが、ワークスタイルへのインパクトも随分大きいかもしれません。

iPhone 6 plusのインパクトは、やはり画面サイズです。利用者は、CPUやGPUやメモリを使うのでも、開発言語やBaaSを使うのでもなく、アプリケーションやサービスを画面を通して使うのだから、これ以上に利用者を変えるコンポーネントもありません。ライフスタイルとワークスタイルに対するインパクト、そしてそれを支える側にとってのビジネスインパクトを想像してみるというのは、なかなか興味深いところではないでしょうか。

(追記)BCNランキングによれば、販売開始第一週の国内シェアは、iPhone 6が82.2%、iPhone 6 plusが17.8%と大きく偏ったようです。

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ヘッダー画像はJL!による「Got my iPhone」。ライセンスはCreative Commonsのby-nd。もし「Creative Commonsって何?」と思ってもらえたなら、こちらのノートをお勧めします。

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