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世界にWebサーバーは10台あればいい、そのうちの1台はGoogleだ
IBMの初代社長トーマス・J・ワトソン(シニア)が「恐らく世界中のコンピュータ市場の規模は、5台だろう」と言ったかどうかは定かではありません[1]。
でもそれになぞらえてSun MicrosystemsのCTOだったグレッグ・パパドポラスが「世界に“コンピュータ”は5つあれば足りる」と書いたのは確かなようです[2]。そのブログエントリは現在blogs.sun.comのURLではアクセスできませんが、blogs.oracle.comに移されて残っています[3][4]。もっと言えば、Internet Archive上にはずっと残り続けるでしょう[5]。
当時これに関連して、「インターネット上のWebサーバーの10台に1台はGoogleのサーバー」だという話が紹介されていました。その根拠となっているNetcraft社のサーベイはその後も継続的に公開されており、最新のレポートは2016年6月に発行されています[6]。これを見ると「Google」印のサーバーは2016年6月の時点でもそのシェアを保っており、いまだにアクティブサイト中8%を占めていました。
このGoogle印サーバーは「Google Web Server」と呼ばれ、同社製のサーバーであると同時に同社内でだけ使われているサーバでもあるようです[7]。Googleが世界のWebサーバーの1/10を持っているという解釈でいいでしょう。
グレッグ・パパドポラスは例としてGoogle、Yahoo、Amazon、Microsoft(live.com)、Salesforce、eBayを挙げたそうです。一群のコンピュータ群を「一つ」と数えていたわけで、敷衍すればGoogle印のWebサーバー群を指してこういうこともできるでしょう。「世界にWebサーバーは10台あればいい、そのうちの1台はGoogleだ」。
2016年1Q時点ではAmazon、Google、IBM、Microsoft(Azure)がクラウド・インフラストラクチャの4強でシェアは合計50%を超え、一方でそれに続く20社はシェアを失っているとのことです[8]。「世界に数台で足りる」ことを示す数字を見つけられたのはWebサーバーの世界ですが、本当にコンピューティングの世界も「5台」に収斂するのかもしれません。同じぐらいの確率で、収斂しないかもしれませんけど。
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