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2021年のクラウド市場概況

昨年後半に出たSynergyグループのプレスリリースから、クラウド市場のシェアについておさらい。サマリとしてはこんな感じでしょうか。

  • クラウドインフラ(≒Iaas/PaaS)市場は四半期売上420億ドルに成長

  • Amazon、Microsoft、Googleのトップ3がさらにシェアを伸長

  • Next 10企業群やそれ以降のロングテール企業群も、シェア低下の一方で市場成長に支えられ売上総額は拡大

  • クラウド市場全体(インフラ、SaaS、ソフトウェア&ハードウェア、データセンター)は半期売上2,350億ドルに成長

  • Microsoftはクラウドインフラで2番手、SaaSでトップ、ソフトウェア&ハードウェアで2番手と多角的な強さを見せ、トータルのITベンダーランキングでは2番手を大きく引き離してトップ

2021年第2四半期の世界のクラウドインフラ市場は420億ドルに成長し、そのうち63%をAmazon、Microsoft、Googleの3社が占めました。

出典:Synergy Research Group

2021年第3四半期の発表でもAmazonが33%、Microsoftが20%、Googleが10%と大きなシェアを握っています。一方で市場売上全体は、前年第3四半期から37%増加しました。その中で市場を超える成長率を見せている左記三社はシェアを拡大しているのですが、シェアを縮小している第二集団の10社も売上で見れば28%増加、それ以降の中小クラウドプロバイダーのロングテールも売上は25%増加で、売上自体は増大している様子です。

出典:Synergy Research Group

ここまでで言う「クラウドインフラ市場」とはIaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドを指しますが、クラウド市場には「SaaS」「パブリッククラウドデータセンター」「ハードウェアとソフトウェア」といった市場もあります。これらを総計したクラウド市場全体は2021年上半期に2,350億ドルへと前年比25%の増加を見せています。クラウドインフラ市場で2番手につけているMicrosoftは、SaaSでは1番手で、ハードウェアとソフトウェアでも2番手に顔を並べます。

出典:Synergy Research Group

Microsoftはこうした多角的なITビジネスを持つことから、SynergyがまとめたITベンダーランキングでは2番手を大きく引き離したトップになっています。クラウドインフラ市場でMicrosoftを上回るトップであったAmazonは全体ランキングでは3位、SaaS市場でMicrosoftに次ぐ2番手のSalesforceは全体ランキングは13位になっています。前年売上比では、Microsoftが+24%、Amazonが+36%、Salesforceが+25%と大きく成長しており、ランキング内で2桁の成長率を示しているのはこのクラウド企業3社だけでした。

出典:Synergy Research Group

見てきたのは第3四半期までの情報ですが、クラウドコンピューティング市場は引続き成長、その中でMicrosoftとAmazon(AWS)の新劇も引続き快調という2021年だったようです。他方、国内調査ですがIDCジャパンによればサーバーとエンタープライズストレージシステムを合算した国内エンタープライズインフラ市場は2年連続のマイナス成長になったとのこと。新型コロナウィルス禍や半導体の供給遅れがその一因とのことですが、これらはクラウド市場には成長要因になったのかな、と思いました。

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