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【ジャズスタンダード】Giant Steps 12key Challenge
先日、自分が所属していた大学ジャズ研のOBのつながりで、ジャズスタンダード曲を12keyでソロ演奏して録音する、という課題が出され、以下の記事を投稿しました。
次のお題は、難曲として知られる Giant Steps (John Coltrane作曲) です!
この曲は何?
ジャズをご存じの方には有名とは思いますが、"Giant Steps"はジョン・コルトレーンというサックス奏者の曲です。
なかなかに熱い演奏なわけですが、何かふわふわしたハーモニーが次々に切り替わっていくのが感じられるかと思います。
この曲の1コーラスは計16小節で構成されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669694014379-9KIc3jyiW4.png?width=1200)
前半8小節のコード進行は「コルトレーンチェンジ」の代表例で、長3度下に転調を繰り返すというパターンが現れます。
後半8小節は逆に長3度上がっていきます。こちらはコルトレーンチェンジとは呼びませんが(たぶん)、同じく長3度系転調ですね。
曲の構成についてはまた後述しますが、コルトレーンチェンジの細かい話はweb上に情報はいくらでもあるので、ここでは割愛します。
何をするのか?
上記1コーラスを繰り返す度に短3度上へ転調していって、4回繰り返して元に戻ってきたらゴール、というものです。1コーラスに3つのキーが現れるので、3キー x 4コーラス = 12 keyという算段です。
![](https://assets.st-note.com/img/1669696337643-3OpktKafK7.png?width=1200)
各コーラスの最後の1小節は、次のキーへのIIm7 V7になります。毎度、これがなかなかのくせ者です。。
なぜそんなことするのかね?
深く考えないようにしています。脳トレみたいなもんです笑
転調していくキーをうまくつないでアドリブの展開を作るのは難しいですが、面白いです。
結果どうなったか?
私のトライ結果は以下のようなものになりました。
パット・メセニーやライル・メイズのような「すかっとさわやか」をイメージして取り組みましたが、結果的に微塵もかすらない、もやもやした演奏となりました。
テンポは100が指定され、「遅いかな?」と最初思いましたが、私にはこれくらいがちょうどよかったです。
どう取り組んだか?
どうやってコード進行を覚えるか(=コードの理解・記憶)、そして、コード進行の上でどうソロをとるか(=コードの処理の仕方)、という2つの観点で月並みですが対応内容を以下にまとめます。
1. コード進行の覚え方
オリジナルキー(Bではじまるやつ)はよくやることもあり、身体にしみついてますが、別のキーに移動するととたんにわけわからなくなります。
まずはマクロに曲の構成を理解するために、キーの移動を色付き矢印で示してみました。
よく見てみると、このキー(Eb)においては、B、G、Ebの3つのキーしか出てこないことに気づきます。それらが上がったり下がったりしてるのがややこしいため、このパターンをなんとか覚えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669694178945-3hfYhX25AE.png?width=1200)
全体の構成をマクロに理解できたとして、実際の演奏では時系列・リアルタイムに処理していかねばなりません。つまり、今のコードと次のコードは何か、というミクロな視点も必要です。「4度上行は大丈夫だけど、長3度は・・・」という方も多いかと思います。ていうかそれが普通。
ので、音の長3度関係を頭に叩き込み、身体に覚えこませます。
Aだったら、Dbが長3度上、Fが長3度下
というのを全キーでぱっと出てこなければダメです。
これは楽器使っても使わなくても訓練できます。暗算みたいなものです。脳で判断するというより反射に近いです。
次に、3つのキーの組み合わせで覚えます。F → Db → Aというシーケンスだったら、
行先がA Majorだったら、F Majorから始まる
F Majorから始まったら、行先はA Majorとなる
という感じで、双方向でパッと出てくるようにします(プログラムやってる人は「双方向リスト」をイメージしてもいいかも)。
何か一見賢そうなこと言ってますが、単に覚えろ、と言ってるだけで非常に体育会系というか力技ですね!
さて、ここまでは普通のGiant Stepsの話でした。12keyでやる場合は、ターンバックのところで次の短3度上キーへ移行せねばなりません。正直この短3度を演奏中に考え始めるとわけわからなくなるので(※)、ターンバックのところは最後のコード(ルート)の半音上のIIm7あるいは増4度(減5度)関係のV7に進むと相対的に捉えました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669695801824-zdK6y4aKZB.png?width=1200)
※ちなみに短3度上転調を真っ正直に考えると、以下のような導出過程になり、これをリアルタイムにやるのはなかなか大変です。コルトレーンチェンジをものにしたいなら、ここまで脳トレやった方がよいかもです。
元のEbキーから短3度上 = F#
F#をターゲットとしたコルトレーンチェンジのスタート = D
DのIIm7 - V7はEm7 A7
2. コードの処理の仕方
コードを細かく分解する前に、コードをシンプルにとらえることが第一歩と思います。つまり、IIm7 - V7はいったんおいて置いて、どこがどの調性圏になるのかを整理します。
以下のような感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1669695246599-bHBbn2fGKV.png?width=1200)
難しいものを難しいまま覚えるとミスするし、ミスからのリカバリが難しくなります。まずは極限までシンプルにしたものを頭に入れて、そこから肉付けしていった方がよいです。
まとめ
今回、練習の過程でフレーズが蓄積されてしまい、純粋なアドリブなのかなこれ、という出来栄えですが、ひとまず形にして、今までの所感をまとめました。コルトレーンチェンジそのものは私は作曲の中で使いませんが、長3度移動は多用するので題材として練習継続したいと思います。
さて次のお題は "Ladies in Mercedes" の予定です。
12keyチャレンジするのはメカニカル・シンメトリカルな曲がよいと思いますが、何かアイデアがある人はどしどし寄せてみてもいいかもしれません!
(了)