安定した大人たちが囲む不安定な子供(または大人) ・櫻坂4thアニラを観て
4thアニラは3期性加入してからの櫻坂完結編を観てる感じだった。なんか私がnoteで書いてたことの総決算みたいというか。
セトリやMCを含めて、安定した大人が足元の危うい子供や同じ大人をフォローしていくという、いまのグループのムードがパフォと繋がってる。
「みんなで手を繋いで深い穴の淵にいるような」とかつて石森虹花は欅ドキュメンタリーで言ってたのを思い出す(こんな感じの言葉だったよね?まちがってたらごめんね)。
櫻坂でもそのトーンは一部で続いてるかな、と見てるが、昔といまの違いは子供の集団自殺みたいな行き過ぎたものではなく、周囲のまっとうな大人が制御してるところである。
ライブ冒頭が「ドローン旋回中」と「Anthem Time」というのも明るいアイドルらしい曲からわかりやすくスタート!って意味というより、むしろセンターがほのすやゆーづってまっとうな大人たちから幕を開けるって意味のほうが大きい。
不思議なもので、アイドルソングって子供寄りの未成熟さを見せるものってイメージあるが、櫻坂では逆転していて安定した大人のメンバーであるほど明るいアイドルソングを歌ってたりする。(今回はセトリになかったけど、「夏の近道」センターのあいりもめちゃくちゃ大人ですよね)
そして、セトリは不安定な子供・しづを中核としたドラマティックな曲に入っていく。数多くの曲でセンターだったしづはカリスマ的かというとまったくそうではなく、際立つのはむしろ周囲のメンバーでもある。中心にいる子供が壊れないように支える形で大人なメンバーたちがはっきりとする。
3期生ライブに続いて4thアニラを観るかたちだったので、むしろ安定した大人としてのメンバーがさらに幹を強くしているかのように見える。どんどんまつりちゃんが堅牢になっていくし、いのりもすごく芯が入ったように見えてしみじみしたり。
こうした大人に支えられる形で、セトリ後半の怒涛の表題曲が演じられる。
全体的に森田るんちゃん(技術的にフラットな天才)〜しづのグラデーションが示すものは、巨大な穴の淵にいるぎりぎりのところにいる子供が大人たちに手を握られている感じだ。
「櫻坂は誰も置いて行かない」とは本当に上手く言ったものだ。かつてのグループの壊れかたになるギリギリのところでみんなスクラムを組んでバラバラにならないようにしてるというか。
みぃちゃんMCもそうだ。パニック障害からなんとか復帰できてからのしんみりとした、だけど痛ましくもある雰囲気になってきたところで天ちゃんがぐって繋いでくれるあたりも櫻坂的だとおもう。
3期生加入後に、「バラバラになりそうな崖の淵でもなんとか支えられて前に進める」みたいな物語性に辿り着いたことにしみじみした。
なんかこれ「仲間がいるからハッピーエンド」って感じでもないのがいろいろ考えさせられるという。やっぱ思い悩むこと、苦しいことはかなり理解ある仲間がいてもゼロにならないものじゃないですか。
ただ思い悩んだ末に衝動的に、自己破壊や自傷に入るような行動を起こすことはないという。苦しみを制御している感覚とはどういうことか、なんて固いことを思いながらIWTCを観ていたのだった。
↓今回のアニラ感想はだいたいこちらマガジンで書いたことの総決算かなと思ったのでこっちも見てもらえましたらわかりやすいかも。