同じ刺繍データを使って、色々な生地に刺繍してみた結果・・・
皆さんこんにちは!カワシマです!
刺繍を入れたいとき、生地によってどのように見た目が変化するのかっていうことは誰しも気になったことがあると思います。
特に、ブランド名などで同じデータを使いたいなー、なんて時が一番直面する瞬間なんじゃないかなと。でも、実際に試すとなるとやっぱりお金が掛かってきちゃいますよね。
今回はそんな悩みを少しでも緩和できるようにいくつかの違う生地で刺繍をしてみたので是非参考にしていただければと思います!
比較がしやすいように、全て紙芯で
刺繍する柄は、繰り返し使われることが多い英字ロゴを使用したいと思います。「We can work it out」(なんとかなるさ)で縫ってみました。
【フェルト】
まずは安心安定のフェルトから。
フェルトは伸縮性も無く硬さがある素材です。しっかりしているので刺繍のやりやすさは1,2を争います。文字も綺麗に縫われていて大きな問題は特に無い、といった感じですね。これをベースにして、色々な生地の仕上がりと比較していこうと思います。
【ポリエステルツイル】
ワッペンなどでも多く使用される生地で、こちらも刺繍のしやすさ1,2を争います。伸縮性が無く程よい硬さがあります。フェルトと比べても仕上がりにさほど大差は無く、これも問題無しといった感じですね。
【綿の天竺編み】
最もオーソドックスな生地、よくTシャツで使われるようなものです。生地の目があるので、針がちょうど目に入ってしまったりすると少しだけギザギザというか、歪んだように見える部分もあります。フェルトと比べると、微妙な違いではありますけど、より分かりやすいかと思います。天竺編みでも密度が色々とあるので全ての天竺が写真のようになるわけではありませんが・・・。
【サテン生地 薄手】
伸縮性が無く、とても薄い生地です。遠くから見ると普通に縫えているように見えますが、拡大して見ると・・・針穴が見えてしまっています。薄手の布帛ではこの針穴が目立ちやすいので、データの密度、針の太さを考慮しなければいけません。
また、フェルトと比べて見ていただきたいところが、糸の色です。ただ白と黒を使い分けているだけですが、目の錯覚でシロの方が細く、クロの方が太く仕上がっているように見えます。
糸の色が違うだけでも見た目が変わるんですね。
【フリース 肉厚】
厚手のフリースです。ここでは刺繍の仕上がりというよりも、その周り、生地の沈み具合を見ていただきたいです。刺繍は、上糸と下糸ががっちり組み合わさるので、大げさに言えば生地を潰していくんです。なので、刺繍面だけが潰れ、その周りはフワッとしたままになっているんです。この毛がもっとふさふさというか、毛足の長いものであればあるほど刺繍が隠れやすくなります。緩和させるには、中空刺繍を使う方法があります。中空刺繍については別の動画で紹介していますのでぜひ。(デザインが細かい場合は対応できないことがあります)
【ワッフル(ニット)】
表面がぼこぼこしているタイプです。特に何も対処をしないと、生地の凹凸により刺繍がガタついているように見えがちです。
これをもっと綺麗に見せる方法がありますが、それはまた別の機会に・・・。
ニットもまた厚手のものが多いので、フリースのときと同じように刺繍面が沈んでいるように見えます。また、このようにぼこぼこしてる生地はプリントが難しいので、加工を施したいときは刺繍が好まれる傾向にあります。
【ベア天竺】
縦にも横にも伸びる素材です。刺繍自体は文字が綺麗に出ていますが、気になるのは文字と文字の間の生地の撚りですね。紙芯を2枚使用したとしても、やはり刺繍がされない部分は固定されないので生地が動いてしまいます。特に伸縮性のある生地は顕著に表れてしまいます。生地のシワはある程度仕上げ、プレスの段階で緩和することができます。
【?】
今回のラスボスです。
伸縮性はベア天と同じ程度、生地の硬さは多少あります。
ご覧いただくと分かる通り、他のどれよりも見た目が悪いのが分かると思います。
生地は撚ってるわ、下打ちは出ちゃってるわでかなり苦しい見た目になっています。
これを改善するには資材を変える程度では足らないことが多い為、フェルトに刺繍する場合よりも見積もりは上がると思ってもらったほうが良いかもしれません。
いかがでしょうか?
今回は比較することが目的だったので、ほとんど条件を変えずに刺繍しました。
世の中には数えきれないほどいろいろな種類の生地があります。動画の中で使用した生地以外でも、想像とは違った見た目になってしまう生地もあるかと思います。不安になった時はサンプルを進行する前に、使いたい生地を連絡するようにしましょう。
ではまたー!
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