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東京ゲームダンジョン4・出展のふりかえり

つくねんと申します。
2024年1月20日~21日の2日間にかけて行われたインディゲームイベント「東京ゲームダンジョン4」にて、「刑死のためのカウンセル」というノベルゲームを出展していました。
今回は初めての出展ということで、後学のために所感や反省点を記述します。4回目の開催という特性上、他の出展者様のレポートと同じ感想が頻出しますがご容赦ください。


出展の経緯

数か月狂ってたらこうなった

昨年の四月頃からプロトタイピングのつもりでノベルゲームを作っていたら、30分ほど遊べる状態になっていました。
それがちょうど東京ゲームダンジョン3の時期だったので周囲から同イベントへの出展を勧められましたが、申し込みや準備が間に合う時期ではなかったことと、様子見がしたかったことで一度参加を見送りました。
エターナりそうで自信がなかった。
その後は、3の熱気にあてられて4の参加を決意した次第です。
どうやら配信未定タイトルでも参加できるらしい!

イベント固有の感想

広い

東京ゲームダンジョンは近年始まったインディゲームイベントの一つです。

安い出展料、広いスペース、豊富な貸し出し設備などが揃っていることから、デジゲー博と並んでインディゲーム開発者初めての出展によく勧められています。
実際参加した身としましても、モニターの貸し出しがあることが地方の自分にとっては助かりました。
また、スペース同士の感覚が広いことから、箱や荷物を広げながら設営することができました。

あら~いい物件じゃない
タケちゃん、ここに住みましょ

私ははじめての出展のため、料金が安い半分枠で申し込みました。
与えられた机のスペースは1サークルにつき90cm平方となりますが、実際には机間にゆとりがあるために、例えば裏方で開発者が座るだとか、背面に荷物を置くなどの柔軟な配置が可能になります。

荷物リスト、設営マニュアルですが、こちらの方の公開されていたものを参考にさせていただきました。
東京ゲームダンジョンでは入口付近にチラシ置き場、ポスター置き場が設けられています。
設営では場所の取り合いになりやすいポスターやチラシを最初に設置する、倒れやすいポスタースタンドを後に回すなどの傾向がみられるようです。

一つ想定外だったことは、机の奥行でした。
机の奥行は90cmありますが、モニターを最奥に置いてしまうと当然ながらプレイヤーに不便な思いをさせてしまいます。
自分は設営の瞬間までそのことに思いが至りませんでした。愚か。
そのため実際にはモニターを、手前から45cm付近の場所に置くことになりました。
しかし逆に考えれば奥側45cmはモニターに隠れるため、出展側の物置として使用することができました。

デザイナーの描いた図か?これが

現地でかなり辛かったのは、自分の設営したポスタースタンドがなんかこうっ……、ぐんにゃりと傾いていたことです。
しかしB1という大きすぎるキービジュが設置されていることの効果は大きく、ブースの前で目を留めてくれた方もそれなりにいたように思います。

客層が温かい

それ以外のイベント固有の特徴としましては、客層の温かさがよくあげられると思います。
一般来場者の方々もインディゲームを愛する気持ちが強く、温かい励ましや感想などをくださる方が多かったです。

罵倒を浴びせてくる客などは基本的にはいませんが、(観測下では)、
忌憚のない意見を欲している方にとってはそれが短所になるかもしれません。
来場者と開発者の距離が近いイベントなので、お客様にとってもゲームの短所などは指摘しづらい可能性があると思いました。

また当然のことではありますが、全ての来場者が開発者とコミュニケーションをとりたがるわけではありませんし、当然ゲーム自体がつまらなくて萎えるということもあると思います。

このように、プレイヤーが来なかったり無反応だったり……いう状況はゲームダンジョンを含めてどの同人イベントでもある程度覚悟すべきだと思いました。

自身の出展物に対するふりかえり

用意した印刷物

・B1ポスターを2枚
かっこいい。でも扱いが繊細です。次回はタペストリーも検討します。

でもやっぱかっけー!!!!!!

・チラシを300枚
ブース前で足を止めた方、目線を合わせても反らさなかった人などを中心に配りましたが、半分はけたかどうかって感じです。
私にチラシを渡されたくない人は速足で歩くか、目線を反らしてください。

・名刺 100枚
めっちゃ余ったけどこれ、最低ロットなんでしゃーない。
余った分は捨てればよし。
プリントパックで500円代だったからね。

・メイキング本
ぶっちゃけこれはいらないんですが、他人のメイキングを見るのが好きすぎるので展示用として作成しました。
いろんな人に見て見てー!した結果、紛失しました。愚か。
次回は穴を開けて紐でブースにつなぐ、もしくは小冊子にして有償配布するなどしようと思います。

・マニュアル
6ページほど作成しました。
うち半分はおまけや作者の紹介でしたが、最後まで読まれた方は少なかったと思います。
マニュアルに書くのは操作方法だけで良いですね。
ゲーム自体はありふれたノベルゲームなので操作に迷う方は少ないと思いますが、作者不在時の試遊に活きた……と思いたいところ。

書くことなさすぎ

試遊デモの仕様

待機状態

もともとタイトル画面ではムービーを再生するため、こちら
MpiTitleMovie.js というプラグインをお借りしていました。
なのでそれを利用して、タイトル画面をPVにしました。

タイトル画面でPVが無限ループされる全自動広報システム

私が不在の時も遊んでくださった方がいたようなので、この動画再生は多分効果的だったと思います。
あとPVを自慢したかった。

温かみのあるPVは、時給はっぱ3枚のたぬきが森で手作りしています。

ゲーム開始時

開始直後の注意書き
シーン選択画面

実際のゲーム内容としましては、1プレイ5分ほどのシーンを最初に選択していただき、シーンが終わったあとに再びこの画面に戻るようになっています。人がいなければ連コしていいよ的な。

シーン前にキャラ紹介を兼ねたあらすじが挿入される

一番多く遊ばれたのは上の「二人との出会い」でしたが、下二択でキャラクターを深掘りしてくださった方もいて脚本冥利。

シーンの概要は上から、
・メインキャラ2名の初登場シーン
・登場人物Aの闇がチラつくシーン
・登場人物Bの闇がチラつくシーン
の3つでしたが、このゲームで対面するキャラクターは悪い殺人鬼のため、「悪さを見せつけるシーンの方が印象に残るのではないか」という意見もありました。つまりヴィランみ。略してヴィラみ。
キャラクターに同情してもらうべきなのか、嫌ってもらうべきなのか悩みますね……悪役がヒロインを兼業しているようなストーリーなので……

カットされたカスのご高説

試遊で得た情報

グラフィックや演出面を褒めてくださる方が多かったです。
グラフィッカーなので嬉しい。

魔法少女に変身バンクがあるならば、死刑囚には収監バンクがある

おはなしについても褒めてくださる方がちらほらいました!
ストーリーは自力で評価できないのでありがたい……

試遊の男女比は想定に反し、2:1で男性が多かったです。
自分では女性向けゲームかな?と思い込んでいたので意外。
イベント自体、男性客の方が多かったのかもしれません。
こういう絵作りのゲームなので、子供はゼロです。
今回来てくださった方々は20~50くらいのお年だったと思います。
外観で他者の年齢が分からないタイプの人。
ありがたいことに、中国の方も試遊してくれました。
相手の母国語が分かると翻訳需要の参考にもなりそうですね。

みなさん自力でゲーム終了まで遊べている様子でしたが、
反対に詰まる画面、誤操作の多い画面、使われなかった機能なども観察できました。
こういう生の反応は、アクションやパズルゲームの作者さんに特に役立つと思います。

ごく少数の偏った感想

・エッチ
ムチッ……💗ガリッ……💗

反省点

目を離した隙にバグってた

もう何時間もバグってないし、多分大丈夫だろ……と思ってふとゲームを見たら、会話イベントが二重に再生されるというバグが発生していました。
プレイヤーは初見なので、そもそもバグかどうか分からなかったっぽいです。

試遊用に買った中古ノーパソがスペック不足

イベント直前に買ったノーパソを試しに動かしてみたらFPS 08という異常値を叩きだし、慌ててデスクトップパソコンを現地まで発送することに。
軽量化、スペック調査のためにいろいろな方の世話になりました。

出展者も座っていい

東京ゲームダンジョンでは椅子を追加で借りることができるオプションがありましたが、開発者はブース脇で立っているという偏見があったため借りませんでした。
ひどく苦しみました。

14時からいきなり混む

なんか誰も来ないっぽいし、挨拶はゆっくりでいいか……と思っていたら、14時から混みはじめてしまい、いろいろなゲームを遊び損ねました。
ピーク時間を把握していなかった。

撤収パワー不足

今回はワンオペ出展を選択しましたが、撤収が下手すぎて危うく私だけ居残りになるところでした。
他の方に手伝っていただいたおかげでどうにか片付きましたが、次回以降は自力で解決したいです。
今後はレンタルおじさんか知人を雇おうと思います。

撤収時の梱包ミス

宅配箱から出した荷物が、同じ箱に入らなくなった。
体積は変わらないのに不思議だね……

本当は梱包時に宅配箱内部を撮っていたのですが、その存在をすっかり忘れていました。
次回は写真を印刷して箱に同梱します。

最後に

初めての出展なので印刷会社、荷物、機材など分からないことだらけでしたが、知ってる人知らない人含めて本当に多くの人に助けられて無事に出展を終えることができました。
とにかく、自分が多くの人の善意に助けられていることを実感できた一日だったと思います。
今回は東京ゲームダンジョン、ひいてはインディゲーム業界の賑わいの一つになれて本当に光栄でした。
次回出展は1年以上先になると思いますが、開発に進展があればまた参加したいです。









蛇足

会場に来ていただいた方は、ブース脇に60cmくらいの狸がいてびっくりされたと思います。
あれは東北の山奥から来た狸なんですね。
日本に忌まわしき奴隷制度が残存していることは皆さま周知の事実だと思うのですが、私たち狸は本来義務教育を受けられない非人階級なんですよ。
狸が肉食であることと、人間を狩って食べることも皆様周知のとおりだと思うのですが、このゲームは山によくいる野良エンジニアを隷属雇用して作っているわけですね。
このゲームって実は、狸村の地方復興をかけた一大プロジェクトなわけです。
現地では「このゲームは一人開発だ」という説明を受けたかと思いますが、あれはあの狸が初めて東京に来たもんでね、調子にのってホラを吹いているんです、へい。

でもそいつの写真で、東京の掃除ロボットを見た時は本当にたまげました。
東北民は近年のAI発展の煽りを受けて、自動回転チェンソーロボと戦争しているので……
自衛隊の皆様が戦車を支援してくれるおかげで、まあなんとか互角にやれています。

でもね、発展の余波って弱者に行くんですよ。

東北の狸の最低賃金が木の葉3枚であることは皆さん周知の事実だと思うのですが、とにかく円高葉安。
田舎狸がたまの贅沢に都会に出ると、ちょっといいミネラルウォーターを買っただけで1日の給葉が消え失せます。

あ、でもこの葉っぱだけは

これはとても良い草

親切な人が、ちょっと高く交換してくれるんですよ。

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